ばーとんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ばーとん

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罪の手ざわり(2013年製作の映画)

3.0

横転するトラックと散乱する林檎のシーンがクライマックス。チアン・ウーがキレてライフルぶっ放ししまくるので「フォーリングダウン」か?と思ったら、すぐに主人公変わっちまった。オムニバスかよ…。普通に長編を>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.5

あまりにも古典的で、もはやコミカルなイメージしかない透明人間をネタに、今更まともなサスペンスが出来るのか?ギャグにしかならないんじゃないか?と半信半疑で観たが、ちゃんとサスペンスになっていて感心。ソシ>>続きを読む

待ち伏せ(1970年製作の映画)

1.5

スターの無駄遣い。時代劇にヒューマニズムを持ち込みすぎると途端に安っぽいTVドラマになる。

蜂蜜(2010年製作の映画)

1.0

最初から最後までひたすらあざとい。80年代のイラン映画みたいなテイストだな。イスラム圏の映画ってただガキを苛めたいってだけのポルノが多くて、そういうのとっくに食傷してる。

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)

3.2

フェリーニの思想って「昔は良かった。それに比べて現代文明は糞」に尽きると思うんだけど、この映画もそう。映像は面白いが、さほど印象に残るシーンはなかった。

清作の妻(1965年製作の映画)

5.0

新藤兼人の辛気臭い脚本を、増村の映像力が蹂躙した!!明治の農村の排他的でネガティブな側面が、これでもかと強調されていて息苦しいが、若尾文子演じるお兼の凛とした、しかし狂気すれすれの鋭い眼光が、映画にア>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

4.7

若尾文子が振り向く映画。振り向くたびにドラマが加速する。若尾の初登場で、化粧室で鏡に向かってメイクしているのが、ゆっくりと振り向いて岸田今日子に微笑みかけるシーンを見て、こいつは傑作に違いないと確信し>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

4.8

母娘の再開シーンが象徴的なんだけれど、わざわざ宴会客に炭坑節を唄わせて、騒々しい雰囲気を演出、ありきたりな愁嘆場にならないよう工夫してる。若尾文子も泣いて縋りつくような真似をせず、ニッコリ笑って、後ず>>続きを読む

痴人の愛(1967年製作の映画)

4.6

最高の恋愛映画。谷崎の小説をより現代的にマッシュアップ。映像で見せつけられるとあまりの下品さに驚く場面も多々。(4人で一緒に寝るシーンなど)彼らがもっと理性的だったら、平凡に言葉で傷つけあい、平凡な破>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.5

冒頭の親子喧嘩から共感しすぎて笑うしかなかった。すべての母親は基本的にモンスターだし、子供を私物化して支配するし、その時々の気分で子供と接するから、子供は混乱するしかないってこと、知ってた。むしろこの>>続きを読む

砂の女(1964年製作の映画)

4.2

原作に比べると、勅使河原の視点はより身体的で観念の遊びが少ない。ひたすら不条理を展開するというより社会批評の風味すら匂う。劣悪な環境に順応して淡々と生活する女は「家」というものの呪縛に囚われた社会的弱>>続きを読む

十代の性典(1953年製作の映画)

1.5

どういう経緯で作られた映画なのか知らんが、セクスプロイテーション風味のタイトルと宣伝で観客を呼び込んでおいて、カトリックの処女信仰を布教する安直なプロパガンダに見えなくもない。映画としては三流。若尾文>>続きを読む

パラダイス 神(2012年製作の映画)

3.5

ウルリヒ・ザイドルの演出が直線的で極端なので、2本続けてみるとクソ疲れた。序盤は「悪魔の陽の下に」みたいだなと思ったが、キリスト者になった妻を取り戻すために苦闘する夫という構図が「汚れなき祈り」の女二>>続きを読む

パラダイス 愛(2012年製作の映画)

4.1

旅行を題材にした映画でこれほど悍ましいモノも中々ない。世界中どこ探したってお前の求める愛なんてねえよ、という恐ろしい現実を突きつけられる中年女。小金持ちの白人と貧乏な黒人が互いを見下している地獄絵図。>>続きを読む

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)

3.4

いきなり生霊が現れるアホらしい展開がなるほど超平和バスターズ。でもテーマは悪くない。夢を諦めるな!みたいなありがちな物語の真逆をやってる。地元で家族のために生きるのも素敵なことだし、どんな夢も叶うガン>>続きを読む

地獄(1960年製作の映画)

2.5

ザ・中川信夫ワールド。最初から最後まで滅茶苦茶で訳が分からない。あらすじ読んでも訳が分からない。だが熱量だけは凄い。恐らくこのひとはセンス先行、理屈で映画撮ってないんだね。「東海道四谷怪談」は奇跡的な>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

4.3

ライティングの芸術。伊右衛門とお梅が夕焼けを浴びながら向き合う美麗な映像といったら。金魚売りの声が堪らない。冒頭の長回しも最高だし、池で怪異に遭うシーンなど吹く風が眼に見えるほどに鮮烈。四谷怪談ってお>>続きを読む

ボクと空と麦畑(1999年製作の映画)

1.4

台本が透けて見える。極貧の街で生きる少年少女たちの性と死と暴力のイメージ。一見して思想が脆弱、感性のみで勝負してんだけど、その感性が幼なすぎ。ソフトフォーカスだらけのカメラも気になって入り込めなかった>>続きを読む

たたり(1963年製作の映画)

