アストラギウス銀河を二つにわけて戦われた百年戦争末期、兵士キリコ・キュービィーは突然の転属命令によって、小惑星リドにおける秘密作戦に参加する。しかし、小惑星リドの守備隊は味方であるはずのギルガメス軍であった。作戦に疑問を感じつつも任務を遂行するキリコは、得体の知れないカプセルを発見、そこには裸の女性が横たわっていた。知ってはならない秘密の一端を知ってしまったキリコは、作戦遂行中の仲間に裏切られて宇宙空間に放り出されてしまう。その後、キリコは戦艦バウントントに収容され、「素体」の行方を追っている情報将校ロッチナに拘束される。
ロッチナの手を逃れたキリコは、ウドの街を彷徨っていた。悪徳と退廃が支配するこの街で、キリコは再び地獄へ落ちる。暴走族ブーンファミリーの人狩りにあったキリコは、町外れのヂヂリウム採掘場へと連れて行かれ、他のウドの街の住民とともに強制的に採掘作業に狩り出される。しかし、劣悪な環境のために次々と男たちが倒れていき、怒りの頂点に達した人々はついに暴動を起こした。そのどさくさに紛れて脱走したキリコに追手が迫る。
ATの中で寝ていたキリコの前に、闇商人のゴウトが現われる。バトリングと呼ばれるATを使った賭け試合のマッチメーカーでもあるゴウトは一緒に組まないかと話を持ちかける。そこへ戦災孤児の少女、ココナが顔を出し、ゴウトには気をつけろとキリコに忠告する。さらに軍人崩れの闇商人であるバニラも現われ、3人はそれぞれキリコに興味を示すが、キリコはただ黙々とATの修理を行なうだけであった。 一方、ヂヂリウム採掘場における暴動・脱走という許しがたい行為に怒るブーンファミリーは、自らの面子にかけて脱走者を皆殺しにしようと躍起になっていた。その頃、時を同じくして治安警察の新署長としてイスクイが着任する。小惑星リドの襲撃事件を指揮した秘密結社の構成員であるイスクイは、ヂヂリウムの採掘権を独占するため、この機にブーンファミリーを一網打尽にしようと画策していた。
ブーンファミリー、治安警察との戦いの中で、炎に囲まれて窮地に陥るキリコであったが、キリコを追うメルキア軍情報部の一団によってATに消火液をかけられ、すんでのところで救われた。だが、キリコはまだこの情報部による監視を知らない。 逃げ戻ったキリコはゴウトの勧められるままにバトリング会場に赴き、成り行きからバトリングをすることになるのだが、対戦相手が小惑星リドの作戦の上官で秘密結社の一員であるコニン少尉にすり替わっていた。コニンとキリコのバトリングが始まる。しかし、それはゴウトもキリコも知らないままに実弾使用のリアルバトルに変更されていた。
治安警察によって連行されたキリコは、秘密結社による尋問を受けていた。 一方、ゴウト、ココナ、バニラは、彼を救出しようと治安警察に忍び込む。ギリギリのところでキリコの救出に間に合い一旦ゴウトの事務所に戻るが、密告によってすぐに居場所がバレてしまう。そして治療を受けているキリコへ、マッチメーカーが法外なファイトマネーのリアルバトルを持ちかけてきた。ゴウトはキリコの体を心配して断るが、キリコ自らがそのリアルバトルを受けてしまう。実はその相手もまた、リド作戦における上官オリヤ大尉であった。
治安警察の攻撃の中、キリコはATを捨てて下水溝へと逃げ、ゴウトらとともにバニラのアジトへと辿りついた。バニラやゴウトはキリコが治安警察に追われている理由を訊ねるが、キリコにもその答えはわからない。キリコはアジトを抜けだして単身、治安警察へと乗り込んだ。イスクイに直接会って理由を聞き出そうというのだ。首尾よく潜り込んだキリコがなぜ自分を殺そうとするのかを問いただすと、イスクイはその理由がわかる場所へ案内するという。キリコに銃を突きつけられたまま、イスクイはウド郊外のヂヂリウム保管庫へと向かった。キリコがいなくなったことを知ったゴウトたちも地下の引き込み線を使って保管庫に潜入していた。そこでキリコが治安警察に追われているところを目撃する。バニラの誘導によってその場を切り抜けたキリコは、ゴウト、バニラ、ココナと合流し、不思議な部屋に迷いこむ。訝りながら進む一行は、やがて青い光に包まれてヂヂリウムを浴びている美女を発見する。
青い燐光を発する液状化したレアメタル“ヂヂリウム”を浴びていた美女は、キリコの運命を変えた素体であった。自らが追われている理由を知るために、ふたたび行動を起こすキリコ。治安警察の署員からヂヂリウムの運び出しの情報を得たキリコは、バニラのアジトへと戻って、準備を始める。しかし、既にココナからの情報によって運び出しのことを知っていたゴウトとバニラもまた、武器の手入れをしていた。そこへ、ボロボロの姿のココナがやってくる。暴走族に捕まり、運び出しの情報を漏らしてしまったというのだ。ゴウトらは襲撃計画を断念しようとするが、キリコは逆にチャンスだと考える。キリコの話を聞いた二人は、協力してヂヂリウムを襲撃する決意をする。
まんまとヂヂリウムをせしめたゴウトらは、アジトに戻って祝杯を上げる。しかし、一人で黙々とATの整備を行なうキリコは、仲間ではない自分に分け前はいらないと言う。三人は不審に思いつつも、キリコの分のヂヂリウムを巡って言い争いを始める。キリコは治安警察に追われる理由について、そして素体の正体について一人で煩悶していた。 せっかくヂヂリウムを手に入れたが、ウドの街は治安警察に完全に包囲され、脱出することができない。大逆転の取り引きを思いついたゴウトは治安警察に赴き、イスクイに商談を持ちかける。 その頃、ウドの街に潜り込んだロッチナは、部下を使ってキリコらの動きの一部始終を監視していた。そして、近いうちにキリコと素体が接触するであろうことを予感する。
