いちこさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.7

伊坂さん原作だからか、かなりメリハリがあって、大きな世界を描いている印象だった。原作をアレンジしつつも、個人的に好きなフレーズやその世界観を残して美しく編集されててうれしかった。

原作にないシーン、
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.1

ツチダとせいちゃんの日常がある部屋が好きだ。どこか暗かったりゴミ袋が溜まってたり、雑多に見えた部屋も、出会った頃はぴかぴかと明るくて、ふたりの関係を示唆してるみたいだった。それだけの時間を、あの部屋で>>続きを読む

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018年製作の映画)

3.4

作品全体の雰囲気がすきだった。必ずしも全部ハッピーじゃないし辛い現実もある、それでも、やさしかった。

他人にも、そしてときに自分にもわからない何かが、夫婦にはあるんだなぁと思った。

ときに向き合う
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

3.8

ドラマは見てなくて、映画から入ったけど楽しめた。

ドタバタコメディ(?)ぽい演出で、こういう感じかーとぼんやり観てたら、終盤の展開にしてやられた。伏線のための細やかな演出の数々。豪華キャストたちのキ
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海街diary(2015年製作の映画)

4.3

鎌倉の夏が恋しくなる映画。

極楽寺の道のりや鎌倉の山と海、日本家屋、お寺の景色が、四姉妹や登場人物たちの背景として美しく重なる。

他の作品も含め、是枝監督の映画は、景色と人の描写が本当に美しいと思
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嘘を愛する女(2018年製作の映画)

3.6

わたしには全然ハッピーエンドには思えなくて、終わりのシーンが始まりに思えて、それからのことを考えた。

言わないでいること、嘘をつくこと、それを相手の知らない場所で暴くこと。

それがハッピーエンドに
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くちびるに歌を(2015年製作の映画)

3.8

島の景色と、繊細で脆くて真っ直ぐな青春の重なりが美しかった。

それぞれ抱える悩みや葛藤は、青春時代だけにあるものじゃない。15年経って大人になっても、辛いことや悲しいことはあって、それでも誰かとの出
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.0

平凡ないちタクシー運転手の視点からどんどん巻き込まれて引き込まれて、彼らと同じ視点で光州事件を目の当たりにするストーリー構成がよかった。こういう人達の思いと行動があって歴史が変わって今があるんだよな。

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

不器用で、一癖も二癖もあるヨシカが愛おしい。産休届を書き殴って「勝てる!」って最強なカオしてるとこも、二を召喚して気持ちぶつけるとこも好きだった。

渡辺大知さん演じる二についてはいろんな意見あるけど
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羊の木(2018年製作の映画)

3.5

本格派ミステリーだと思って観ると、少し期待外れでがっかりするかも。

個人的には、原作の見せ方というか伝え方の方が好きだけど、映画はまた別に1つの作品として作り上げられていておもしろかった。

比喩表
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.3

鈴子が呟くように言った「(自分を)探さなくたって、嫌でもここにいますから 」というセリフがじんわり胸に残った。

最後に出てくる手紙の文章が好きで、何度も観てる作品。別れと出会いを繰り返しながら、前に
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0


ちくりと胸が痛んだり、ぎゅうと苦しくなる場面が、そんな子どもたちの生活が、冒頭からずっと続く。

ベランダの窓にかざした小さな手、5歳の女の子がはみ出すように履いて歩くぷぅぷぅサンダル、校門の向こう
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鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

3.9

ドキドキハラハラしちゃうシーンもありつつ、クスッと笑えるシーンがいっぱいあって、脚本が秀逸。最後まで安心して楽しく観られる映画だった。

本物の愛、みたいなのを知らない人たちに見えて、でも全くそんなこ
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.7

憧れを手にする一歩を踏み出したり、手を伸ばすことさえ叶わなかったり、忘れられなかったり、何者かになれなかったり、何者にもなりたくないと思ってたり、輝かしい瞬間からの時間の経過を疎ましく思ったり。

