幼年学校を卒業したラインハルトとキルヒアイスは、彼らの最初の赴任先となった酷寒の辺境惑星カプチェランカに向かう。だが、彼らの上官となる前線基地βⅢの司令官ヘルダー大佐には、ベーネミュンデ侯爵夫人からの密書が届いていた。かつて皇帝の寵姫であったベーネミュンデ侯爵夫人は、アンネローゼにその立場を奪われたことを恨み、彼女の弟であるラインハルトを害そうと陰謀を巡らしていたのだ。ラインハルトとキルヒアイスのみでの敵情視察を命じるヘルダー。武勲を立てる機会と意気込むラインハルトだが……。
猛吹雪をついて進む機動装甲車。しかし、動力源の水素電池が尽きかけていることに気付く。ヘルダーの指図で、二人の上官フーゲンベルヒ大尉が小細工をしたのだった。ラインハルトは、まず生き残ることを考え、雪中に装甲車を潜ませて敵の出現に備える。暖房も使えない車内で、過去の思い出を語り合う二人。やがて、同盟軍の装甲車が姿を見せた。ラインハルトたちは、生きて基地に帰り着くため、敵を倒して装甲車を奪取することを決意。手持ちの武器は限られていたが、まず1台の撃破に成功。会心の笑みを浮かべるラインハルトだった。
突然の攻撃に混乱する同盟軍。ラインハルトたちは液体酸素をも武器として用い、残りの同盟軍兵士も倒した。敵の装甲車から水素電池も奪取し、帰路の動力も確保した。ここでラインハルトは、彼らの装甲車に細工をした者が、その結果を見届けに来るのではと考える。その予想は正しく、ほどなく彼らの上官フーゲンベルヒが姿を現した。キルヒアイスが事故死したと告げられた彼は、ラインハルトに銃口を向けつつ、事件の真相を語ってしまう。さらにアンネローゼを売女と侮辱した彼をラインハルトは赦さなかった。ちょうどその頃、βⅢ基地は同盟軍の奇襲攻撃を受けていた。
敵装甲車から得たデータを用いて同盟軍を撃退したラインハルトは、ヘルダーに今こそ同盟軍基地へ攻勢をかけるべきと進言する。戦闘中であれば当初の目的も果たしやすいと考えたヘルダーは、その案を容れる。戦場で単独行動を命じられたラインハルトは、予想通り背後から襲ってきたヘルダーに立ち向かい、捕らえようとする。しかし、ヘルダーも手強かった。間一髪のところでキルヒアイスが駆けつけ、ラインハルトは救われる。事件の真相について語ることを拒んだヘルダーは谷底に身を投げ、表面上、事件は終息する。ラインハルトたちは、早くも次なる任地である宇宙に思いを馳せるのであった。
大佐に昇進したラインハルトは、キルヒアイス大尉と共に憲兵隊への出向を命じられる。憲兵隊に良い印象を持たない二人だったが、過去の資料を調べるうち、憲兵の中にも優れたバランス感覚の持ち主がいると知る。そのケスラーという名は彼らの記憶に留められた。そんなある日、彼らの母校である軍幼年学校で、ライフアイゼンという生徒が殺害される。ラインハルトとキルヒアイスは、憲兵副総監からこの殺人事件の捜査を命じられた。
ラインハルトとキルヒアイスは軍幼年学校を訪れる。校長であるシュテーガーは、学年首席のハーゼを捜査に協力させると申し出る。ラインハルトたちは事件現場を調べるが、物証は残っていなかった。そこに校長の命を受けたハーゼが現れる。被害者の友人と言いつつも、感情的になることもなく淡々と質問に答えるハーゼ。だが、キルヒアイスは彼の受け答えに妙な違和感を覚えた。凶器も見つからず、動機も掴めないまま、二人は捜査を続ける。