キリコはプロトワンと呼ばれるパーフェクトソルジャー、あの素体が搭乗するATに倒され、またも治安警察の手に落ちてしまった。三十億ギルダンの金貨を手にして舞い上がるゴウトとバニラ。しかし、キリコを置き去りにしてきたことを聞いたココナが怒りだし、キリコを助け出すと譲らない。ゴウトとバニラも渋々従い、護送車を襲撃するが救出することはできなかった。 ウトとバニラはキリコのことは諦めようとするがココナは認めない。ココナは三十億ギルダンを使った意外な作戦でキリコを救出しようと提案する。
ウドの街の深夜、ひとときの安息を味わっているキリコたち。だが、静寂は爆音と硝煙の匂いによって破られた。キリコたちの存在に手を焼いたイスクイが、治安警察による徹底的な掃討作戦を開始した。絶体絶命の窮地の中、執拗な攻撃に諦めかけた三人を叱咤して、キリコはなんとか包囲下のアジトからの脱出を成功させる。しかし、キリコは追われる理由を話し、素体の正体を確かめるまでは街を離れたくないと言い残し、去っていく。 キリコは反撃のためにバトリング場に潜り込み、一人でATの改造を始める。そこへ、ゴウトらもやってきて手伝いはじめた。キリコが組み上げた機体はスコープドッグに重武装を搭載したものだったが、バニラがレッドショルダーにあやかって左肩を赤く塗りあげる。
バトリング場でキリコを包囲した治安警察は総攻撃を開始する。しかし、キリコは囮の無人ATと連携してこれを排除すると、治安警察本部ビルへと向かった。 イスクイとボローはプロトワンに出撃を命じるが、プロトワンはキリコとの戦いを拒否する。命令には絶対に服従するはずのパーフェクトソルジャーが反抗したことに驚愕した二人は、彼女の記憶を検証した。そして、小惑星リドにおいて誕生以前の素体とキリコが出会っていたことを知る。そこでキリコを殺さなくてよいとプロトワンに命じ出撃させる。 その頃、キリコは迫りくる治安警察の部隊を次々と突破して、本部ビルへと急進していた。その前に現れる、プロトワンのブルーティッシュドッグ。前回と同様、圧倒的な力の前に破れ、意識を失うキリコ。しかし、とどめを刺せないままにATから降りたプロトワンの隙をつき、キリコはアーマーマグナムを突きつける。
包囲された治安警察ビルの中で、小惑星リドでの出会い以来、ずっとキリコのことを見ていたと語るプロトワン。キリコもまた、小惑星リドでの事件を思い出す。そこへ治安警察の署員が現われ、居場所を知られてしまう。イスクイとボローはウドの街のバトリング選手らを集め、特権を与えるとの約束のもとにキリコらを攻撃させる。手練れのバトリング選手たちの前に、キリコとプロトワンは苦戦させられる。 一方、バッテンタインに対して支援を要請していたロッチナは、イスクイらが元ギルガメス軍将校であったことを知る。バッテンタインはリド襲撃事件の全容と素体の行方を知る人物として、イスクイの捕獲を指令する。
ウドの街に降下したメルキア軍のAT部隊は、治安警察の部隊ごと本部ビルを包囲する。指揮を執るロッチナはイスクイに対して投降を呼びかけるが、反応はない。秘密結社の本部に指示を仰いだイスクイは、増援が来るまで本部を死守するよう指令されていたのだ。だが、増援が送られてくることはなく、メルキア軍の総攻撃の前に、イスクイは命を落とす。しかも、すでにボローとフィアナは脱出した後で、ロッチナは作戦目的を達成できなかった。 なんとか本部ビルから脱出したキリコであったが、フィアナを連れ戻しに行こうとしていた。無茶だと止めるがゴウトたちに、キリコはそれまでの経緯を余さずに語る。非道な話を聞かされ、ゴウトたちは力を貸す気になる。
ウドの街の崩壊から三か月後、キリコは内乱の続くクメン王国へ現われた。すべてを忘れようと彷徨っていたキリコは、王国政府軍の傭兵募集に応じたのだ。傭兵基地アッセンブルEX-10に到着したキリコは、意外な人物と再会する。ウドで離ればなれになったゴウトだ。武器の闇ルートにも精通しているゴウトは、EX-10に武器を卸しているという。しかし、二人の前に現われた兵士がキリコを連行した。入隊のための身体検査の際に、体内に埋め込まれていたビーコンが発見されたのだ。クメン王国は反政府ゲリラとの内戦状態にあるだけでなく、分離独立を求めてメルキア連邦政府とも冷戦状態を継続している。そのため、キリコにはメルキアのスパイとの容疑がかかり、カン・ユー大尉が尋問を行った。ビーコンに覚えのないキリコはシラをきるしかなかったが、そこへ基地司令官のゴン・ヌー将軍とゴウトが現われた。ゴウトの取りなしでこれまでの事情を説明したキリコは、ようやく解放される。 その夜、ゴウトは基地近くの歓楽街・ニイタンで、キリコをとある店へ連れて行った。店の名はファンタムクラブ。ゴウトが出資し、バニラが店長を勤めているこの店で、ココナも歌姫として働いていた。
戦闘中に機体から身をさらけ出すという不審な行動に、キリコがスパイではないのかという疑念を、カン・ユーはますます強めていった。ファンタムクラブを訪れたキリコがゴウトたちに「PSが乗っていると思われる青いATにフィアナが乗っていると憶測している」旨を話していると、EX-10でも一、二を争うボトムズ乗りのキデーラに絡まれるが、クメン王国政府正規軍出身のポタリアが仲裁をする。その時、ビーラーゲリラが仕掛けた爆弾に気がついたキリコは、キデーラと仲間の命を間一髪で救うのだった。 店を出たキリコは、出撃に備えウドでの経験をもとに、ゴウトの事務所で対PS用のミッションディスクを作成する。
