中学○年の寒い冬、部活の友人と連れ立って観に行った。
限られた小遣いの一部をなぜこの映画に落とそうと思ったのか。
確か入る直前まで何か別の“マトモな”映画との2択で迷っていた記憶がある。
内容はほと>>続きを読む
ジャック・ベッケルの長編デビュー作。
のちの作品群と比べるとカラッとした明るさや無邪気に近い笑いが随所に挟まれる点が目立つ。フランス産映画ながら妙にアメリカンなテイストなのも特徴のひとつか。
警察>>続きを読む
日常においても、映画というくくりでもほとんど馴染みのないグアテマラという国。
そんな国に横たわる人種問題や社会問題を描いた作品。
望まぬ結婚に迫られるマリアの憂鬱や逃避、悲劇や諦念に寄りそう母フアナ>>続きを読む
典型的なメロドラマ仕立て。話はベタといえばベタだが押さえるポイントは押さえ、笑わせるシーンもありながらきっちりテンポとメリハリも効いている。
「三姉妹モノ」with「結婚問題」という構成で、実質的な>>続きを読む
普段は小料理屋の主人。しかしその正体は畳針一本でどんな標的をも葬り去る、名うての殺し屋・・。
虚無感さえ漂わせた無口な「ある殺し屋」を、市川雷蔵がクールに演じる。
ストーリーはシンプルだが、殺し屋・>>続きを読む
片腕的存在である篠田昇を失って以来十余年。以降もいくつかの仕事はあったが、いわゆるひとつの岩井俊二といっていい久々の作品。岩井俊二的な、あまりにも岩井俊二的な180分。
残酷さもたたえた美しい映像は、>>続きを読む
英式のシュールとブラックユーモアに彩られた珍作。
主演のグラント卿にピーター・セラーズ。
彼はありあまる財に物を言わせ、世の中の常識や概念を挑発し、ぶっつぶさんとばかりに様々な騒動を巻き起こす。>>続きを読む
おそらく近未来。詳細は描かれず。
いわゆる「ディストピアSF」。
前半は独り者にやたらと厳しい世界。
後半は反対に恋愛→つがいになる事を否定する人達。
まるで右端か左端、0か100しかないような昨今>>続きを読む
いわゆる「潜入捜査モノ」。
舞台はアメリカとメキシコの国境地帯。多発するメキシコ人密入国労働者の殺害事件を解決すべく、両国の捜査官がタッグを組んで真相究明に奔走する。
しかし古くはオーソン・ウェルズの>>続きを読む
増村保造×若尾文子。
ゴールデンコンビといってもいいこの組み合わせで作られた20本のうち、今作は19本目にあたる。大映もそろそろ終わりに向かいつつある頃の作品。
不必要なくらいにギラギラしていて、何>>続きを読む
画の見せ方、切り取り方、空間の使い方、色使い、説明調をなるべく排した科白、表情。それらの要素が醸し出す空気感。
特に画面の見せ方は、時として「スタイリッシュ」という言葉のマイナス面のニュアンスを感じさ>>続きを読む
死にゆく主人公がいきさつを振り返る導入部、「ファム・ファタール」なる女性の存在・・など、いわゆるフィルム・ノワールの条件は揃ってはいるが、犯罪ものというより主人公の哀れさがただただ強調される作り。監督>>続きを読む
婚期を逃した三十路OL・島子。
同僚の式に出席した帰りに結婚相談所の扉を叩く。
そこは一見普通の相談所だが、実は・・。
オープニング。
いつも可愛い芦川いづみだが今回は“爽やかさ”“若さ”がない。美>>続きを読む
ヒット曲『硝子のジョニー』の歌詞を基に作られた一品。歌っていたアイ・ジョージも出演している。
北海道の寒村に住む少女みふねが主人公。彼女は父と生き別れ、貧しさゆえ「人買い」に売られていく。やがて人買>>続きを読む
(期せずして)ビートルズ崩壊途中を捉えた記録映画。
ビートルズ関連のマテリアルは音源はもとより映像作品も基本的に入手しやすいが、今作は諸般の事情により正式にDVD化されていない。
しかしようやく観られ>>続きを読む
のちの「渡り鳥シリーズ」を思わせる、アキラとジョーの対決構造。日活が送る、野球を題材にした軽やかな青春映画。
優勝が至上命令の東京ディッパーズの入団テストで出会った2人。アキラが投手、ジョーが打者。>>続きを読む
病で余命わずかな少女アリシアのあこがれはアニメの「魔法少女ユキコ」。
失業中の父は娘の「魔法少女になりたい」という願いを叶えんと悩み、そして奔走する・・。
滑り出しは“現代的日本趣味”をバックに、セン>>続きを読む
ひさびさタランティーノ。とはいえ前作から2年も経ってはいない。なぜそう思うのか。もっと彼の作品を観たいからか。良くも悪くもタランティーノという名前だけが口数少なに独り歩きしているように感じてしまう。彼>>続きを読む
