Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

Inagaquilala

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オアシス(2002年製作の映画)

3.9

イ・チャンドン監督の最新作「バーニング 劇場版」公開に合わせての、HDデジタルリマスター版の日本初公開。もちろん、作品自体は再々観賞くらいだが、やはり圧倒的な作品だ。最初のシーン、周囲の人間はコートや>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.1

4Kレストア・デジタルリマスター版の日本初公開ということで、初めてのアップリンク吉祥寺パルコへ。昨年12月にオープンした、5スクリーンを持つミニシアターコンプレックス。地下2階で天井が低い割には、なか>>続きを読む

セレニティー:平穏の海(2019年製作の映画)

3.8

サスペンスミステリーかと思いきや、ラスト近くになると、まったく別物になってくる。この展開には、まさに本国アメリカでも賛否両論のようだが(「否」の声のほうが大きく聞こえてくる)、自分としては、それほどひ>>続きを読む

トリプル・フロンティア(2019年製作の映画)

3.9

トリプル・フロンティアとは、ブラジルとアルゼンチンとパラグアイが国境を接している地帯。アメリカ軍の特殊部隊を退役した5人の兵士たちが、この地に住み、巨額のドルを隠し持っている麻薬王から現金を強奪すると>>続きを読む

芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.0

F・スコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャッビー」は、隣人であり、友人となるニック・キャラウェイがギャッツビーについて語るという形式で物語が進んでいくが、この作品の登場人物でもあるシャオ・>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

3.4

原作がコミックということは関係ないかもしれないが、いかにも製作費をかけた感じのダイナミックな映像は素晴らしいのだけれど、なにせストーリーが単調なのと、登場人物の造形がかなり薄っぺらいので、正直、期待し>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.0

「死ぬまでにしたい10のこと」のスペイン・バルセロナ出身の女性監督、イザベル・コイシェが、イギリスの高名な文学賞ブッカー賞を受賞したペネロピ・フィッツジェラルドの小説を映像化した作品。作品は登場人物た>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

4.1

いきなり、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」のメロディーに乗せて、巨大なスーパーマーケットの中をフォークリフトが行き交う。スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」のワンシーンのようだ>>続きを読む

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

3.8

確か、最初にこの作品を観たのは5年ほど前、機内上映での観賞だった。某航空会社の国際線では、日本公開前の作品が必ず2作品くらい、機内上映のリストに入っていた。見かけない作品だったので、内容もよく確かめず>>続きを読む

盆唄(2018年製作の映画)

3.7

「盆唄」を通して結ばれる、福島県双葉町の人たちとハワイ・マウイ島の日系人との交流ばかりが、宣伝や予告でクローズアップされるが、実は、そのエピソードはこのドキュメンタリーの一部分に過ぎない。監督である中>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.9

昨年秋にネットフリックスで配信されたポール・グリーングラス監督の作品「7月22日」(22 July)は、同じ事件を犯人側からドラマ化したものだったが、こちらは終始、被害者側から描いた作品だ。事件という>>続きを読む

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

4.1

これは自分の好みの作品。冒頭からジャン・ポール・ケラーのフレンチポップスで幕を開け、続いてフランソワーズ・アルディ、セルジュ・ゲンスブールと、ニューヨーク郊外の物語であるのに、フランスの香りが漂う。こ>>続きを読む

君は月夜に光り輝く(2019年製作の映画)

3.7

月川翔監督には、日本の若手映画監督のなかでは、ずっと注目してきた。監督作品が、青春ものやコミック原作などに偏ってはいるが、東京藝術大学大学院で映画を学んだせいか、その実力には確かなものがある。この作品>>続きを読む

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ(2018年製作の映画)

3.5

タイトルでは「ヒトラーVS.ピカソ」となっているが、もちろん、この2人が直接交わるわけではない。ヒトラー的なものと、ピカソ的なもの、互いの考えが象徴するものとして作品中では描かれる。具体的にピカソの作>>続きを読む

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

3.7

ソフトな邦題がついてはいるが、中身はかなりハードな内容だ。第2次世界大戦も終幕に近づいたナチスドイツの話で、敗色濃厚な前線では、かなり兵士の軍規違反が起きていた。冒頭で逃げ回る主人公が登場するが、彼が>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.7

舞台となるのは、警察の緊急通報司令室だけだ。カメラはそこからほとんど出ない。部屋には、外から電話で刻々と緊急通報が入る。そのなかのひとつに、私は誘拐されたという電話が入る。過去に曰く因縁を持つ主人公は>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

4.0

「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督がひさしぶりに放った大ホームランかもしれない。とにかく「テルマエ・ロマエ」を初めて観た時のように、笑い放しだった。とにかく徹底的に「埼玉」をこき下ろしており、それが不>>続きを読む

空の瞳とカタツムリ(2018年製作の映画)

3.7

一風変わったタイトルだが、故相米慎二監督が自分の作品のために考えたものを、そのまま継承し、新たに物語をつくり、映像化したという。制作費が限られているせいか、どこかチープさも感じさせるつくりなのだが、女>>続きを読む

ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.6

LGBTの人間に対して、宗教的見地から矯正治療を行う施設は全米に多々あるようだが、この作品は、その驚くべき治療に対して正面から異議を唱える物語になっている。2016年発表されたガラルド・コンリーの「B>>続きを読む

ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018年製作の映画)

3.4

邦題には「ふたりの女王」とあるが、実際にはスコットランドの女王だったメアリー・スチュアートの物語になっている。原題も「Mary Queen of Scots」だ。時代は16世紀、スコットランドに生まれ>>続きを読む

カクテル(1988年製作の映画)

3.5

ザ・ビーチ・ボーイズの「ココモ」の繋がりで、ひさしぶりに再観賞。「ココモ」がどこに使われていたか、すっかり忘れていた。1988年の作品で、まだトム・クルーズが若い。以前に観たときも、トムにバーテンダー>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

3.8

どちらかというと、マーベルコミックスよりもDCコミックスのスーパーヒーローのほうが好きな自分としては、この「ジャスティス・リーグ」にも参加した海底人の物語は、なかなかよくできているなと思った。海の底に>>続きを読む

麻薬王(2017年製作の映画)

3.8

昨年末に韓国で公開され、観客動員第1位に輝いた作品が、2カ月足らずで日本のネットフリックスで配信されるとは。かなりお得な感じがした。しかも、このソン・ガンホ主演のクライムアクションは面白い。物語はとり>>続きを読む

美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)

3.7

「でーれーガールズ」、「勝手にふるえてろ」と、女子もの作品で良作を放っている大九明子(おおく・あきこ)監督の最新作。「勝手にふるえてろ」では、コメディエンヌとしての松岡茉優の才能を見事に花開かせた大九>>続きを読む

リヴァプール、最後の恋(2017年製作の映画)

3.6

迂闊にも、この作品を観るまで、モデルとなったグロリア・グレアムの存在を知らなかった。「悪人と美女」という作品で、アカデミー賞の助演女優賞にも輝いた女優だということ。そのグロリアと、約30歳の年の差を超>>続きを読む

半世界(2018年製作の映画)

4.0

前作「エルネスト」では、やや物足りないものを感じていた阪本順治監督だが、この、オリジナル脚本でメガホンをとった作品では、実に味わい深いヒューマンドラマをつくりあげていた。主演は稲垣吾郎だが、彼が彼らし>>続きを読む

アガサ・クリスティー ねじれた家(2017年製作の映画)

3.5

事件の謎を解く主人公が、エルキュール・ポアロやミス・マープルのような人気キャラクターではないためか、これまでアガサ・クリスティーのミステリーの中でも映画化されることがなかったもの。クリスティー自身は、>>続きを読む

ポーラー 狙われた暗殺者(2019年製作の映画)

3.9

原作がグラフィック・ノベル(「Polar」)、つまりコミックであったり、監督がミュージシャン出身で、マドンナやビヨンセ、レディー・ガガなどのアーティストのミュージック・ビデオを手がけたヨナス・アカーラ>>続きを読む

記者たち~衝撃と畏怖の真実~(2017年製作の映画)

3.8

たぶん、この作品はアカデミー賞の作品賞にもノミネートされたディック・チェイニー副大統領を描いた作品「バイス」と並べて観ると、興味は増すと思う。「バイス」がイラク戦争を仕掛けた側の内幕をブラックコメディ>>続きを読む

たちあがる女(2018年製作の映画)

4.2

これはお勧めの作品だ。温泉と氷河の国、アイスランドが舞台。ポスタービジュアルには、ほのぼの感が漂っているが、本編はなかなか骨太な内容だ。主人公の女性ハットラは、合唱団の指導をしているが、もうひとつの顔>>続きを読む

ナチス第三の男(2017年製作の映画)

3.5

前半と後半で物語の主軸ががらりと変わる作品だ。前半は、ナチス・ドイツでヒトラー、ヒムラーにつづく権力を誇ったラインハルト・ハイドリヒの人生を描いていく。恋人のサジェスチョンでナチスに入党し、次第に力を>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

4.0

アメリカのオレゴン州ポートランド、少年は15歳、母親は家を出てしまい、父親との2人暮らし。少年はランニング中に出会った調教師の誘いで、厩舎での仕事を始める。彼が心を惹かれたのは、短距離馬のリーン・オン>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.8

いわゆるグランドホテル形式を借りたミステリードラマだが、実にテンポよくまとまっている。冒頭から、ホテルの従業員と警察の捜査員の動きを重ねて交互に描きながら、展開に緊迫感を与えている。多数登場するホテル>>続きを読む

移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

3.6

これはなかなかの奇想だ。なにしろタイトルの通り、ひとつの都市が、動力機関を得て、大地を行くのだ。しかも、力のある都市が、非力の都市を呑み込んでいく。原作は、フィリップ・リーブのディストピア小説の「移動>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.2

アカデミー賞の監督賞にノミネートされた5作品のうちのひとつ。監督賞に輝いたアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」と同じモノクロ作品だが、こちらはレトロな、より正方形に近いスタンダード版の画>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.8

とにかく、この作品は、一度は観てみることをお勧めしたい。とくに自分はアニメーション好きではない。むしろどちらかというと、アニメ作品は端から敬遠することも多い。しかし、この「スパイダーマン」の外伝とも言>>続きを読む