アッセンブルEX-10がビーラーゲリラから夜襲を受けた。ポタリアは敵の中に、見覚えのある人影を目撃する。翌日、カン・ユー指揮の特別部隊が、ムナメラ河上流のゾンム村へ出動した。この村にゲリラの根拠地があると判明したためだ。捜索の結果、情報を得ようと村の者を広場に集めて、ロシアンルーレットを強要するカン・ユー。しかし、その順番がポタリアの幼馴染であるモニカにまわってきた。たまらずに制止するポタリアに対し、モニカは彼の理想を悪しき幻想だと言ってのける。やはり、前夜の影はモニカだったのだ。結局、ポタリアとは相容れずに、銃を自分の頭に向けるモニカ。その時、キリコのATが発砲し、モニカは死の賭けを免れた。そして、キデーラたちが撃ち抜いた祭壇から、ゲリラ側のATが姿を現わした。
青いATに乗っていたのは第二のPSイプシロンであった。彼はキリコの姿を確認すると、敵意をむき出しにして攻撃をする。イプシロンによってATを破壊されながらも、からくも脱出するキリコ。だが、その光景を目にしたカン・ユーは「生きているわけはない」とキリコを見捨て、ポタリアらの反対を押し切って基地への帰投を命じるのであった。 その頃、神聖クメン王国を宣言したかつてのクメン王国第三王子カンジェルマンは、根拠地であるカンジェルマン宮殿で、王国の伝統的な武術であるバランシングの稽古をつけていた。その相手は、なんとフィアナである。そこへ帰還したイプシロンが、キリコを取り逃がしたことを報告する。 キリコは単身でカンジェルマン宮殿へ潜入しようとしていた。
傷だらけになりながらも、なんとかアッセンブルEX-10へと帰り着いたキリコだったが、敵地から帰還できたこと自体が怪しいと、カン・ユーはキリコにさらに疑いの目を向ける。しかし、軍医を買収したゴウトの手配で絶対安静を装ったことにより、キリコは追求を免れることができた。 一方、キリコに逃げられたカンジェルマン宮殿では、カンジェルマンが内部に手引きした者がいるのではないかと考えていた。同じPSであるイプシロンにだけ、自分が犯人であると告げるフィアナ。しかし、イプシロンにはフィアナを責める気はなく、戦いによってキリコと決着をつけるつもりだった。そんな時、クメン王国首都ザイデンに、メルキア連邦の使節団が到着したという情報がもたらされる。二十年に渡って冷戦状態にあったメルキアとクメンの和平、それはPSを追跡するためにバッテンタインが仕組んだ展開であった。だが、神聖クメン王国にとっては政府軍が後顧の憂いをなくし、自分たちとの決戦に全戦力を投入してくることを意味していたのだ。
キリコの予想通り、ビーラーゲリラの狙いはニイタンであった。だが、キリコらの必死の応戦も空しく、ニイタンの街はかなりの被害を受けてしまった。ファンタムクラブも焼け落ち、失意のバニラはココナの前で、軍に入ることを告げるのだった。 クメン王国首都ザイデンでメルキア使節団と密会していたゴン・ヌーは、ゲリラ襲撃の報告を受け、ロッチナをともない、EX-10へと帰還する。待ちかねたように、キリコを命令違反として告発するカン・ユー。だが、ゴン・ヌーはそれを退け、キリコをロッチナに引き合わせる。ゴン・ヌーの前で、ロッチナはPSに関する情報を提供し、キリコに対して素体奪還の協力を要請する。
衝撃のあの日からをトレスする、ウド篇、第1話から第12話の総集編。 メルキア軍から追われる身となったキリコはウドの街へと逃げ込み、そこでゴウト、バニラ、ココナと出会う。勧められるままにATの賭試合バトリングに出場するキリコ。だが、ある日、キリコのもとに危険な試合の話が持ち込まれる。それは、キリコを抹殺するために仕組まれた、治安警察の罠だったのだ。そうと知りつつもその試合を受けたキリコは、逆襲に転じた。治安警察ビルに乗り込んだキリコはそこでパーフェクトソルジャーと呼ばれている素体と会う。素体こそ、キリコが小惑星リドの秘密作戦で出会った存在であり、すべての始まりであった。いつしかキリコと素体の間には絆が芽生えるが、乱戦の中、二人の間は引き裂かれてしまう。 クメンの緑の地獄を行く船の上で、キリコは思わず「フィアナ」と呼んだ彼女のことを思うのであった。
神聖クメン王国の根拠地を目指して、ムナメラ河を遡行するアッセンブルEX-10の特殊部隊。カン・ユーは敵の殲滅が目的だと思っていたが、本当の目的はキリコだけに知らされていた。そのために、目的地に到着後の指揮はキリコに任されている。カン・ユーにはそれが面白くない。 目的地へ向かう途中、腹に一物あるカン・ユーは、キリコの反対を押し切って民間船を臨検、沈めてしまう。そうした行為に、カン・ユーに対する信頼を次第に低下させていくポタリアたち。 一方、カンジェルマン宮殿ではクメン王国政府側の大規模攻勢も近いとみて、準備に余念がなかった。 やがて、ムナメラ河中流に到達した特殊部隊は、ラモー寺院に上陸する。隠密行動を命じられていたためにキリコは反対するが、カン・ユーは聞く耳を持たずに捜索を始め、潜伏していたビーラーゲリラを発見して戦闘を開始してしまう。
