genarowlandsさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

オリヴァ・ツイスト(1947年製作の映画)

3.7

チャールズ・ディケンズ原作、デヴィッド・リーンの「オリヴァ・ツイスト」。孤児で盗賊の一味のオリバーに次々起こる災難と、手を差し伸べる富裕層。ドラマチックな展開でおもしろかった。社会階層それぞれを極端に>>続きを読む

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

5.0

イタリア語ではロッコと呼ばれるロッキー。泣いた。ファイナルとか言わないで。人間関係を大切にするイタリア系らしいファミリーの愛の物語であり、スタローンの人生であり、身体張っての作品づくりに感動しかない。>>続きを読む

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

4.1

中2のロッキージュニアはまさに中2男子だった。これは、父と息子の物語。やっぱりロッキーは愛の物語。自分の間違いを認める、いいお父さん。

ミッキー(コーチ兼マネージャー)が…
ポーリー(妻エイドリアン
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ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

4.2

ロッキーの新たな相手は、ソ連のドラゴ。金髪ブラシのような髪型が時代を感じる。名前も全然ロシアっぽくなく人工的で、サイボーグみあり、人間味溢れるロッキーのヒール役としては申し分ない。

トレーニングの仕
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ロッキー3(1982年製作の映画)

4.1

エンタメ色たっぷり。
贅沢なキャスト!ハルク・ホーガン登場。ロッキーの相手はミスターT。プロレスラー投入して、破壊力増してます。

とはいえ、ロッキーは愛の物語です。

エイドリアンが強くなったー、あ
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ロッキー2(1979年製作の映画)

4.0

ロッキーのキャラクターが好き。ハングリーに見えない、おっとり加減がスポ根やボクシングにはない主人公。闘志も見せない。家族のために闘う。

これもまたスタローンの人生を表しているのかな。

子どもたちと
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ロッキー(1976年製作の映画)

5.0

昨年末の私のTLがロッキー尽くしだったので、お正月映画として観ました。
えー、こんなにロッキーって不器用で優しい愛すべき人だったんだ。テーマソングと精肉店のシーンしか覚えていなかった。しかも重要な恋愛
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オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン(2011年製作の映画)

5.0

㊗新年明けましておめでとうございます🐲
今年も素敵な映画に出会い、皆さまと一緒に楽しめますように。

年明けは、これまた大好きな「オペラ座の怪人」のミュージカル25周年のロンドン特別公演から。豪華絢爛
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

5.0

年納めは<民衆の歌>を聴きたくて2012年版の「レミゼラブル」で締めました。2024年に向けて気持ちが上がりました。自由のために闘ったフランス革命の後は、パンのための闘い。今回で3回目の鑑賞です。どれ>>続きを読む

リトル・プリンセス/小公女(1995年製作の映画)

3.8

原作の『小公女』とまさかと思うほど違ったけれど、同じくハッピーエンドなので、まあいいかな。アルフォンソ・キュアロン監督の初期の作品で、舞台の寄宿舎はイギリスからアメリカに変わっていて、セーラは活発で負>>続きを読む

プチ・ニコラ(2009年製作の映画)

3.8

フランスの国民的絵本の実写版。原作未読ですが、オープニングが飛び出す絵本になっていて、とってもおしゃれで、そこからワクワクしました。

本編はちょっとマンガチックで、どなたかが書いていらしたけれど、ニ
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.0

黒猫とぼとぼ後ろ向きの電車に乗る。 みんな逆さまになればいいのに。 逆さまになって白猫になって、少女の部屋の飾り物になる。 飾り物になって窓の外の世界を知らなくてタマシイとかキボウとかエイエンと>>続きを読む

劇場版 フランダースの犬(1997年製作の映画)

3.8

少年と老犬と老人だなんて、最強の組み合わせ。ネロ、パトラッシュ、の名前で涙腺がゆるんでしまう。
私の記憶と違っていて、実はアニメ版は初めてなのかも。小説では、たしか、風が吹いて幕が煽られ、雲間から月光
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長くつ下のピッピ(1970年製作の映画)

3.7

アニメでなく実写のピッピ。吹替えのみだけれど、岸田今日子さんの声が絶妙だった。
ピッピが憑依していた子ども時代、世界は無限大だった。
ピッピは子どもが持っていないものを全部持っている。お金、腕力、大人
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サムサラ(2023年製作の映画)

3.6

レビューが難しい。前半のアピチャッポンを思わせるラオスの死生観を表した映像は美しく、修行僧の少年と地元の少年が見た、ジャングルの奥地の滝で魂がふと抜けかかるような幻想的な光景が素晴らしく、息を飲んだ。>>続きを読む

破壊の自然史(2022年製作の映画)

-

人類のしてきたことにマイナス☆100をつけたい。セルゲイ・ロズニツァ監督が編集した第二次大戦のドイツ対連合軍が互いに都市を空爆するドキュメンタリー。ナレーション無しに淡々と映し出される兵器製造から都市>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.1

斬新だった。幼なじみの娘を橋の欄干から突き落とした女性と幼なじみとその夫との間に何が起きていたのかを、登場人物三人のシナリオの読み合わせの反復だけで浮き上がらせる。

反復される場面を順番を変えること
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

5.0

おもしろかった~最高! 現実と妄想が交差・混濁するのがとても好み。インフルエンザの高熱で悪い夢をずっと見ているかのような理不尽な出来事が、突発的に起こる不条理。あのチュルパンちゃんが突如変身するアクシ>>続きを読む

