東京国際映画祭の空き時間に野外上映で鑑賞。観たのは、ロイという男が狂って土や草木やゴミを家の中に投げ入れ始めたところから、今年の『NOPE』の元ネタとみられる雲が出現するまでの約40分間だけでしたが、>>続きを読む
併映の『ラ・ハウリア』が奇をてらわない平易な(犯罪が蔓延する社会を想像する力は求められるが)映画なので、その(少年の清々しい顔を目にした)直後にこれを解釈しろというのは、なかなか高度なことを要求してき>>続きを読む
抑圧されて生きる15歳前後の少年たちは、自分の思いを吐露するための言葉すら奪われている。大人も少年たちも「腐っている」けど、彼らの中に毒味は感じない。腐っていても、美しい木々の世界に煌めいている。
序>>続きを読む
アート映画として見れば、恍惚させる画と哲学的なコミュニケーションを材料にして言葉と心理/真理の関係について深い思索を誘う、すばらしいシネマ。映画として観るのには適さない。
今の暮らしをなげうってこれまでとはまったく異なる自分を生きたいという衝動を、実行に移す女性。きっかけは嗅覚の喪失という、ショッキングではあるが絶望するほどではないできごとだった。触れ合いに高揚し、風を>>続きを読む
太田胃散をいくら飲んでも、キリキリとする痛みは収まるどころか全身を支配していく。そんなお話。
弱いところを見せ合うことで育まれる共依存関係。その良い面と悪い面とを往来する独創的なストーリーだが、他人>>続きを読む
福永監督の『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』に続く長編。『遠野物語』にも編まれた岩手県の早池峰山にまつわる民話から山岳信仰を取り上げ、村に居場所のない若い女が山を畏れ、拝み、山に分け入る話。
福永監>>続きを読む
受付の女の想いは映写技師に届かない。男たちを尾け回す日本人は空振り。一方通行のコミュニケーションがひたすら続くけど、よく考えてみたら映画館自体、みんなが同じ方向を見つめながらそれぞれ自分の世界に浸って>>続きを読む
半野喜弘監督の映画を観るのは「雨にゆれる女」以来でしたが、さすが映画音楽家というか、心地のよい映画空間を作るのに長けていらっしゃる。戦争を知らずに現代を生きる僕らが原爆や沖縄戦を「当事者」として捉える>>続きを読む
根っからの起業家は金儲けではなく情熱で動くもんなんよね。だから周囲の人に慕われ支えられ、困難に遭っても再起できるんやなと感心する。アーロンが今も彼を心の友と呼ぶ理由もわかる。シリアスなテーマを扱いつつ>>続きを読む
映画を夢中になって楽しんでいたことを証する指標として「ドリンクに手を伸ばすのをどれほど長い間忘れていたか」が有効だとすれば、スペインの田舎で新規就農したフランス人夫婦の視点で隣人とのトラブルの始終を緊>>続きを読む
古今東西の冒険譚のテーマである「抑圧からの解放」を描く。
本作において象徴的なネオン(コンビニエンスストア店内外のライティングだけでなく、ウズベキスタンの広場にある花のオブジェでも用いられている)から>>続きを読む
終始、少女ゼイナの視点で話が進む。彼女が関わらない場面も(一度だけ例外があるが)彼女は覗いているし耳をたてて聞いている。
抑圧の中で自由を想像し、解放に顔がほころぶ母子がまぶしい。ゼイナの「想像する>>続きを読む
こういう近未来SF系はどうしても設定に無理が残るので入り込めなくて、苦手意識があったけど、Strangerは近所だしってことで鑑賞。
ケイレブくんが魅せる、観てるこっちまで発熱して気持ち悪くなるような>>続きを読む
ジャンクションはシステムの芸術。そんな芸術を毎日眺められる主人公の家が羨ましい。
システムからの逸脱から得る快感。それは狂気を伴うから、ずっとカーチェイスが続くような感覚で、全編見通してどっと疲れた。
多作すぎて追いつかず映画館で観るのを断念したやつ。
おもしろかった…近所の優しいお兄さんがモテまくるっつーファンタジー設定も田中圭なら微笑んで許せる。序盤の青木夫妻の件で笑いに寄せたうえで、女子中学生>>続きを読む
思っていたよりもかなり動く。ウトウトしながら観てた割におもしろかった。
ストーリーを重視せずに映画の各要素を分解してそれぞれの可能性を模索するゴダールの実験映画は、物語の分断と時短の今、意外と受け入>>続きを読む