作戦遂行のための船を失ってしまった特殊部隊は、ゴン・ヌーより新たな作戦を指令された。AT隊はヘリで最短距離を移動するのだが、三日月湖付近でビーラーゲリラに捕捉されてしまう。キリコらはヘリから降りて敵を殲滅すると、湖に輸送船を降ろして進撃を開始した。 一方、特殊部隊の存在を察知したカンジェルマン宮殿では、防戦準備に追われていた。そんな中、秘密結社の最高幹部キリイはボローとイプシロンに対してキリコの抹殺を命じ、それが不可能な場合はフィアナをも処分するように告げる。イプシロンはキリコと決着をつけるべく出撃し、三日月湖で特殊部隊と交戦する。イプシロンの能力は凄まじく、キリコが作成したミッションディスクですらも対処しがたくなっていた。イプシロンの猛攻の前に、キリコはなす術もなくやられていく。
無謀な行動でヘリを墜落させたフィアナは、脱出するとそのまま逃亡する。フィアナの後を追うイプシロン。二人の姿を見たボローは、空白の脳に戦闘プログラムのみをインプットされ、命令には絶対服従するはずのPSが、完全に仕上がってはいないことを悟らざるを得なかった。 イプシロンはフィアナに追いつくのだが、拒まれてしまう。そこへビーラーゲリラの追撃隊が迫るが、PSであるイプシロンには味方を撃つことはできない。ただ、追撃隊の攻撃から盾となって、フィアナを守るだけだった。そこへフィアナを捜していたキリコらも到着し、フィアナを守ったイプシロンに、キリコは逃亡の機会を与える。ビーラーゲリラを撃退したキリコたちであったが、その間にフィアナはカン・ユーに捕らえられてしまう。フィアナを取り戻そうとするキリコはカン・ユーに襲い掛かり、カン・ユーは濁流に流されていった。
カンジェルマン宮殿を目指すキリコとフィアナの前に、ビーラーゲリラのAT部隊が襲いかかってきた。キリコの善戦も空しく、数の多さに圧倒されるのだが、そこにポタリア、キデーラ、シャッコらが駆けつけた。キリコは三人に小惑星リドからの経緯と、作戦の本当の目的を告げる。かつてはともにクメンの未来を語りあったカンジェルマンの裏切りが許せないポタリアは、キリコに同行するという。そして、傭兵として打倒イプシロンに燃えるキデーラもまた、同行することを選んだ。だが、契約を重視するクエント人のシャッコだけは、本隊に合流するためにその場に残るのであった。 キリコらは宮殿ヘ向けて進むのだが、その途上、EX-10の捜索ヘリを撃墜してしまう。そのことによって、キリコが裏切ったことをゴン・ヌーは知る。 やがて、キリコらはふたたびビーラーゲリラの襲撃を受けるが、フィアナの力もあってこれを撃退。やがて、ビーラーゲリラが砦としている古城を襲撃した一同はカンジェルマンの不審な行動を知る。
キリコによって濁流に落とされたカン・ユーは、かろうじて生きていた。ビーラーゲリラに囲まれてあわやというところをシャッコに救われたカン・ユーはEX-10に帰還すると、ことの顛末をゴン・ヌーに報告する。キリコらが宮殿に突入して混乱したところに突入し、PSを強奪することをゴン・ヌーは目論む。 一方、ビーラーゲリラたちは揺れていた。クメン全土をほぼ制圧した政府軍に勝てないと考える者、所詮は王族とカンジェルマンを批判する者。そんな仲間たちの姿を見たモニカは、カンジェルマンに真相を問いただそうと宮殿へ向かう。 そのころ、キリコたちはゲリラに偽装して宮殿に潜入。守備隊と戦闘を開始する。
ゴウトの事務所で、通信機に語りかけ続けるココナ。ようやく応答したバニラの答えは、ついにゴン・ヌー指揮するEX-10の全戦力が、カンジェルマン宮殿に対して総攻撃を開始したことを告げるものだった。その言葉の通り、奥クメンは内乱の最終局面を迎えていた。ヘリで制空権を掌握したゴン・ヌーはカン・ユー指揮下のAT部隊を降下させる。ここに至り、カンジェルマンは本宮殿を捨て、離宮へ指揮系統を移した。その後を追うポタリア。新型AT・ストライクドッグを受け取ったイプシロンは、キリコとフィアナを求めて出撃していた。ストライクドッグを駆るイプシロンの戦闘力は圧倒的であり、シャッコやカン・ユーですら敵ではなかった。 キリコもまた、ボローを追って離宮へと向かっていた。その離宮でついにカンジェルマンに肉薄するポタリア。決闘の申し入れを受けたカンジェルマンは、ポタリアとバランシングの槍を交える。そして……。
惑星メルキアの衛星軌道上に潜伏している秘密結社の戦艦テルタイン。その艦内では、秘密結社の最高幹部であるキリイと双子の科学者アロンとグランが、クメン内戦の終局を見守っていた。 キリコは追いつめたボローに対して、PSを普通の人間に戻す方法を詰問する。しかし、その答えは「不可能」であった。そこへ、イプシロンも追いついてきた。キデーラがその背後から奇襲をかけるのだが、イプシロンはすでに気づいていた。キリコに爆弾から救われた借りを返すことなく、散っていくキデーラ。そして、ついにキリコとイプシロンの一対一の決戦が始まる。 同時刻、ロッチナが率いるメルキア軍の大部隊もまた、奥クメンに向かっていた。その途上、ロッチナはバッテンタインから指令を受ける。叛乱軍だけでなく、傭兵部隊をも殲滅せよ、と。戦後の復興に目障りな存在をすべて始末することが、クメン王国政府の意志であったのだ。
すべてはリドの闇から始まった。ウド篇 第1話から第13話までの総集編。 小惑星リドでの秘密作戦に参加したキリコはメルキア軍によって拷問を受けていた。しかし、キリコは隙を見て脱走する。それから半年後、ウドの街へ辿りついたキリコは暴走族に捕われ、ヂヂリウム採掘場で働かされる。そこからも逃げ出したキリコは、ウドの街で秘密結社の幹部の一人であるイスクイを見つけ出した。イスクイに銃を突きつけて、リドの事件の真相を問いつめるキリコ。だが、イスクイに案内されたヂヂリウム保管庫で、キリコはリドで出会った素体と再会する。
