しのさんの映画レビュー・感想・評価

しの

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Twitterで呟いた感想を再構成してまとめます。その年に日本公開した映画のみ対象。ネタバレ有り感想はふせったーのリンク先で。ブログで詳しい感想を書いてる場合も

評価基準
1:明確に嫌い
2:大きな欠陥や嫌いな部分がある
3:及第点
3.1〜3.9:好きな部分はあるがどこか惜しい
4:心に響いた(年間ベスト10レベル)
4.5〜4.9:一生大切にしたい(年間ベストレベル)
5:オールタイムベスト

映画(148)
ドラマ(0)

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

時間を超越した死者の視点から世界を眺め、万物が変化し必滅するこの世の儚さを確認するとともに、その中にあってなお何かを遺し前進することの尊さを感覚する。私的な物語から超自然的で観念的な「願い」への飛躍が>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

クライマックスのLIVE AIDのためにある2時間。「愛」を追い求めたフレディの人生と、それが音楽という普遍言語によって共有される姿が捉えられている。あのライブシーンは、まさに「個と公」が一体化する魔>>続きを読む

GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)

2.4

シリーズにとって、理に適った落とし所ではある。ゴジラや人間存在の「概念」そのものを扱ってきたアニゴジが行き着くのは、怪獣バトルに委託した観念バトルだ。しかし、それが隠喩でなく直喩になっていて、もはや怪>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.5

触れ込みのイメージに反して聞き分けがいいヤンチャ坊主といった感じのヴェノム。夜のアクションはキマっているし、意外にも真っ直ぐヒーローしてる。ただ、内容も尺もそんなに無い割に前半が長く感じ、「寄生」が「>>続きを読む

仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判(2018年製作の映画)

2.7

プライム版の規模・演出でそのまま映画化しているためチープさが更に悪目立ちし、「牙のある」ライダー映画にしては格好つかない出来。SEASON1の命題に立ち返ったストーリーは魅力的だったが、無くても良い続>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.7

「画面全体で語る」映画。単に全編が画面で構成されているというだけでなく、マウスポインタや文字入力などの「操作」で感情を表したり、ビデオやアプリをモンタージュ的に組み合わせたりと、とにかく画面であること>>続きを読む

スモールフット(2018年製作の映画)

3.7

スラップスティックでグイグイ見せつつ、ドラマの要ではミュージカルで引き込む。この緩急に身を委ねていると、「正しい知識」を巡る隠喩に富んだ物語が紡がれる。未知なるものとの邂逅、その先にある断絶と相互理解>>続きを読む

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

2.3

過ぎ去った青春を眼差す作品はいくつもあるが、これはその寄せ集めという感じだった。ユニークなのは時系列シャッフルの群像劇であることと長回しの多用だが、台詞も画も説明的。「あの頃に戻りたい」の「あの頃」も>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.1

しょうもない揉め事が政治や歴史の問題を孕む大事に発展していく様が、まるで憎しみの火種が辺りをどんどん燃やしていくようだった。戦争が残す消せない傷、それによっていかに人は狂わされてしまうか。痛みは消えな>>続きを読む

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.6

「クレイジー」の名に恥じない豪華絢爛さ。舞台・シンガポールの魅力も存分に発揮されていて鮮烈。異文化・移民受容という現代的なテーマをシンデレラストーリーに絡めているが、真の見所はジェンダーに関係ない「無>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.6

温泉旅館で展開される、傷を負った者同士の交流。それは、人と人が繋がり共生する場としての「社会」そのものでもある。「死を受け入れて生きていくこと」を可能にするものとは何か。おっこたちと一年を過ごすうちに>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.4

名だたるケイパー映画ばりのサスペンスを「カンニング」という行為で体感させてくる面白さ。加えて、アジアの熾烈な受験戦争や学歴社会を背景に、それを形作る教育機関や経済格差から、家庭内の問題にまで多層的に、>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.4

スケールは小さく、物語構成も非常にシンプル。その分プーの金言がダイレクトに響くということか。大人vs子供、仕事vs家庭、赤い風船vs書類カバン……等の二項対立は正直鼻につく。戯画化された会社や分かりや>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

話はどうってことないが、モラトリアムの危うい幸福感とそこに浸る人物の映し方は巧みだった。ちゃんと気怠さを捕らえているので永遠を感じさせるが、3人を同一画面に納めない撮り方が変化と終わりを予感させる。主>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.4

「ジェイソンステイサムvs巨大ザメ」のワンアイデアで2時間弱突っ走る。話の骨子は意外にまともなので、適度な緊張感で楽しめる。ただ、物語もパニックもそこから広がっていかないので、サメの巨大さに反して全体>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.9

何だかふわふわした女が二人の男の間で揺れ続ける、という単純な話が、巧みな演出と編集によって「夢か現実か」「自己か他者か」「運命か選択か」という壮大な普遍性を帯びていく。自己から不意に立ち現れる他者性が>>続きを読む

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

3.3

「世界の危機」要素はほぼ無くなり、前作よりさらにスケールが小さく内輪の話に。マクガフィンを三つ巴で奪い合うワチャワチャ感のみで進行する物語、予告編でほぼ見せているアクション、かなりあっさりな人間ドラマ>>続きを読む

ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間(2018年製作の映画)