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ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.9


突然現れる敵との接近戦がメチャメチャかっこよくて、ミニでのカーチェイスもどちゃくそにかっこよくて、とにかくマット・デイモンがかっこいい。この人は絶対負けないって安心させてくれるレベルで強くて、敵をバ
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.4

こわすぎた。香川照之さんの凄み。。じわじわと心を壊されていく恐怖は、ある意味すぐに殺されてしまうようなシーン以上に心をえぐるものがあった。

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.7

時間軸の把握が難しくて、2回観た。それぞれ役者さんがいい味出しているというか、ハマってるというのか、全員とてもよかった。

春子の鬱屈とした毎日と、ユキオと学と愛菜の落書きアート、女子高生の集団暴行が
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

最強だし、キュートなふたりだった。

自分が感嘆した絵画の価値をわからず「落書き」だとか「高すぎる」と言われても、「障害者にぴったりなジョークだろ?」なんて正直笑えないようなことを言われても、怒らず受
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.6

オープニングで映し出されるパリの街並みと風景が美しかった。

黄金時代への憧れは、いつの時代の人も感じてきたのかもしれない。でもたとえ退屈な現代でも、逃げずに生きてれば少なからず起こるであろうハッピー
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八日目の蝉(2011年製作の映画)

4.0

物心つく前の幼い頃、記憶にはなくても、恵理菜(薫)はどれほど愛されてたか、ふたりがどんな毎日を過ごしていたのかを目の当たりにして号泣。

衝動的で深くて強い母性は、自分とは遠いようでいて、でも不思議と
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.8

埼玉ディスが多いものの、それ以上に愛がなければできない表現演出あってか、全然イヤな感じがしない。対象への愛やリスペクトは、受け手に伝わるものなんだな。

「埼玉県人」とか、下手したら(しなくても)差別
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インスタント沼(2009年製作の映画)

3.7

ジリ貧でも、うまくいかないことが続いても、いき詰まったら「水道の蛇口をひねれ!」の精神でやっていこうと思った。

電球のおっさんと、蛇口をひねって全力疾走したあとのハナメ(麻生久美子さん)のハイテンシ
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

是枝監督の作品に出てくる家族と、その撮り方がすきだ。

『歩いても歩いても』の家族を見ていたら、ぶっきらぼうな感じも、優しい言葉も、悪気なく放った言葉も、逆立つような感情も、取り繕った振る舞いも、どれ
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

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今のわたしには難しくて難しくて、よくわからなかった。

人が撃ち合う、撃たれる、殺されるシーンはいくつもあったけど、共感の余地は全く見せてくれなかった。

ワーグナーの曲を流して空中から銃を乱射する場
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.1

めちゃ泣かせにかかってくる映画。家族ものの作品が好きな人にはハマると思う。杉咲花ちゃんの名演が光る作品でした。

「お母ちゃんの遺伝子、ちょっとだけあった」のセリフが好き。もしもだけど、いつか、子ども
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.5

ひどく絶望することも強く希望を抱くこともなく、ただ静かに遠くにアカルイミライを信じていくような感じがした。

なんでこの演出を取り入れたのか不思議だな、と思うわかりにくい箇所もあって、不思議な映画だっ
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恋の罪(2011年製作の映画)

3.8

「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」

繰り返し出てくる詩の意味も、「言葉の意味って、体のことなのよ」の真意も、ふたりの女性が堕ちていった背景も、うまく捉えられないまま、ずっとぐるぐるしてる。

映画
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.8

1回目はグロさに目をつむりたくなってあんまり集中できなかったけど、もう1度見たら、よかった。改めて、ボディを透明にするってすんごい言葉。この映画でしか聞いたことない。

最後のセリフが好きだし、強烈。
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おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)

3.2

フェアトレードって言葉は知っていたけど、その前線にいる人たちや貧困を諦めるように引き受けて、それでも家族や子どもたちのことを思って暮らしている人たちを目の当たりにして、初めてその言葉の重みを知った。