内乱のクメンから脱出したキリコとフィアナのシャトルは、宇宙空間で謎の光に包まれた。意識を失っていた二人が目覚めた場所、そこは戦艦Xの艦内であった。キリコとフィアナは艦内を調査するが人影はなく、すべての機能はロックされていた。状況に身を委ねることにした二人は、倉庫から持ち出した酒で乾杯をする。だが、酒を初めて口にするキリコはむせてしまった。そんな姿を見て、微笑むフィアナ。 しかし、二人に与えられた平穏な時間はごく短かいものだった。突如として艦内に鳴り響く、軍楽マーチ。音楽に過敏に反応するキリコの前で、レッドショルダーの蛮行の数々がモニターに映し出される。それは、レッドショルダーであった己の忌まわしい過去をキリコにつきつけるものだった。フィアナや仲間たちとの交流で、人の心を取り戻しかけていたキリコ。だが、繰り返される映像は、彼を過去へと引きずり戻していく…。
キリコはAT1機でバララントの警備艦2隻とAT20機を全滅させた。その恐るべき事実に、バララント軍は戦艦Xにはパーフェクトソルジャー(PS)が乗っていると判断した。PSを確保すべく、バララント軍は追撃を開始する。 一方、キリコの行方を追っていたロッチナは、バララント勢力圏への潜入をバッテンタインに進言する。しかし、費用と時間を浪費しながらも成果が上がっていないことに苛立っていたバッテンタインは、逆にロッチナの更迭を宣告する。だが、ロッチナは自分の進退を意に介さず、不敵な笑みを浮かべて去って行くのであった。 その頃、戦艦X内ではなおもレッドショルダーの映像とマーチが繰り返されていた。バララント軍との戦闘で傷ついたキリコの、精神までもが痛めつけられていく。自分が殺した者たちの幻影を見るキリコ。そんなキリコの姿を痛ましく見つめるフィアナだが、彼女自身も自分は彼を愛し続けていけるのか、不安を感じていた
キリコとフィアナの圧倒的な力の前に、バララント軍は次々と撃破されていく。バララント軍はその事実に戦慄しつつも、PSの存在を確信し、さらなる攻撃を繰り返した。激化する戦闘の最中、倒れた敵に自分の姿を投影したキリコもまた被弾する。キリコを戦艦X内の医務室へと連れていき、治療を行なうフィアナ。その間にも、戦艦Xは目的地へ向けて加速を始めた。そして、敵は艦内にも侵入を開始する。一人立ち向かうフィアナの活躍によってバララント軍は目的を達せられないまま、戦艦Xが不可侵宙域に突入する。百年戦争停戦後のこの時期、不可侵宙域における戦闘行為は重大な協定違反となるため、バララント軍は戦闘を停止した。 しかし、戦艦Xから引き上げたバララント軍は、その後も艦籍を秘匿したまま追跡を続行する。そしてもう一隻、戦艦Xの後を追う艦があった。秘密結社の戦艦テルタインである。そこではイプシロンがフィアナのイマジネーションデータから作られた映像を見せられていた。キリコへの憎悪を強化するために……。
バララント軍は不可侵宙域での戦闘を控えつつ、戦艦Xの後を追う。そして、バララントに奪われる前に、プロトワンとキリコを抹殺しようと追撃する秘密結社のテルタイン。 三者の思惑が入り乱れる中、艦載機で発進したフィアナは、単身バララント軍との接触を試みる。PSである自分の身柄を引き渡す交換条件として、キリコを見逃してくれるように提案するフィアナ。だが、バララント軍がその交渉に応じようとした矢先、テルタインからの艦砲攻撃によって、バララント軍の宇宙艇は撃破されてしまう。失意のままに帰還したフィアナからそのことを告げられたキリコは、自分の運命を狂わせたテルタインと秘密結社への敵意を燃やすのであった。 そして、ついに秘密結社はキリコらに対して、直接攻撃を開始する。テルタインからの砲撃に戦艦Xは傷つき、やがて荒れ果てた惑星へと降下を始めた。
ついに、キリコとイプシロンの戦闘が始まった。キリコはあえてフィアナを艦内のコントロールルームに残す。イプシロンを戦艦Xのメインノズルの前におびき出そうというのだ。自分の手でイプシロンの命を奪うことにフィアナは躊躇うが、キリコへの愛が点火スイッチを押させる。戦艦Xのエンジン噴射の前に、イプシロンのAT隊は次々と吹き飛ばされていくが、かろうじて生き延びたイプシロンは、テルタインに回収された。 イプシロンが撤退したことで時間を得たフィアナは、キリコの治療データを閲覧する。だが、医務室のコンピューターはキリコの回復力が尋常ではないことを示していた。驚異的な速度で回復したキリコは、イプシロンの来襲に備えて戦いの準備を進める。その時、キリコはこの惑星がいずこであるかを思い出した。惑星サンサ、かつてレッドショルダーによって壊滅させられた星である。
戦艦Xから脱出したキリコとフィアナの前に正体不明の一団が立ちはだかる。キリコはフィアナをトレーラーに残し、ATで攻撃をしかけた。手慣れたキリコの戦いぶりに、一団のリーダーのゾフィーは、相手がただ者でないことを悟る。だが、戦闘は意外な形で収まった。彼らはゴウトの仲間で惑星中に散らばるスクラップを拾い集めている、再生武器商人であった。トレーラーが目当てだったのだが、お得意先であるゴウトの顔に免じて、ゾフィーは、キリコとフィアナをアジトへ迎え入れる。 キリコは武器商人のアジトでココナとバニラに再会する。しかし、ココナは初めて見るフィアナの美しさに微妙な感情を抱き、キリコとの再会も素直に喜べずにいた。キリコはそんなココナの様子に気づきつつも、声一つかけない。ゴウトはそのキリコの姿に不安を覚えるのであった。 戦いの準備をするキリコに声をかけるゴウト。だが、そこにはいたのは、ウドやクメンでうち解けていったキリコではなかった。フィアナはキリコをかばうのだが、ゴウトには納得がいかなかった。 そこへイプシロン隊が急襲してきた。