2.5

怪異現象に怯えてる女たちのところに男がきたら、女たち急に大笑いしたり、呪われた家からようやく逃げ出せるって時に感傷的な別れのセリフを交わしたり、いちいちリアクションがおかしい。「幸せになってね」ってあ>>続きを読む

そこにいた男(2020年製作の映画)

3.0

包丁でシャシャっと十字に切り裂くシーンは劇的だった。あえてコミカルなアクションに振り切ったのは正解。さすがに30分ちょっとじゃ細やかな心理描写は難しいだろうし。血とアクションの見せ方が鮮烈でいい。だら>>続きを読む

ガール・イン・ザ・ボックス(2016年製作の映画)

1.0

若い女性を8年間も自宅に監禁し、その間レイプ、暴行、箱に閉じ込める等の拷問を行ったという悲惨な事件をベースにした話。にしては、絶望感の感じられないずいぶんと呑気なタッチ。タイトルの通り、ずっと箱に閉じ>>続きを読む

ことの次第(1981年製作の映画)

4.2

映画撮影が中断したら映画人たちはやることがなくなって、ただ暇を持て余す。ストレンジャーを好んで撮り続けるヴェンダースが、撮影現場を丸ごと漂流させるという設定がユニーク。「軽蔑」をやりたかったのかな。全>>続きを読む

血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

4.3

冒頭の魔女殺し、霧と森と火のコントラストが完璧。ベルイマンが撮ったと言われても信じそう。表現主義風の陰影の付けかたも恐ろしいほど様になってる。少女が明るい酒場を出て森の中に入っていくと、周囲がたちまち>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.5

ウディ・アレンのミーハー精神が炸裂すると、こういう変な映画になる。「カイロの紫の薔薇」の芸術家バージョン。カフェでダリに話しかけられたと思ったらマン・レイとブニュエルがやってきたり、ムーランルージュへ>>続きを読む

ピノキオ(1940年製作の映画)

1.0

ディズニーとピノキオは相性悪い。冒頭からコオロギが歌い、猫も金魚も、あらゆるものが擬人化されているディズニー世界で、木の人形が動き出したところで、なんら奇跡を感じないという致命的欠陥。

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.0

不動産屋の言う「多様性に富んだコミュニティ」の実態がこれ。泥まみれで働いても車も買えない庭師と、くたびれた青シャツを着た女教師のカップルは文字通りのブルーカラーで、いわゆるサブプライム層。対して清潔な>>続きを読む

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)

3.6

子供の頃、土曜の昼間などにテレビでクラシック・ホラーよくやってた。ピーター・カッシングとクリストファー・リーは小学生時代から僕のスターだった。あとジュリアーノ・ジェンマ。マカロニ・ウェスタンもよくやっ>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

4.7

子供のころ"秘密組織"つくって遊んでたっけ。そんなこと考えながら見てたけど、これはそんな呑気な映画じゃなかった。「資本家がテロリストを作り出し、自分の保護を国家に強いる」と刑事がジョークを言う場面があ>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.4

誰にも愛されず、必要とされず、完全な孤独を悟った時、人は死ぬしかないという映画。主人公は自ら語っているようにエゴイストで他人への共感力がない。自殺しようとする男にすら構ってもらおうとするが、会話と噛み>>続きを読む

皆さま、ごきげんよう(2015年製作の映画)

2.0

冒頭30分が飛び上がるほど面白い。ジャック・タチかブレッソンかリベットか、あるいはリンゼイ・アンダーソン風の虚構性の高いおとぎ話のような世界観にワクワクしたんだけども、中盤以降は推進力を欠いて惰性のよ>>続きを読む

狩人(1977年製作の映画)

2.0

カメラのパンで表現されるような二項対立で映画のほぼ全てが構成されていて、執拗にこれが繰り返される。ラストの銃撃に至るまで風刺画の如きクリシェの連続で、単純化された世界観はしなやかさに欠けて、技術だけが>>続きを読む

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

2.0

HIV患者への社会的差別に抵抗する実在する団体についての映画。舞台を90年代に設定したため、エイズが死病だった時代の、切迫感、絶望感は深刻だ。レジスタンス活動家が戦いの果てに死んでいく「灰とダイヤモン>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

ジム・ジャームッシュ映画とゾンビ映画のハイブリッド。もしもジャームッシュの映画にゾンビが現れたら?のifを自分でやってるノリが面白い。こいつは「フロム・ダスク・ティル・ドーン」的なジャンル・スイッチ・>>続きを読む

女の都(1980年製作の映画)

4.6

人生で多くの女を口説き続けてきた伊達男が、たまたま迷い込んだフェミニズムの館で、女たちから弾劾と嘲笑の憂き目に遭う。1万人斬りの性豪が反動勢力のレジスタンスのごとく登場するが、女警察によって逮捕される>>続きを読む

サテリコン(1969年製作の映画)

4.4

最もフェリーニらしく、同時にフェリーニらしくない映画。珍しく映像がスタティックで端正なところが好き。音楽も比較的静かでいい。古代を舞台に描かれる、同性愛と人心の退廃と神の子といったモチーフや、眩しい太>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

2.0

人生にとことん退屈してるお嬢さんが、賭場のアイドルになり、ヤクザを魅了し、ヤク中に殺される話。ロミオとジュリエットみたいな物語だが、加賀まりこはただのスレッカラシにしか見えないし、正体にもちっとも興味>>続きを読む