序章のミエヴィルパートがすごく好き。両親が険悪なムードにある食卓で眼球の外科手術の話を始めたり、熊じゃなく豹だったり、クスッとする。ラストカットのバルコニーのダンスが美しかった。少女の知性と躍動を描く>>続きを読む
ようやく初鑑賞のホン・サンス。
時制がいったりきたりする以外はきわめて単調な展開(白黒の画がそれに輪をかける)に、謎のズームが寄せては返す波となってリズムをもたらす。冷静に考えるまでもなく社長がクズす>>続きを読む
見たことのないものを目にしたときの高揚!固唾を呑んで展開を追った。これを想像したジョーダン・ピール監督に脱帽。
ネタバレなしにレビューするのが難しいのでメモに留めておきます。
・私は汚らわしいものを>>続きを読む
Reborn-Art Festivalのイベントとして石巻市内で開催された"ワールドプレミア"(監督談)上映会にて鑑賞。
詩人である吉増さんのパフォーマンスをカメラは捉えているが、彼が何を言ってるかよ>>続きを読む
ワンカットにしてこのセリフの量・登場人数は尋常じゃない。これ何テイク撮ったんだろうか…。しかも狭い店内をカメラや照明やスチールが行ったり来たりしてるはずなので、撮影の苦労は相当だったでしょう。
驚異>>続きを読む
いろいろ雑すぎるwwwww
・異性装おじさん、こういうポジションのキャラなら普通、散々笑いとっておいて最後にちょっといいこと言って主人公励ますような役回りが多いのだが、ただのおじさんでしかなかった(>>続きを読む
おもしろかった!
暴動を最初の頃は静観していたのが、ちょっとこれマズくない?と思い始めてから加速度的に事態が悪化していくのが、きっとリアルなんだろうな…
新感染続編のカーチェイスもすごかったけど本作の>>続きを読む
約10年前に観た『オスロ、8月31日』と比べるとずっと明るい!
彼氏と一緒に参加したパーティーを途中退出して一人で坂を下りながら泣きそうになる場面、すごくよかったなぁ
終盤はセリフに頼りすぎて失速して>>続きを読む
今年の暫定トップ!
三姉妹のそれぞれが振る舞う女性/母親のイメージは三者三様だけど、不思議と血を分け合った三姉妹としての納得性もあるキャラクター造形。姿勢や目の遣い方、声色など演技のテクニカルな部分>>続きを読む
完璧だった!
コロナ禍でも劇場公開にこだわり配給権交渉を頑なに拒否していたようですが、むしろ劇場以外での鑑賞を法律で禁止したいくらいです。これを配信で観てつまんないとか言い出してほしくない。
テクニ>>続きを読む
中盤、心のつっかえもウソも洗い流す洗車場からのシークエンスと、終盤、観覧車の最高潮。ここはなかなかである。
しかし、どこまで行っても人身売買しようとする奴らに共感などできず、いいおっちゃんを演じるソ>>続きを読む
1931年のベルリン、というとピンとこないけれど、仮に同年の日本を舞台に変えて作家志望・女優志望・哲学者志望の若者に目を向けた群像劇に置き換えてみたら、この映画の、どこか捉えどころのない、それでいて大>>続きを読む
監督がデビュー作『ももいろそらを』からその才を見せている絶妙なセリフの間が、メインキャラクターの特徴的でクセのあるセリフを巧く流れに乗せている。
僕は「北代よ」の度にツボってたし、西条が一瞬どもってか>>続きを読む
セリフとかラスボスの倒しかたとかがちょいちょいエヴァに寄せてる、庵野ファン向けお楽しみムービー
いろいろとトリッキーなことをサラリとかましてくるので、初見ではそれが「違和感」となってどこかにつっかえてしまい消化しきるのが難しい気がした。
機会があればまた鑑賞したい。
祝!2作連続パルム・ドール!
ということで、2014年の東京国際映画祭で鑑賞しておりました、リューベン・オストルンド監督の意地の悪さの果てしなさに目眩がするような本作(上映タイトル『ツーリスト』)のレ>>続きを読む
・バクマンよりもだいぶ「お仕事モノ」
・オマージュに好感が持てる
・中村倫也のデフォルメ演技が最高
・リア充の新解釈
・劇中アニメ観たくなった
・エンドロール後のアレが予想どおりだった俺はアニメに支え>>続きを読む
新たに異母兄弟姉妹が見つかる度に、想像の範囲を超える衝撃的な事実に絶句し続ける
お互いに自分の言いたいことだけ捲し立てて相手の話はろくに聞こうとしない、「長くは続かない」男女の関係を、記者会見シーンで象徴的に見せたアイデアはめっちゃ秀逸だなと思った。
好みかと問われたらまったく>>続きを読む