武器商人のアジトにイプシロンのAT隊が攻撃してきた。キリコが元レッドショルダーであることを知った武器商人たちはキリコに味方することを拒む。 その頃、衛星軌道上ではバララント軍がテルタインに対して攻撃を加えていた。秘密会談によって、テルタインがギルガメス軍所属の艦ではないことが確認されていたのだ。 軌道上での戦闘の余波は地上にも及びだす。バララントの攻撃によりイプシロン隊も窮地に陥り、ゾフィーのアジトは壊滅した。ゴウトたちは自力で脱出し、キリコとフィアナはトレーラーに乗り込んだ。キリコたちのトレーラーの後を追うゾフィー。レッドショルダーに家族を殺されたゾフィーは、決してキリコを赦すことができなかったのだ。隙を見てゾフィーはキリコを襲うが、逆に捕らえられてしまう。しかし、キリコはそんなゾフィーを黙って荒野に解放するのであった。 その夜、キリコとフィアナは廃棄ドームの中で野営をしていた。しかし、フィアナがヂヂリウムの欠乏によって発作を起こしたため、キリコは補給基地跡に向かうことを決意する。
ヂヂリウムが存在するかもしれないバララント軍の補給基地跡を目指して、フィアナを背負ったままのキリコは歩き続ける。その跡を追うゾフィーとの、無言の旅は続く。だが、苛烈な環境に酸素ボンベの減りははやい。ついにゾフィーの酸素ボンベは底をつき、酸欠となって倒れてしまう。しばらくして意識を取り戻したゾフィーの酸素ボンベは、新品に交換されていた。ゾフィーが気を失っている間にキリコが交換したのである。しかし、これによってキリコは自らの酸素を減らすこととなり、補給基地へ辿りつけぬままにキリコたちの酸素ボンベも底を突こうとしていた。死を覚悟したその時、キリコは自分たちがいる場所が戦場跡であったことに気づいた。残骸の中から、小型宇宙艇を発見するキリコ。そこで酸素ボンベを見つけフィアナの酸素ボンベを交換し終えたキリコの前に、銃を手に入れたゾフィーが現れた。その引き金にかけられた指が絞り込まれようとした時、ゴウトたちのバギーが現れた。バニラが間一髪ゾフィーを制止するも、バララント軍の偵察機が襲ってくる。一同はキリコの指示で、補給基地跡に逃げ込んだ。
バララント軍が来ることを確信しているキリコは、奪ったATの整備を行なっていた。ゴウトたちは脱出の準備を進めていたが、キリコにはその意思はなかった。フィアナの身体にはヂヂリウムが必要だということを聞かされて、ゴウトたちもまたともに戦う決意を固める。 そして、一同の予想通り、バララント軍は攻撃を開始した。必死の応戦にも関わらずキリコたちは捕らえられ、指揮官の前に連行される。驚くべきことに、指揮官の正体はメルキア軍の情報将校だったロッチナであった。キリコはゴウトたち解放を要求するが、ロッチナが出した交換条件は、イプシロンと対決することであった。
補給基地跡で対峙するキリコとイプシロン。キリコには戦意はなかったが、イプシロンの闘志を癒すためか、望まぬ戦いに応じる。だが、乱戦の中、基地の弾薬庫が誘爆を起こした。秘密結社のAT隊は全滅し、キリコとイプシロンの機体は地下へと落下した。探索隊を出したロッチナは、二人が瓦礫の下に閉じ込められたことを知ると、ただちに救出を命じる。 思いがけず、キリコとイプシロンは地下の暗闇で二人きりになってしまった。互いに武器を失い、心ならずも力をあわせて出口を探す二人。そんな中、イプシロンはキリコに疑問を投げかける。お前はなぜ戦うのか、何故プロトワンをフィアナと呼ぶのか、と。そのイプシロンの問いに、自分が答えを持ち合わせていないことに気づくキリコ。イプシロンはPSの誇りにかけて、キリコが自分やプロトワンとは異質な存在だと否定する。しかし、それでもキリコの常人離れした異常な戦闘力は認めざるを得なかった。
キリコとイプシロンの対決の時は迫っていた。キリコにはフィアナの制止を受け入れる意志はなく、イプシロンもまた対決への決意を固めていた。 その頃、不可侵宙域における異変は、ギルガメス軍の知るところともなっていた。ロッチナのかつての上官バッテンタインは、惑星サンサの戦闘にPSや秘密結社、ロッチナなどが関っていることを知り、艦隊の派遣を決意する。 ついに、キリコとイプシロンの対決の時がやってきた。ロッチナ、フィアナとともに約束の地であるシグレ・クレーターを訪れたキリコに、イプシロンが奇襲をしかけてくる。初手で葬るつもりだったイプシロンの一撃は、キリコにダメージを与えることができなかった。ロッチナとフィアナが見守る中、キリコは次第にイプシロンを追いつめていく。フィアナにはその光景を正視することはできなかった。ロッチナはキリコもまたPSであることを確信する。