2.6

「スタジオポノック今どうしてんのかな」くらいの軽い気持ちで観た方がいい。いのちを繋いでいこうとする「ちいさな英雄」の解釈は三者三様で面白いが、短編の小粒感を払拭できる程の強烈さはない。むしろ長編で観た>>続きを読む

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.9

夏休みの自由研究を映画にしたような作品。誰もが共通体験として持つ幼い頃の好奇心や知識欲、背伸びの感覚が「SF=すこしふしぎ」な世界の扉を開いてゆく。人生は死への一本道ではなく、驚きと楽しさに満ちた「ペ>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.0

『オーシャンズ11』の流れを踏襲しつつ、メットガラを舞台に宝石やドレス、そして女性の美しさを振り撒くことでゴージャスなケイパーに。正直、大きな興奮や緊張感は無く、どんでん返しも機能してないが、ビジュア>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.0

シリーズ6作目にしてようやくイーサン・ハントという男が何者なのか分かった気がする。誰も見捨てずに最後まで諦めず走り続ける男、それが彼なのだ。その姿は、観客を楽しませるために走り続けるトム・クルーズと重>>続きを読む

劇場版 仮面ライダービルド Be The One(2018年製作の映画)

2.8

散々なTVシリーズに鍛えられたのもあって相対的には良くまとまってると感じた。逆に言えば「まとまり」だけで突き進むので中身は空虚。キーワードをまとめあげて一応のケリをつけただけで、物語というより設定の話>>続きを読む

インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

3.6

Filmarks招待のジャパンプレミアで鑑賞。エンタメとしての質は前作から断然上がっている。ヒーローのアクションは動きもスケールもパワーアップ。場面転換はより多くテンポはより軽妙に。前作からの14年間>>続きを読む

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)

3.0

前作より断然面白い。今回は主人公が人間として葛藤するというドラマがちゃんとあるし、アンチテーゼとしてのメカゴジラをああやって解釈して利用するのも新鮮だった。ただ、やっぱり台詞が冗長すぎるし説明的すぎる>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.4

細田作品史上最も「考えるな、感じろ」な作品。4歳児の目線で描かれるのであまり理屈を求めるべき作りではなく、そういう意味で筋は通っている。しかし、ファンタジー要素がエンタメ的に機能せず、作品としても新し>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.7

映画としては非常に面白いと思う。キメ画は多いしシチュエーションも最大限に利用してる。新世代の続編として思い切った展開も支持したい。一方で、サスペンスを特盛にしすぎてかえって冗長に感じたり、何より恐竜が>>続きを読む

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.9

青春という光の映し方が素晴らしい。というのも、本作は光が煌めく「一瞬」を捉えているからだ。教室に注ぐ光、夕焼けの光、カラオケルームの光、ステージライトの光…。どれもその時にしかないからこそ、そこで照ら>>続きを読む

バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.7

テニスの一試合に様々な文脈が付与される。映像の質感は我々を70年代に連れ戻し、当事者と消費者の両視点から当時を体験させる。ラストの試合では、否が応でも背負わされるフェミニズムと、人が自分らしく生きたい>>続きを読む

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.8

スピンオフらしいコンパクト感と、節々に宇宙のセンスオブワンダーを感じさせる広がりが両立しており、ディズニーSWで一番雑念なく楽しめた。既に知っているゴールに到達するまでを確認するだけの話にせず、その過>>続きを読む

オンリー・ザ・ブレイブ(2017年製作の映画)

4.2

観客に他者の人生を生きさせる「映画」という媒体において、「実話」を語ることの意義を十二分に示した作品。死と隣り合わせの森林消防士の恐怖、彼らの偉大さ、その背景にある生活の一瞬一瞬……。それら全てを体感>>続きを読む

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.9

虚構とは、辛い現実に立ち向かわせてくれるものである。描いているものは『レディ・プレイヤー1』と同じだが、こちらはよりミニマムで、より私的な体験をくすぐってくる。物語がどのように生み出され、どう影響し、>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

37分ワンカットのゾンビ映画。それだけで見応えがあるが、それは本作の入れ子構造の一番内側でしかない。映画で映画の伏線を張るという前代未聞の試み。これがとんでもなく面白いだけでなく、その構造自体がクリエ>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.5

伝記映画かと思いきや、白人貧困層、そこから生まれる毒親とDV、それらを抑えつける権威、それを食うマスメディア……と、現代アメリカの負の側面が重層的に語られ拡大し、やがてこの映画を消費する我々へも視線が>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.2

障害を抱えた男の子がメインの物語かと思いきや、実際はその真逆。彼だけでなく、その周りにいる人々も「主人公」として扱っている。このアイデアは見事。誰もが闘いの中で自分の物語を生きていることを示すことで、>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.7

「愛は人生を豊かにする」なんて教科書的な物語ではない。愛とは、ある種の呪いだ。しかも、この物語における愛は、なにかを好転させるわけではない。呪いは別の呪いに取って代わられるだけなのだ。それでも、人と人>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

これほど自然で温かみの溢れる生活描写は見たことがない。その辺の家にふらっと入って撮影したんじゃないかと思える実在感。と同時に、関係性にはどこか不明確さがあり、脆さも感じさせる。そんな「定形」を持たない>>続きを読む