長い題名。
そして長い上映時間。
タイトルはとにかく(しかしこのタイトルでしかない、と思う)、上映時間の長さは“映画的省略”がなされていないせいだ。
真っ直ぐな構図で監視カメラのように部屋の各箇所に備>>続きを読む
原作未読。
70年安保前後、1969~71年が舞台。
「当時」を描くためのゲバ文字、アジ演説、ミニスカートなどのファッション・・。
劇中で「再現」されるこれらに、どこか血肉が伴っていない印象。
これは>>続きを読む
ジム・ジャームッシュの3作目。
“初期作”とカテゴライズしていいか。
前作と同じくモノクロで制作。
その前作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』ゆずりの「オフビート具合」、そして繋ぎの「黒味」は健在>>続きを読む
まだまだ幼い子供達が外見に似合わず大人びた科白を交わす。
これは意図的か。
そのアンバランスさが妙に心に留まる。
小学6年生という設定だが、言葉や心の移ろいは既に大人のそれだ。
届かないあの頃を思い、>>続きを読む
xxx、つまり「kiss」をテーマにした5本の短編で構成される168分。
形式的にはオムニバスなのだが1人の監督が全5編でメガホンを取っているので、5つで1本の映画と見ることもできる(実際インタビュー>>続きを読む
過去から学ばず今を楽しめず未来に光明を見出せない・・そんなダメな時期に観た作品。そのせい(?)か内容はほとんど覚えておらず。確か試写会だったはず。
白夜、丸太、電話。そんな感じのおぼろげな記憶。
ノー>>続きを読む
60年代を中心に活躍した西海岸のスタジオ・ミュージシャン達。彼ら彼女ら、いわゆる「レッキング・クルー」を採り上げたドキュメンタリー。
以上。
これだけでわかるかたは観に行く(orもう観た)だろうし>>続きを読む
安珍と清姫のいわゆる「道成寺伝説」を大映流に料理。
原典ではなかなかのクズ男の安珍だがここでは「悩める男」としての側面が強調されている。そこはそれ、ホラ演じるのは雷さまだから。
クールな雷さまもいいが>>続きを読む
映画は疑似体験である。そして映画を観るという行為自体もまた体験である。
予告編が終わり本編開始前、劇場の緞帳が少し閉じられる。この作品は「スタンダードサイズ」(横4:縦3の比率)での上映である。加え>>続きを読む
1971年に倒産後、徳間書店の力により再建した大映が送る久々のシリーズ第8作。
新登場の怪獣はおらず、ガメラの新撮影シーンもごくわずか。怪獣のパートは過去7作のシーンを都合よく再編集したもの。
た>>続きを読む
ヘルツォークが思い描いたアメリカへの憧憬と、やがて感じた失望が色濃く反映されている(であろう)作品。
ブルーノ・Sが『カスパー・ハウザーの謎』に続き、ヘルツォーク作品2度目の主演。なんでも彼は本職の>>続きを読む
岡山から東京に出て来た麗子が探すは「心の恋人」の磯村。果たして二人は出会いそして結ばれるのか。
前年にヒットした松竹映画『君の名は』を思わせるようなすれ違いの連続。大きなヒットの波の合間に「どじょう>>続きを読む
ざっくり無造作に成り行きに任せ作られているようで、勿論そうではない。緻密に見せない緻密さや、さりげなささえ感じさせないさりげないユーモアで全編が彩られている。
映画は3つのパートから成る。
1:部屋>>続きを読む
短いので観てみた。話のタネにもなりやしない。
クレジットの「marv newland」の連打が心地良く。
ガメラシリーズ第5作。
前作『~対バイラス』は宇宙から怪獣がやって来たが、今回はこちらが宇宙へと赴く。太陽を挟んで地球の真反対にあるという“第十番惑星”が舞台。
依然続く大映の経営難はいかんともし難>>続きを読む
時代は90年代末だというのに、まさかのモノクロサイレント(演奏シーンなど一部音入り)。
元々カウリスマキ作品は科白が少ないのでそれほど印象は変わらないだろう・・と思いきや、どうしてこれが今までの作品と>>続きを読む
レニングラード・カウボーイズの同名曲「Thru The Wire」のPV。
たかだか6分足らずだが、きちんとストーリーは詰められ組み立てられている。バンドの演奏シーンもあり。
誰もいない家にやって来た男。
灯りをつけ
壁にドリルで穴をあけ
のぞく。
穴の向こうは摩訶不思議な世界。
のぞき終えるとカレンダーに印をつけ
目覚まし時計をセットし眠る。
次の日も目覚ましで起きると>>続きを読む