サンサ篇 第29話から第32話までの総集編。 クメンを脱出したキリコとフィアナを乗せたシャトルは、謎の力によって無人の戦艦へと収容されていた。その戦艦Xの中で繰り返し映し出される、レッドショルダーの映像。逃げ場がないままに忌まわしき過去と直面させられたキリコの心は、次第に荒んでいく。フィアナと二人きりの時間ですら、キリコの心を蝕んでいくのであった。 そんな時、戦艦Xはバララント領宙を侵犯し、攻撃を受ける。戦いの中にしか安息を見出せないキリコは、自ら望んでバララント軍との戦闘を始めるのであった。 やがて、秘密結社のテルタインの攻撃によって惑星サンサへと不時着したキリコとフィアナは、ゴウトたちと再会する。だがそれも束の間、ふたたびイプシロンの攻撃が開始された。しかし、イプシロンこそ自分の同類、真の仲間と考えるキリコは、同じ殺人マシン同士、決着をつけようとするのだった。
ロッチナの言葉のままに惑星クエントに向かったキリコは、熱砂の中を彷徨い歩き、ついに倒れてしまう。そんなキリコを救ったのは、砂漠商人のゲッコだった。ゲッコと別れたキリコはクエント唯一の都市であるゴモルに向かい、傭兵センターのクエント人代表に出会う。代表は語った。クエント人は政府を持たず部族ごとに暮らしていること、連絡手段は狼煙に頼っていること、などを……。 キリコがクエントにやってきていることは、すでに秘密結社の知るところとなっていた。クエントへの直接的な介入を控えたアロンとグランは、ゴモルで商売するならず者のハゼガーを雇った。傭兵センターから出たキリコは、猛獣用の麻酔によって捕まえられてしまう。
クエントの衛星軌道上には、秘密結社の戦闘母艦が定位していた。慎重論を唱える秘密結社の最高幹部キリイに対し、アロンとグランは強攻策を目論む。 キリコはクメンでの傭兵仲間のル・シャッコと再開し彼の村へ向かう。途中、シャッコは原始的な猟で砂モグラを捕らえる。 そこへ、秘密結社がキリコたちに襲いかかってきた。武器を持たないキリコたちは前方に見える谷底へと逃げる。キリコはクエントの姿に違和感を覚えていた。自分が追い求めるPSの謎とはおよそ関係のない未開の星にしか見えなかったためである。三千年の傭兵の惑星クエント。その名は「谷の底」を意味するのだという。
やはり谷の底に存在するシャッコの村に着いたキリコは、シャッコに渡された飲み物で眠らされてしまう。その眠っているキリコに対して、村の女たちが怪しげな儀式を行なう。 その頃、サンサを後にしたロッチナもまた、クエントへ向かっていた。艦内でロッチナはフィアナに告げる。ロッチナ自身も正体を知らぬ彼の雇い主は、常にキリコに関心を抱き続けてきたのだという。 翌日、ようやく目覚めたキリコに、村の長であるテダヤは告げる。キリコは、クエントではタブーとされている「手を加えられた民」かもしれない、と。さらなる真実を求めたキリコは、村の洞窟の奥にいるという長老・メジのもとを訪れる。メジはキリコに対して、三千年前にクエントに現われた神の伝説を語って聞かせる。手を加えられた民を作ろうとして、クエントの民に追放されたという神。だが、それはキリコにとって有効な情報とは思えなかった。この時点では……。
洞窟の奥にいるキリコを襲って来たアロンたちのAT隊は閃光に包まれ瞬間的に800キロを跳躍させられ、ゴモルに現れていた。母艦に帰還したアロンは、クエントの超科学の価値をキリイに説く。この秘密を手に入れれば、アストラギウスのすべてを手に入れられるかもしれない、と。だが、キリイは知っていた。古代から、クエントの秘密に迫ろうとした者は、すべて謎の力によって消滅させられてきたのだ……。 危機を脱したキリコはメジのもとをふたたび訪れて、クエントには不思議な力が伝わっていることを聞かされていた。禁断の地であるゴモル上部に、その秘密が隠されているのではないかと推測するキリコ。 一方、艦隊の接近を知ったキリイは、ついに決断をくだす。アロンとグランは、秘密結社のAT50機からなる大部隊を、ゴモルに降下させた
再び現われた謎の光に次々と消滅させられていく、秘密結社のAT部隊。動力を切ったキリコとシャッコのAT以外は、すべて消えてしまった。その光景を目の当たりにして驚きを禁じ得ないキリコ。 その頃、ロッチナ率いるバララント艦隊がクエントに到着していた。そして、捕らえられたゴウト、バニラ、ココナを乗せたギルガメス艦隊もまた、秘密結社のゴモル襲撃を知り、クエントへ向かっていた。 一方、ゴモルの遺跡の中を探索するキリコに、何者かの声が語りかけてきた。声は脳に直接呼びかけ、キリコに古代クエントの歴史を見せる。それはクエントに文明が生まれ、そしてとてつもなく発達した後に滅びていくまでの一大叙事詩のようであった。そして謎の意志は、キリコとシャッコをフィアナ、ロッチナと邂逅させる。キリコはフィアナを取り戻し、ロッチナの前から去っていく。
クエントに到着したギルガメス艦隊の規模は、バララント艦隊の戦力を遥かに凌ぐものであった。バッテンタインからの指令を受けたレイパードは、ゴモル宇宙港でロッチナと会談する。外交儀礼を守りつつも交渉に突入する両軍艦隊司令官。レイパードは圧倒的な戦力を背景に、素体の返還を要求する。そんなものは知らないとはねのけるロッチナだが、証人としてゴウトたちが連れ出されてきたため、白を切ることはできなくなった。 ロッチナがフィアナの引き渡しに同意したことを知ったキリコは、シャッコの助力でバララント軍の護衛ATに潜り込んだ。ギルガメス艦内で行われた引き渡しの席上、ロッチナはレイパードに交換条件として即時撤退を求める。レイパードがこれを拒否したため、交渉が決裂しかけた瞬間、キリコのATが攻撃を開始した。