父は憶えている(2022年製作の映画)

3.5

長いこと行方不明になっていた父が記憶喪失と失語になって帰ってきた。手放しで父の帰りを喜べない理由があり、戸惑う家族たち。父はひたすら村のゴミを片付ける。キルギスの家族の再生がテーマです。

設定がおも
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神の道化師、フランチェスコ(1950年製作の映画)

3.8

ロッセリーニのコメディだなんて珍しい、と勘違いして申し訳ない💦身も心も人生もすべて神に捧げた聖フランチェスコのエピソード集でした。

教会から離れ、貧しい人々、困難な中にいる人々に直接布教や施しをして
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.0

光を捕まえようと光と遊ぶ子どもたちが素敵です。この子たちすごい!世界が光に溢れていることに気付き、映画を自分たちで上映しようと遊びながら光の原理、映画の基本を学んでいきます。
サイレントに音をつけるシ
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はかな(儚)き道(2016年製作の映画)

3.7

これまた憂鬱な余韻でした。アンゲラ・シャーネレク特集3作目。出来事が描かれず、観る者がそれを補足し、断片からストーリーを自分で紡いでいく。観客に委ねられているので、観る者の心理状態が反映されそう。さな>>続きを読む

マルセイユ(2004年製作の映画)

3.7

アンゲラ・シャーネレクの映像の<神経衰弱>。シャッフルされる時系列を繋ぎ合わすのに頭を使った。ベルリンからマルセイユへ来た写真家のゾフィーがカメラを通して何を見ようとしていたのかが気になり、突然変わる>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.5

プログラミング言語でしか話さない人に囲まれて働いていたことがあるので、もう、最初から金子さんに釘付けでした。東出昌大さんが適役すぎです。この問題が噴出する少し前に、インターネットの規制を当局がするな、>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.9

「グッド・ウィル・ハンティング」と「小説家を見つけたら」とドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を合わせたようでいて、韓国らしく、南北問題、行き過ぎた受験競争も含まれ、ベタではありますが、若い芽が光を求め>>続きを読む

家にはいたけれど(2019年製作の映画)

3.7

初めてのアンゲラ・シャーネレク。不思議な作風だった。言葉少ないストーリーの合間に、学校で生徒たちが演じる「ハムレット」が差し込まれている。教室から抜け出したハムレットは街に現れる。その意味もよくわから>>続きを読む

パピヨンの贈りもの(2002年製作の映画)

3.8

頑固なおじいちゃんと女の子が幻の蝶イザベルを探しに山に行くロードムービー。この組み合わせにハズレ無し。少女はたしかに生意気なんだけど、自分で考えようとするし、おじいちゃんは「いまいましい」と邪険にしな>>続きを読む

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

3.8

川島雄三監督の描く風俗は、人々が生き生きしている。<今>を生きているから。でも、それは刹那にしか生きられない居場所のない<風>のようなもの。軽々と奔放に生きているようにみえる芸者小えんの横顔はなんとな>>続きを読む

恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

4.1

アン・リー監督のテーマの幅が広くて驚く。「ライフ・オブ・パイ」「ブローク・バックマウンテン」とも全然違うホームドラマ。

目と耳からご馳走を愛でる。あんまり美味しそうなので、一旦停止。このままではお夜
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.9

橋を渡れば赤線、洲崎パラダイス。橋の手前の飲み屋「千草」を舞台に、なんとか橋を渡らずにこちらの世界に留まろうとする女と男の群像劇。誘惑に負けながらふらふら。堅気に生きるのは楽じゃない。何度も振り戻され>>続きを読む

ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)

3.7

ネオレアリズモにもほどがある。これはホラーです。ロッセリーニとバーグマンがスキャンダルの末、結婚するきっかけになった作品。貧しく閉鎖的な活火山のストロンボリ島の粗野な漁師に嫁いだばかりに、バーグマンの>>続きを読む

旅芸人の記録(1975年製作の映画)

4.7

美しい映像に惹かれて観るようになったアンゲロプロス作品ですが、これは現代のギリシャ悲劇を描いた大作であり、いちばん難解でした。ギリシャの近現代史をおさらいしてから、小国ギリシャの辿った悲劇を心構えをも>>続きを読む

撤退(2007年製作の映画)

4.0

初アモス・ギタイ監督。ドキュメンタリー出身だけあって、思っていた以上にリアルなイスラエルの姿でした。ジュリエット・ビノシュがガザに生き別れの娘を探しにいく話で、紛争はまったく見せないのに、ガザの緊張感>>続きを読む

愛欲の港(1948年製作の映画)

3.8

邦題つけた担当者出てこい、です笑。日本に最初に紹介されたベルイマンのネオレアリズモ作品で、重さを覚悟していましたが、希望ある純愛物語でした。余韻のいいベルイマン作品は久しぶりです。

「不良少女モニカ
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軽蔑(1963年製作の映画)

4.1

定期的に観たくなるゴダール。ゴダールとアンナ・カリーナの別離を映画化したのだと思われますが、タイトルを「男と女」にした方がいい。普遍的なすれ違いと別離にみえます。おもしろくて、書きたいことがたくさん湧>>続きを読む

地下室のメロディー(1963年製作の映画)

4.1

ジャン・ギャバンとアラン・ドロンのおしゃれなクライム。オープニングからカッコいい。あの有名な曲がこの作品の劇伴だったのね。

画がいちいち決まっている。しかも最後までハラハラさせる展開のうまさ。名作と
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