けまろうさんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

けまろう

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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『2001年宇宙の旅』鑑賞。映画だけではなかなか理解が難しいが、壮大なクラシック音楽の中で広げられる宇宙空間のシーンは観るものを圧倒する。特に音の緩急のつけ方がうまい。クラシック音楽もさる?ながら、無>>続きを読む

2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『2001年宇宙の旅』鑑賞。映画だけではなかなか理解が難しいが、壮大なクラシック音楽の中で広げられる宇宙空間のシーンは観るものを圧倒する。特に音の緩急のつけ方がうまい。クラシック音楽もさる?ながら、無>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.8

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『この世界の片隅に』観賞。こうの史代作品は文化庁メディア芸術祭でマンガ部門の大賞を獲った「夕凪の街 桜の国」が大好きだったので、無意識に脳内で比較してしまっていた。「夕凪の街 桜の国」は実際に主要人物>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.5

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『時計じかけのオレンジ』鑑賞。キューブリックは『シャイニング』と『博士の異常な愛情』以来。舞台は荒廃した未来のロンドン。ディストピアで人間賛歌のベートーヴェンの第九が鳴り響く皮肉は非常に好き。その他、>>続きを読む

これが私の人生設計(2014年製作の映画)

3.8

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『これが私の人生設計』鑑賞。前向きな主人公のセレーナは世界各地で活躍した女流建築家。人生を見つめ直して故郷のイタリアに帰ってくるものの、建築業界が極度の男性中心主義であるが故に、人生の挫折一歩手前まで>>続きを読む

ブルックリン(2015年製作の映画)

3.9

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『ブルックリン』鑑賞。故郷アイルランドを離れてニューヨークに移り住んだエイリシュが成長していくヒューマンドラマ。愛する姉ローズの過ごした故郷と婚約相手の待つニューヨーク、どちらに住むか揺れ動くエイリシ>>続きを読む

PK(2014年製作の映画)

4.3

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『PK』鑑賞。ラージクマール・ヒラニ監督『きっと、うまくいく』に引き続き、アーミル・カーンが主演を務めるヒューマンコメディ。もうこの軽快なノリと雰囲気はボリウッドにしか出せないだろう。クラウン的な立ち>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.5

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『湯を沸かすほどの熱い愛』鑑賞。特に引っかかるところのない映画だったが、実は大絶賛されていると聞いて驚いた。登場人物が割と雑多で脈絡のない感じが気になったが、宮沢りえ演じる双葉の普遍的な愛情を表現する>>続きを読む

アクエリアス(2016年製作の映画)

3.8

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『アクエリアス』鑑賞。ブラジルの港湾都市レシフェで暮らす初老女クララの一生を三部(クララの髪、クララの愛、クララの癌)で描いた作品。海浜都市開発の一環で新アクエリアスの建設を目論み、業者がクララの入居>>続きを読む

あなた自身とあなたのこと(2016年製作の映画)

3.7

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『あなた自身とあなたのこと』鑑賞。基本的には固定したフレームの中で繰り広げられるダイアローグ。酔ってるイ・ユヨンがかわいい。なぜ記憶がない(or ないふりをしている)のかよくわからなかったが、常に新鮮>>続きを読む

愛の喪失/ネヴァー・エヴァー(2016年製作の映画)

3.6

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『ネヴァー・エヴァー』鑑賞。映画監督である夫レイを失ったパフォーマンスアーティストのローラが、家に巣食う人ならざるものとの交流を通じて、その孤独を克服していく話。多少ホラーのようなスリリングな場面が何>>続きを読む

サーミの血(2016年製作の映画)

5.0

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『サーミ・ブラッド』鑑賞。こんなに素晴らしい映画に出逢えて幸せ。ラップランドの壮大な大地と残存するサーミ族への差別というスウェーデン史の闇、そこで葛藤する少女、ヨイクの美しい旋律、すべてが噛み合って文>>続きを読む

ミスター・ノー・プロブレム(2016年製作の映画)

3.8

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『ミスター・ノー・プロブレム』鑑賞。小説原作のモノクロ映画。デビュー作とは思えないほどのクオリティ。モノクロの美しい景色の中で繰り広げられるユーモアが良い。あまり深さは感じられなかったが、心地よく観れ>>続きを読む

ビッグ・ビッグ・ワールド(2016年製作の映画)

3.9

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『ビッグ・ビッグ・ワールド』鑑賞。しかも監督のQ&Aつき。監督曰く、アイテムの寓意は幾千通りもあり、すべて観客次第ということなので好き勝手書く。
これは明らかに創世記を意識している、と観客の誰もが思う
>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

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『アスファルト』鑑賞。曇天の街の中、団地で起きる6人の男女の群像劇。老朽化したピカソ団地に入居する3人の男女はどこか満たされない想いを抱いていた。シャルリは母親の愛情に飢え、スタンコヴィッチは想い人を>>続きを読む

サファリ(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『サファリ』鑑賞。狩猟と言えば、人間による自然の侵略という側面が強くなってしまうが、本作では現代における趣味としての狩猟を通じて、白人の傲慢さを訴えるような内容だ。サバンナの自然を悪びれもなく蹂躙する>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

