ビートたけしが好きなものをごった煮にしたやりたい放題コメディ。終始ギャグやコントでシーンが構成されるが、主役のダンカンの小物っぷりと非常にマッチ。ヤクザもの、エロチックもの、戦隊もの、そして特撮怪獣も>>続きを読む
北野映画の特徴は本筋と関係のない人物も、さも関係ありげに映されること。だが、それでこそ人間の人生というものではないか。閉ざされた世界ではなく、様々な人間と関係して世界は作られている。
それが最も生>>続きを読む
外国人の演出はもはやギャグ。ステレオタイプではあるが、そのイメージをむしろ利用しようとする。様々な暴力描写が秀逸。
ラストの「アニキ!」の絶叫の連呼には爆笑しながらも涙。
北野武が描くラブストーリーの女性は、俗世から離れた神聖さがある。そんな女性に男性が寄り添い、そして世間からどんな目で見られようとも、2人だけの閉ざされた世界で純度の高まった愛を育む。そんな印象がある。>>続きを読む
北野武という映画作家のフィルモグラフィーを俯瞰して見て時に初めて意味を成す映画であり、作品単体としての評価は難しい。
北野武の人形を人間ドッグの機会に入れるところから始まる本作は、北野武が映画作家と>>続きを読む
誰も理解してくれない孤独な男の元に唯一現れた女性。ラストで「芸術品」としてのコーラの缶を川に蹴り飛ばす音がいい。あの「カンカララン」という音と共に、呪縛から解放されてほしいと心底思う。それほどあの男の>>続きを読む
殺し方から縄張り争いから私利私欲にまみれた結末まで。
よくヤクザの組織をこれほどまで整理しつつ、1人1人を魅力的に見せれるものだ。
北野映画でお馴染みの黒人描写は気になるが、文句なしのエンターテイ>>続きを読む
ヤクザ社会の核となるもの。
それは人間同士の信頼関係であろう。
兄弟や親子の杯を交わし、仁義や道理を絶対に守り抜く。
そんな強固な関係性を築いている花菱会と対照的に、「裏切り」から発足している山王会の>>続きを読む
一応新旧の組織の争いという構図ではあるが、そこに「アウトレイジ」のようなパワーゲーム的な駆け引きの面白さはない。ジジイを7人集めるだけで完成する面白い画。そして彼らに時に自虐的に、時にブラックユーモア>>続きを読む
アウトレイジシリーズを締めくくる本作は、ビートたけし演じる大友の、そして映画監督である北野武の、ケジメと落とし前の決意がこもった力作である。
前2作はフレッシュな暴力描写のつるべ打ちや俳優の顔相撲が>>続きを読む
リアリズム西部劇の傑作と評された「真昼の決闘」のアンチテーゼとして制作された本作は、社会性を持たず、観客を楽しませることが最大のテーマであり、目の高さに固定されたカメラ、スピーディーなアクション、練ら>>続きを読む
貴重な本を強奪するために、仲間を集め、計画を立て、実行に移すというケイパーものの展開を忠実になぞる本作は、時折挟まれる実際の犯人たちのインタビューが真実味を強固にするものの、スタイリッシュな演出とは裏>>続きを読む
ユニホームが色付き、ラストシーンでコート上で喜び合う様々な色の服を着た人々の中にエマストーンが入っていく光景が象徴するように、本作は男女、さらにはLGBTQといったカラフルな世界を背負った女の物語であ>>続きを読む
おニャン子クラブ、松田聖子、神田正輝、三浦和義ロス事件、日航ジャンボ機墜落事故、豊田商事会長刺殺事件などの題材に、恐縮ですが口癖の内田裕也レポーターが直撃していく本作は、現実の再現という部分はあるもの>>続きを読む
TVをキーとして物語を展開するなら、きちんと「小道具」として生かすべき。
序盤はTVにまつわる面白い設定を描いたにもかかわらず、勿体ない。
ただ、「メディア」を通してこの世とあの世が繋がるといった話は>>続きを読む
言葉も通じず、互いにいがみ合っていた人間たちが、法律上の言語ではなく、あるひとりの人間の「物語」によって心を動かされ、それが国の歴史をも動かす力強い一作。あくまでも個人の尊厳や力強さを見つめ、それに応>>続きを読む
ディズニーのピノキオでは、人形の少年が体験する人間社会の欲望と悪意が容赦ない恐怖を伴って描かれていたが、本作でデイヴィッドが目撃するそれもまた圧倒的な陰鬱さによって印象付けられる。まさに人間の欲望の道>>続きを読む
自転車に乗った子供がETに誘われ、地上を離れ大空へと駆け上っていく。ジョン・ウィリアムズのテーマ曲がフルで鳴り響く中で、月や夕日をバックに彼らのシルエットが浮かび上がる。そんな美しい光景に立ち会える権>>続きを読む
洒落たオープニングから始まる本作は、冒頭からスピルバーグの『タンタン愛』を感じ取ることができる。オープニングのシークエンスで、作り手は決してタンタンの顔を映そうとしない。似顔絵を描いてもらっているタン>>続きを読む