都部さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.5

2020年邦画マイベスト。
邦画の良い所を余さず詰め込んだような本編で三度ほど泣いてしまい、劇中で交わされるロング・グッドバイの台詞でトドメの大泣き。

学生時代にアホやって中心に居たあいつと隣で笑っ
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.0

牧歌的な韓国の片田舎で発生する家族同士の殺人事件、怪異の予感を感じさせるその事件の影には余所者(演:國村隼)の存在が。

志向性が狂いに狂いまくったサスペンスホラーで残酷な死体の様相から始まり、祈祷師
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.8

右翼左翼と立場を超えた熱量ある討論を余さず捉えた108分、観念論が飛び交う本編ではあるが大変面白かった。
三島先生のユーモラスかつ度量ある振る舞いは世間一般の『三島由紀夫像』とは異なるのではないだろう
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エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.3

シャーロック・ホームズの実妹エノーラの冒険活劇。

設定先行型の映画かと思いきや、思いの外ポップにエンタメやってて好印象。
一人の少女の自立までの物語に対して、女性の立場獲得の為の法案改正を巡る事件を
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.6

映画の魅力の半分は音によって支えられている。

フッテージで流れる往年の名作と共に語られる映画音響の変遷、また映画の楽しみ方に幅が生まれると実感する非常に良い映画体験だった。文化的な価値が高めなのかな
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.5

話自体は王道なそれだったが、締め方に一本取られた印象。兄弟愛 家族愛のアプローチも鼻につかずその辺は流石のピクサー。科学の進歩で魔法が衰退したファンタジー世界という世界観を成長に繋がる自己肯定に結び付>>続きを読む

スパイ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

1.4

暗躍するインド忍者VSロボ恐竜に搭乗する日本人というタイトルマッチが見れるのはこの映画だけ!忍者は数時間息を止められるから宇宙服は要らないぞ!

月面におけるヘリウム資源の競走戦争という大筋は、成程
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リバービースト ある半漁人の憂鬱(2013年製作の映画)

1.3

エド・ウッド作品を思わせる語りから始まり、本作は極めて恐ろしい映画なのでリバービーストが登場する前には画面が点滅するという親切設計付き。Z級映画としてはめぁまぁヒューマンドラマで、猫砂を頻りに推してく>>続きを読む

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.2

キューブリック版シャイニングの正当な続編として制作された本作。しかし、蓋を開けてみると出てきたのは因縁入り乱れる異能力バトル。これこそ原作に忠実なのに『コレじゃない』とか言われる不遇な続編である。
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

5.0

打ち切りから20年経ても根強いファンを持つSFドラマ ギャラクシー・クエスト。その主演者達の元に現れた本物の宇宙人達。なんと彼等はギャラクシー・クエストが本物の英雄譚だと勘違いしており、ヒーローを演じ>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.3

ブルース・リーの師匠 イップ・マンの伝記映画。詠春拳の使い手であるイップ師匠が、正義の為に拳を振るい相手を薙ぎ倒す様は実は爽快。クンフーって格好いいなぁ、と素人目に楽しめました。日中戦争時の香港を描い>>続きを読む

デンデラ(2011年製作の映画)

2.8

殺伐ババア百合ことデンデラ。
姥捨て山伝説に従い捨てられた斎藤カユを救ったのは、同様の手順で鬼籍に入ったはずの婆だった。彼女達は山の裏で國を作り、自分達を棄てた村人総惨殺を企てていた。そんな復讐計画実
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.7

大富豪の死と腹に一物抱えた家族達、最有力容疑者にして嘘を吐くと嘔吐してしまう体質を持つワトスン役の主人公。
そして、そこに現れる誉れ高き名探偵。
華麗なる推理劇の舞台はかように整った!

シリアスとユ
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.2

連続殺人鬼も誰かの隣人だ。

少年達と血と屍に塗れた夏の冒険。
80.sジュブナイル、まぁ、主にキング作品ですね。それに沿った展開が続くが『人生はスタンド・バイ・ミーの様にはいかないよね』と底意地の悪
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.1

パラサイトのポン・ジュノ監督による実在する韓国の未解決事件をベースとした本作。

民主化以前の腐敗した警察組織の様相を黒ユーモアに描く裏で起こり続ける女性を標的とした猟奇的殺人事件。ラストシーンの斬れ
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.1

詩人 最果タヒの詩を映画化した本作。

空虚を詰めたような東京という街の片隅に生きる不器用な若者達の現実、という題材は凡百のそれではある。しかし挿入される最果氏の詩によって本作は独特の世界観を醸し出し
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ガールズ&パンツァー 最終章 第2話(2019年製作の映画)

3.2

前作に比べると構成も見応えも大きく異なる第2話。POV的なカメラワークが戦車戦の臨場感に繋がっていて良かったように思います。後半のジャングル地帯での戦闘が好き。知波単学園の精神的な成長を描きつつ、次回>>続きを読む

イソップの思うツボ(2019年製作の映画)

1.8

カメラを止めるなの上田監督を交えた三人の監督による共同作品。

なのだが、三人で撮った事による必要性が見受けられないのがやっぱ残念な作品ですね。兎、犬、亀とそれぞれのモチーフを与えられた三つの一家のサ
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.5