3.9

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『エスター』鑑賞。ストーリーはとても好きだし、スリリングな描写も非常に好みだったが、映像表現に魅力がなく陳腐。「何年も子供を演じてきた大人」という結末は、大人と子供という境界を曖昧にする非常に哲学的な>>続きを読む

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

4.1

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『ダゲレオタイプの女』鑑賞。芸術の狂気に取り憑かれたステファン、資本の狂気に取り憑かれたジャン、そして二人の狂気に翻弄されるモデルのドゥニーズとマリー。ふたりの肉体は失われるが、ダゲレオタイプの手法に>>続きを読む

傷物語II 熱血篇(2016年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

『傷物語 鉄血篇』鑑賞。これぞ真のアニメーション。音声と映像の不一致はディズニーと真逆ながらも、声優の実力ゆえに成立する新しい手法か。

サウスポー(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『サウスポー』鑑賞。児童施設出身でありながら妻のサポートと強烈な右手を武器にチャンピオンとなったボクサーのビリー・ホープが、妻を事故で喪うという想定外の出来事をきっかけに凋落、再起をかけて奮闘する逆転>>続きを読む

レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

『レッドタートル ある島の物語』鑑賞。象徴的なシーンが多く、各シーンを本質的に理解するのは非常に難解なように感じた。個人的に一言でまとめるとすれば「ゴーギャン風 創世記」に尽きる。≪我々はどこから来た>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『怒り』鑑賞。三様の恋愛劇が繰り広げられ、さまざまな怒りが錯綜する。物語は八王子の夫婦殺人事件から始まるが、それはもはや作品の一端でしかなく、壮大な「怒り」という表象の氷山の一角に過ぎない。
沖縄基地
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THE 4TH KIND フォース・カインド(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『THE 4TH KIND』鑑賞。モキュメンタリー作品は恥ずかしながら初めてだったが、非常に面白く鑑賞できた。ノームという実在の街を舞台に、アブダクションが実際にあったら、という設定を巧妙かつリアルな>>続きを読む

グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

『グッバイ、サマー』鑑賞。思春期のガーリッシュな男の子ダニエルが、一夏の友人との経験を通して成長する青春ロードムービー。ダニエルのとてつもないかわいさはさることながら、思春期男子のリアルを的確に描写し>>続きを読む

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』鑑賞。ものすごくよかった。アイルランドに伝わるシルキーというあざらしの精をテーマにした作品。そのほかにも、精霊ディーナシーやフクロウ魔女マカ、伝説の巨人マクリルなど>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

4.1

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『第三世代』鑑賞。タイトルは新しい価値観をもつ新たなテロリストとしての「第三」らしい。
ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』を引用し「人間は愚かだ」という悲観主義に基づいたストーリー構成。事
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デスペア 光明への旅(1977年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『デスペア 光明への旅』鑑賞。コメディーなのかサイコロジーなのかよくわからない作品。あらすじをざっくり書くと、ものすごく杜撰な保険金殺人を企む男の話。主人公が自身に似ていると考えたホームレスを身代わり>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.9

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『13回の新月のある年に』鑑賞。初めてのファスビンダー作品。男が好きな男のために性転換をするも、実らなかった悲恋の話。監督の妻の自殺を受け制作した作品。
主人公のエルヴィラは「とある男を好きな女」であ
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

『聲の形』鑑賞。原作読んでたから厳しい視点で観たけど、1秒も無駄なシーンがなかった。文句なしの傑作。

ソラリス(2002年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『SOLARIS』鑑賞。色々と言いたいことはあるものの、思ったよりも楽しめた。単純にタルコフスキーと切口が違うだけなのだね。全てが愛に許される、まさに無限月読の世界。虚構の想い人を愛せるかという問いは>>続きを読む

ダージリン急行(2007年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

『ダージリン急行』鑑賞。『グランド・ブダペスト・ホテル』に続き、ウェス・アンダーソン監督の作品は二本目。期待値が高かったせいか、思ったよりも盛り上がりに欠けていた印象。凄くざっくり言うと仲悪かった兄弟>>続きを読む

最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲(2014年製作の映画)

4.5

『最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』鑑賞。国際結婚をテーマに多様性に対するメッセージが込められた作品。ドゴール信者の父親とカトリック左派の母親を持つヴェルヌイユ家。フランス人の婿を貰ってほしいと>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『スーサイド・スクワッド』鑑賞。半年くらい前に観た予告編でクイーンの使い方が洗練されすぎていて期待値が高かった。ハーレイ・クインのかわいさでハチャメチャ展開は何でも許せるし、ディアブロもデッドショット>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ヴィジット』鑑賞。POV技法の本領発揮を垣間見た。ホラーを鑑賞者に体感させるにはやはりこの手法しかあるまい、そう思わせるほど技法と内容が噛み合っていた。
離婚が原因でそれぞれに問題を抱えている家族が
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さざなみ(2015年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

『さざなみ』鑑賞。シネスイッチで見逃したのを後悔していたので、ギンレイ様には毎度感謝です。
夫婦として仲睦まじく過ごしてきたジェフとケイトは、週末に結婚45周年記念パーティーを控えていた。そのふたりの
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