ライフアイゼンの死因は事故死とされ、葬儀が執り行われた。そんな中、ラインハルトのもとに父セバスティアンの訃報が届く。ラインハルトは葬儀に参列するため軍幼年学校を離れるが、その隙を狙ったかのように第二の殺人が起こる。被害者は学年次席のベルツ。現場の状況を見たキルヒアイスは、不自然な隠蔽工作に気付き、犯人はある種のハンディを持つ者では、との推論にたどり着く。そのハンディは、露見すれば犯人の一生を左右するほどのものであった。
ラインハルトらは第一の殺人現場にもう一度赴く。薄暗い倉庫を調べていると、突然、ラインハルトの頭上に小麦粉の袋が落ちてきた。間一髪、キルヒアイスに助けられた彼は、30キロの重さがあれば小麦粉といえど凶器になり得ると気付く。ラインハルトはハーゼを問い詰め、彼は自分が極度の赤緑色盲であると認めた。それはルドルフ大帝が定めた劣悪遺伝子排除法で根絶されたと思われた障害だった。犯人はハーゼと断定する校長だったが、ラインハルトは真犯人は別にいると語る。
キルヒアイスは休暇を楽しむため、リゾート惑星クロイツナハⅢへと向かう。ラインハルトを待つ彼は、滞在先のホテルで暴漢に襲われた老人を救う。老人は、帝国軍が大敗した「アルレスハイム会戦」の指揮官、カイザーリング退役少将だった。治安責任者のホフマン警視はキルヒアイスに、暴漢はサイオキシン麻薬中毒だったと告げ、軍内部に麻薬を扱う秘密組織があると明かす。そして、司法の手が及びにくい軍内部の犯罪を撲滅するため、キルヒアイスに協力を要請する。
カイザーリングから会食に誘われたキルヒアイス。カイザーリングは翌日に会う予定の旧友、バーゼル夫妻について語る。バーゼル夫人となったヨハンナを40年間、変わらず愛し続けていると語る彼の姿に、思わず自分とアンネローゼの姿を重ねるキルヒアイス。彼は、カイザーリングに世間の風評とは異なる高潔で明哲な印象を受けた。一方、ホフマンは先の暴漢が以前、カイザーリング艦隊に所属していたことを突き止めていた。その夜、キルヒアイスは異常な息苦しさに襲われる。
ホフマンはキルヒアイスに、先の暴漢のカイザーリング艦隊時代の上官がバーゼルだったと語り、アルレスハイム会戦の直前、バーゼルがサイオキシン麻薬所持の疑いで憲兵隊の捜査対象になっていたと伝える。キルヒアイスはカイザーリングのもとを訪れ、カイザーリング艦隊に麻薬が蔓延していたのではないか、帝国軍が崩壊したのも麻薬が原因ではないかと問う。カイザーリングは、愛する女性の選んだ者が犯罪者であってはならなかった、と告白する。
カイザーリングは、バーゼルの犯罪について証言することを拒む。一方、ヨハンナは夫に改心を促すため、警察へ密告したことを告白。しかしバーゼルは、妻からの警告をカイザーリングからのものと誤解し、彼の暗殺を目論んだのだ。キルヒアイスはバーゼルを罠に掛け、事実を告白させる。進退窮まったバーゼルは、証拠書類を焼き捨てるようヨハンナに命じる。資料を手に暖炉に向かう老婦人を、キルヒアイスは撃つことが出来ない。その時、一条の火線が走った。
ラインハルト准将とキルヒアイス大尉は、同盟領進攻作戦に分艦隊司令として参加した。しかし所属する艦隊の司令官グリンメルスハウゼン中将が、高齢により実質上戦力外となっており、功績を挙げる機会すら与えられない状態だった。さらにリューネブルク准将麾下の強襲揚陸艦部隊による進路妨害もあり、彼の苛立ちは募る。戦場となったヴァンフリート星域は通信状態が悪く、艦隊間の意思疎通すら難しい。そこに両軍の艦船が入り乱れ、戦況は混沌としていた。