タランティーノが送るスラッシャームービー。

車を凶器とした殺人鬼野郎VSタフな女達。
タランティーノ節が効いた冗長な女共の会話の応酬続く前半からのド派手なカーバトル繰り広げる後半。暴力血飛沫欠損!!
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

滅亡間近の人類を救済する第二の惑星探査計画。宇宙における孤独 静寂 そして五次元への突入と畳み掛けるような神秘的な世界の奔流、作り込まれた映像美によるカットが続く169分。

2001年宇宙の旅以後の
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劇場版 フリクリ オルタナ(2018年製作の映画)

1.9

青カビが生えたような春にサヨナラを。

僕はオリジナルOVAシリーズ 『フリクリ』を愛おしく思っており、その作品の続編ともなれば評価は厳しくなって当然な訳ですが。しかしそれにしたってもうちょいあっただ
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.6

2027年の古都を舞台に繰り広げられるセカイ系SFラブストーリー。

手垢付きまくりなストーリーではあったが、この手の一途な恋愛物語に弱いので個人的には満足。日本の3Dアニメ映画としての出来は目を見張
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

TENETの雑感として一先ずは面白かったです

ただ大筋自体はシンプルなのに難解と称される部分が科学に基いたSF要素ではなく、情報の交通整理またその開示の仕方の不得手さから成る物が主であったのが個人的
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.6

幼少時代 自分が愛した教育番組『ブリグズビーベア』は、両親を騙っていた誘拐犯の夫妻が作成した偽の番組だった。25年の誘拐生活から解放された主人公は自分の愛したブリグズビーベアの続きを欲する余り、自身の>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

2.7

一軒家に住まう夫妻の元に現れる訪問者。彼を契機に次々と大勢の他人が夫妻の家に居座り始め セックス、結婚式、出産と好き放題をし始め...。
日本公開禁止作品と聞いてたが、なるほど確かに公開は無理ですねこ
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.7

岩井俊二オールナイトにて。
流され続け生きてきた女性が花嫁に至る物語。

長尺だが二転三転する状況、提示される謎を追うある種ミステリ仕立ての構成という事もあり長いとは感じなかった。百合映画として名が上
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四月物語(1998年製作の映画)

3.6

北海道から上京した少女の静かなる四月物語。

画面の奥から季節の匂いが香るような、幻想的な桜の雨のシーンが美しい。不透明な未来が許される今この時だからこそ抱ける淡い希望に満ち満ちた67分間。純粋という
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コンジアム(2018年製作の映画)

2.8

実在する曰く付きの病棟を舞台に起こる怪奇現象により心霊調査系YouTuber共が酷い目に遭う話。

プロット自体は単調というかよくあるそれなのだが、多種多様な撮影機材による撮影がPOVの臨場感を高めて
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続・終物語(2018年製作の映画)

3.2

冗長なフィナーレ。

現実と理想の板挟みとしてIfという位置付けを扱うセンスは好ましいが、情報の小出しと場面の入れ替わりが多い為に一本の作品としては散漫な印象が見受けられる。ノリとしてはウイニングラン
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.6

ガリ勉優等生の二人が勉強一色の青春で終わるものかと卒業前夜イケてる奴等のパーティに乗り込む青春映画。

派手な映画かも思いきやその実タッチは丁寧。
自己肯定感やスクールカーストまた自分の持つ性嗜好に悩
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東京物語(1953年製作の映画)

3.3

海外監督からの評価が滅法高い邦画の古き良き名作。感動ではなく心に染入るという言葉が適切な感触だった。描かれる家族の美しさと冷たさは現代にも通ずる部分が多く、それらの情緒的な場面はどうにも印象に残る。上>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

2.6

映画史に名を刻むSF映画。
難解な映画として名前が上げられる本作ではあるが、粗筋自体は極めてシンプルだったので理解はしやすかったと言える。画作りから伺えるハイセンス、CG無使用の宇宙世界、映像としての
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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

3.4

エドガー・ライトが送るアル中共の英雄譚。学生時代に果たせなかったパブ十二軒巡りに再挑戦する五人の男達。しかし在りし日の故郷は、侵略者達のロボット軍団に占拠されていて...。
知るか!バカ!俺達は酒を飲
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インセプション(2010年製作の映画)

4.3

対象の夢の中に侵入する事で潜在意識から機密情報を抜き取るエージェント コブ。国際指名手配犯として追われる彼は、自由を手にすべく絶対不可能のミッションに挑むこととなるのだが...。多重構造的展開と空間を>>続きを読む

犬鳴村(2020年製作の映画)

1.4

実在する心霊スポット 犬鳴村を舞台としたホラー映画。
序盤の雰囲気が好みだっただけに、犬鳴村の悪霊が姿を現す中盤から恐ろしくなく、求めているホラー的楽しさが皆無だったのが難儀ですね。ミッシングリンク、
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スカイ・ハイ(2005年製作の映画)

2.4

ヒーロー養成学校で繰り広げられる超能力青春ムービー。
...なんかアマプラ製作のオリジナル映画っぽいな。

見ての通り、ディズニー制作の子供向けのヒーロー物という事もあってかシリアスな掘り下げはあまり
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