ギルガメスとバララントの激戦の中、なんとかギルガメス艦から脱出したゴウトたちであったが、今度はバララント艦隊に捕らえられてしまう。そこでゴウトたちはフィアナと再会する。しかしその間にも戦闘は続き、もともと数に劣るバララント軍は敗勢となり、ロッチナはキリコを収容して、退却を指令する。 その時、突如として惑星クエントから無数の火球が打ち上げられてきた。両軍の艦隊が次々と消滅していき、残されていたのはキリコたちが乗り込んだ小型連絡艇だけであった。キリコはゴモルの時と同じく、クエントの自動防衛機構が働いたことを悟る。
キリコたちを捕らえた秘密結社の母艦は、ワイズマンに遠隔操作され惑星クエント近くの人工天体へと導かれていった。ロッチナ同様、ワイズマンの意志にしたがって行動していたキリイは、キリコを連れて人工天体の中枢部へ向かう。 一方、キリイによって監禁されていたロッチナはゴウトたちがフィアナを助け出した際に脱出し、彼らとともにキリコの後を追う。 その頃、ギルガメス軍首脳部はクエントで発生した異常事態に、バララントに対して星雲会議の開催を提唱する。
ギルガメスとバララントの連合艦隊が、ワイズマンの人工天体に迫る。クエントの異変によって神の存在を知った人間たちが、恩讐を超え、手を組んだのだ。アストラギウス銀河を人の子の手に取り戻すために。 一方、アロンとグランは、キリコが新たな指導者となったことを知らされていた。神殿へ辿りついたフィアナたちもまた、キリコがワイズマンの後継者となったことに驚く。だが、怒るゴウトたちを一瞥したキリコは、部屋に戻るよう命令すると、人工天体から脱出準備を始めるのであった。 そして、ギルガメス・バララント連合艦隊の攻撃が開始された。フローターを武器として、連合艦隊を翻弄するキリコ。分離した人工天体の一部を楯として戦闘母艦を発進させるのだが、圧倒的な戦力の前に追いつめられていく。
小型艇で脱出したゴウトたちは、惑星クエントに不時着する。そこで彼らを待っていたのは、メジの予言により神の子の到来を知らされていたシャッコであった。シャッコの言葉によれば、キリコはいまだにクエントに到着していないという。 キリコが遅れたのは、何者かが戦闘母艦の航法プログラムに細工を施したためであった。アロンが不満分子を煽動して、キリコへの叛乱を企てていたのである。しかし、その計画はワイズマンに見抜かれていた。自ら銃を手にとったアロンは、キリコによって射殺されてしまう。 やがて、単身クエントの地に降り立ったキリコの前に、シャッコが現れた。シャッコはゴウトたちに会ったことを隠したまま、キリコとともにゴモル中枢へ向かう。防御システムのコントロールルームで、キリコの真意を確かめるシャッコ。自らが神になることを宣言するキリコの言葉に驚いたシャッコは、防御システムを破壊しようとする。だが、キリコはその銃を奪い、駆けつけたゴウトたちの目の前で、シャッコを撃つ。
ギルガメス・バララント連合軍がキリコ一人を討つためにクエントの地表に展開しつつあった。かろうじてクエントから脱出したゴウトたちは、フィアナにキリコ説得をあきらめるよう、通信を入れる。だが、それはフィアナにはできないことだった。 キリコはわずかな秘密結社の手勢のみを引き連れて、包囲網の中へ突入していった。激戦で部下たちが次々と撃破されていく中、キリコは異能者としての能力で突破していく。その後についてくることができたのは、わずか2機であった。さらに展開する大部隊の頭上を、キリコは奪った揚陸艇で越えていく。そこにフィアナのATもとりついていることを知らぬまま
全銀河のすべてを敵として、神の前に辿りつこうとするキリコの前に、最後に立ちふさがったのはフィアナであった。だが、キリコは説得を聞こうともせず、フィアナのATから銃を奪った。フィアナのATを撃ち貫く銃弾に、キリコの意志の固さを理解するワイズマン。神は、キリコに自らのもとへ来るように促すのだが、すでにATは限界を超えていた。キリコはATを捨て、自らの足で中枢部へ登っていく。 そして、ついにキリコは神のもとへ辿りついた。しかし、そこで見たものは過去の異能者の記憶と意識を保存した機械、原形質保存装置であった。ワイズマンの伝達装置がすべてを与えようとした瞬間、キリコは銃弾を放った。
ミリタリー要素の強いロボアニメの傑作。
ディストピアSF的なウド編、ほぼベトナム戦争なクメン編、物語の核心に近づいていくサンサ編以降と各部のカラーが異なっていて楽しい。
ロボ自体は量産機で必要に応じ…
ボトムズのメカ描写はカッコいいよなー。ありふれた量産ロボを使い捨て、自分で組み立てたり奪ったりしながら戦い続ける。実際の質感がイメージできるサイズのおかげでロボに乗ったまま足元の人間と会話ができるの…
>>続きを読む高橋良輔によるリアルロボットアニメの傑作なんじゃないでしょうか。
主人公の乗るスコープドッグは量産型機で、敵も同じようなのに乗ってるし壊れたら捨てて乗り換えちゃうしで全然専用機じゃないっていう、この…
長い。とにかく長いのだがキリコと愉快な仲間たちの流浪の戦いを、なんとなく見守るような感じで完走した。宇宙の支配者ワイズマンとその継承を巡る物語に結実する流れ。これというスーパーなメカが登場するわけで…
>>続きを読むDVDコンプリートボックス発売の報を受け、高額だったのに迷わず予約してしまった思い出。
自分が十分満喫したのはもちろん、たくさんの人からリクエストがあって貸し出しまくった。
資料も充実していて、買っ…
やっとみました。
長っ…
この作品は、子供が見る作品なの?と思ってしまいました。
触れえざる者のお話
ばっちいからでは無いですよ。
実はフィアナが死んでしまう方を先に見てしまってます。
キリ…