グリンメルスハウゼン艦隊は、総司令部の指示により衛星ヴァンフリート4=2に駐屯基地を建設することに。しかし、そこには既に同盟軍が前線基地を築いていた。同盟軍司令セレブレッゼ中将は、薔薇の騎士連隊に対し敵情偵察を命じる。連隊長のヴァーンシャッフェ大佐は留守をシェーンコップ中佐に任せ、自ら偵察に赴く。一方、ラインハルトも同盟基地の存在を察知、偵察に出ようとするが、その任務はリューネブルク中将に下される。
偵察から戻らない連隊長を捜索するシェーンコップたち。車輌の轍をたどるうち、帝国軍の兵士を発見した。その中に3年前、帝国に逆亡命をした第11代薔薇の騎士連隊長リューネブルクの姿を見る。その後、味方偵察隊に合流するが、既に帝国軍は周囲を包囲していた。激しい攻撃に負傷するヴァーンシャッフェ。リューネブルクにシェーンコップが立ち向かう。決着のつかぬまま撤収した彼らだが、ヴァーンシャッフェは基地に着いた後、命を落とす。
基地に戻ったリューネブルクは、同盟軍が建設した前線基地の存在を報告。帝国軍は攻撃の準備に入る。一方、同盟軍基地でも敵の来襲を予測し、新たに第13代連隊長となったシェーンコップのもと、迎撃態勢が整えられつつあった。しかし敵との戦力差は大きく、まずは持久戦に持ち込み、味方艦隊の来援を待つ消極案を採ることに。ラインハルトは、この地上戦を契機に会戦全体が動くと予想するが、現時点でその戦略眼を生かすことは出来ない。彼の苛立ちは募る。
ヴァンフリート4=2では激戦が続いていた。数の上では帝国軍が優位に立っていたが、同盟軍は地形をうまく使い戦線を支えていた。そこにビュコック率いる第五艦隊が救援に駆けつけ、さらにこれを阻止しようと帝国艦隊も動く。ラインハルトが予見したように、いつしかヴァンフリート星域は主戦場となっていった。一方、地上ではラインハルトとはぐれたキルヒアイスがシェーンコップと遭遇、両者とも一歩も譲らぬ戦いを繰り広げる。
同盟軍基地に入ったラインハルトは、基地司令官セレブレッゼを発見、これを捕虜にする。キルヒアイスは、このことをいち早く上層部に報告し、ラインハルトの武勲が横取りされぬよう気を配る。その後、司令部より撤退命令が届き、帝国軍陸戦部隊も艦隊に帰還した。ヴァンフリート星域会戦は終結し、ラインハルトは武勲により少将に昇進するが、キルヒアイスの階級は留め置かれた。ラインハルトは人事局長に抗議するが、逆に彼らの処遇は特例なのだと指摘される。
帝都オーディンに帰還したリューネブルクは、妻エリザベートを伴い、オフレッサー上級大将の邸宅を訪問する。ラインハルトと反目する勢力に顔を繋ごうとするリューネブルクだが、オフレッサーは彼の本心を見透かし、冷淡に扱う。一方、一時は見送られたキルヒアイスの昇進が認められた。意外にも、グリンメルスハウゼンが強く推薦したとのこと。キルヒアイスは老提督のもとを訪れ感謝の言葉を伝えるが、そこでキルヒアイスは彼の洞察力の鋭さを知る。
初夏を迎えた帝都オーディンで、キルヒアイスは久しぶりに両親のもとに帰省した。心地良い郷愁に浸りつつ、かつて美しい姉弟と過ごした日々が過去のものになったことを実感するキルヒアイス。一方、皇帝フリードリヒⅣ世は、ラインハルトにかつての名門貴族ローエングラム家の名を継がせようと語り、周囲を驚かせる。そんな折、宮廷内に奇妙な噂が流れる。リューネブルクの出自がゴールデンバウム王朝に連なるもので、彼は帝位継承を求めて逆亡命したというのだ。
グリンメルスハウゼンの邸宅で、彼の大将昇進を祝う祝賀会が開かれた。席上、リューネブルクは義兄である内務省警察総局次長ハルテンベルク伯に呼ばれ、宮廷内に流れる噂の真偽を問われる。パーティー会場を抜け出そうとしたラインハルトは、リューネブルクの妻エリザベートが気分を悪くしているのを見つけ介抱する。そこに現れたリューネブルクは不義の現場を押さえたかのような態度を取る。激怒したラインハルトは、彼に決闘を申し込むが……。
第六次イゼルローン要塞攻略戦の準備に追われる同盟軍の中で、「非常勤参謀」と渾名されるヤンは、この戦いに全く興味を抱けずにいた。イゼルローン要塞に赴任したラインハルトも同様で、要塞ひとつの攻防に拘泥する両軍を冷ややかに見ていた。彼は2000隻規模の小艦隊を率い、あたかも狩猟のように同盟軍艦艇を撃沈して回る。同盟軍は、この小癪な敵への対応をヤンに任せた。ヤンは敵の小艦隊を指揮する人物の癖を見抜き、罠を張る。
敵要塞主砲の射程を見切り、そのすぐ外側に艦隊を展開することで敵艦隊を呼び寄せ、その隙に要塞を攻撃する。これが同盟軍の立てた作戦だった。計略は当たり、同盟軍は一気に攻勢に移ろうとするが、ここにラインハルト指揮の分艦隊が襲いかかる。形勢はふたたび帝国軍優位に傾くが、功を焦った帝国軍艦隊が突出。ヤンはそこを見逃さず予備兵力を投入、戦場は乱戦の様相を呈する。そんな中、薔薇の騎士連隊の挑戦状を受け、リューネブルクが単身で現れる。
戦局は膠着し、消耗戦となっていた。ヤンは撤退時期を逸したとぼやき、ラインハルトは不毛な戦いに決着をつけるべく上申書を提出する。総司令官ミュッケンベルガー元帥は差し出口に激怒するが、その内容は理に適うと判断、ラインハルト自身に作戦実行を命じる。同盟軍も撤退準備を進めるが、ヤンはまたしても蚊帳の外に置かれる。そこにラインハルト指揮の小艦隊が襲撃をかけてきた。ヤンはこれが罠だと見抜くが、総司令官ロボス元帥は追撃を命じる。そして……。
記録用
白銀の谷 25.2.12
叛乱者 25.2.12
決闘者 25.2.12
奪還者 25.2.12
朝の夢、夜の歌 25.2.13
千億の星、千億の光 25.2.14
第三次ティアマト会戦 2…
キルヒアイスの休日 格言っぽいセリフが多いエピソード
盲信 アンネローゼと重ねる
高度なラブストーリー
優しい人よ告白拒否
あの人にふさわしい夫じゃないと…(麻薬犯罪隠滅)
1年前気がつく
仲直…
銀英伝アニメシリーズ走破まであと少し!
(配信が今月末までだとかで、少し焦る😭)
このアニメ版で1988年頃のものなんだってね。
絵とか表現に懐かし、古さを感じもするが、それも面白い。
さぁ、ラ…
それぞれ全4話で構成される「白銀の谷」「朝の夢、夜の歌」「汚名」と、全12話の「千億の星、千億の光」の4エピソードからなる、銀河英雄伝説外伝1期。
時系列はバラバラ。外伝2期まで観終わったら、本伝…
外伝は時系列順に観るので、とりあえずシーズン1もシーズン2もここにまとめる。
螺旋迷宮(スパイラルラビリンスって、かっけえ!!)
ヤンは歴史好きな作者の投影っぽいよね。
本伝全部観た後だと過去編の…