13世紀のベネチア。商人のニコロ・ポーロとマテオ・ポーロの兄弟が東方への旅を終えて帰ってきた。しかしニコロの息子マルコとの間には15年の空白が立ちはだかっていた。父の帰りを待つ孤独な少年にとって東方の話を聞くことが何よりの楽しみだったが、母の死後、その思いは変化していた。世界の珍しい品々もマルコにとっては、父への反発心を強めるだけだった。そんなマルコに父がしてやれること…。それは「旅」だった。
港町アークルに立ち寄ったマルコ・ポーロはバザールに行く。砂漠を旅する隊商にとって、物資の調達は大切なこと。様々な物が売り買いされ、活気あるバザールは、驚きの連続だった。商人が引き上げた後、一人の少年がマルコに近づいてきた。母親が病気だから革袋を買って欲しいとすがりつくが、マテオは「相手にするな」と言う。マルコは内緒で少年を追いかけ、革袋を全て買い取る。そのマルコに少年はナイフを突きつけるのだった。
マルコ・ポーロ一行は、フビライとの約束であるローマ法王からの親書と聖油をもらい受け、二人の僧侶を連れてエルサレムを出発。地中海沿いを北上し、現在のトルコに入った。山岳地帯にさしかかろうとしたとき、隊商から恐れられていたマムルーク族の一団が迫っていることを知る。襲撃を避けるため、古代の住居跡に逃げ込み、息を潜めるマルコたち。しかし、おびえた僧侶がラクダにつまずき、ラクダが騒ぎ出してしまう。
アルメニア地方にさしかかったマルコ・ポーロ一行は、砂漠の旅に備え、ラクダ市に立ち寄った。ラクダは乗りこなすことが難しい動物。慣れないマルコは何度も振り落とされてしまう。そのとき、群衆の中で暴れる白いラクダが目に留まる。ネフドの星と呼ばれるそのラクダは、気性が荒く買い手がつかずにいたが、なぜかマルコには懐くのだった。ネフドに乗り旅を再開させたマルコ。山道で崖崩れが起き、ネフドとともに巻き込まれる。
マルコ・ポーロ一行は、トルコ中央部のギョレメ渓谷から長い乾燥地帯を越え、緑と水があふれるペルシャに入った。久しぶりに訪れた休息。水浴びを楽しむマルコたち。しかしそこに、燃える死体が流れて来る。再び緊張感に包まれた一行。行く手には“悪魔の火”と呼ばれる激しい炎に包まれた襲撃の痕があった。石油を武器に火攻め戦法で砂漠を荒らし回る盗賊団、カラウナスの仕業だった。夜、野営を張る一行にも火矢が降り注ぐ。
とうとう盗賊団カラウナスの襲撃を受けたマルコ・ポーロ一行。護衛のシャリフたちにニコロとマテオも加わり、命がけの戦いを繰り広げる。マルコは、荷に燃え移った火を必死に消そうとしていた。しかし敵に命を狙われ、ついに剣を抜く。死闘の末、ほとんどの荷を奪われた一行。シャリフは怒りに震えていた。かつて、カラウナスに父や仲間を殺されていたのだった。マルコたちの制止を振り切り、再びカラウナスに向かっていく。
カラウナスの襲撃で痛手を負ったマルコ・ポーロ一行。隊商を立て直すために立ち寄ったオアシスの町ハトラで、モンゴル兵に取り囲まれる。当時この地方はモンゴルが征服していた。フビライ・ハーンから授かった通行証パイザが役に立つはずだった。しかし、逃亡者と決めつけられ、ニコロとマテオが捕らえられてしまう。翌日、処刑されることになった二人。何とか逃げ切ったマルコだったが、二人を救い出すためには時間がなかった。
マルコ・ポーロ一行は、現在のイラクの首都、バグダッドに立ち寄った。マルコはここで、青いベールをまとった女性に出会う。遠く中国から運ばれる絹で作られた青いベールは、高貴な身分を物語るもの。思わず後を追ったマルコは、きらびやかな宮殿に導かれる。女性の名前はビドア。旅の話を聞かせてほしいと頼まれ、マルコは夢のような時間を過ごした。ある日、かつてこの町を治め、モンゴル軍の総攻撃で滅んだ一族の話を耳にする。
カスピ海に着いたマルコ・ポーロ一行。船着き場で荷を運ぶ人たちに出くわす。その中に、誤って荷を落とし、監督から激しくむち打たれる少年がいた。助けようとするマルコを、ニコロが止める。夜、マルコは、少年に会いに行く。少年の名前はトウス。家族から引き離され、厳しい労働を強いられていたが、ここにいれば、いつか父親が連れ戻しに来てくれるはずだと信じていた。しかしトウスは、別の場所に売り飛ばされようとしていた。
ある日、見知らぬ場所で目が覚めたマルコ。そこは世界中で恐れられていた暗殺者教団の宮殿だった。教団を操っていたのは、暗殺によって世界の支配を企てる山の老人。たくましい若者を薬で眠らせ、宮殿に連れてきて、暗殺者に仕立て上げていた。次の標的を、この土地を治めるアバカ・ハーンに定めた老人は、アバカが気を許す西洋人のマルコを暗殺に差し向けようとしていた。ろう屋に閉じ込められたマルコ。一人の少女が声をかける。
苦しい砂漠の旅を続けたマルコ・ポーロ一行は、船でモンゴルへ行こうと、世界中の船が行き交う港町ホルムズに向かった。頑丈な船と腕利きの船乗りを探す一行。昔、船乗りだったという老人、アブドルと出会う。インド洋を越え、南の島まで行ったことがあると語るアブドルに、一行は期待を抱く。しかし港に泊められていたのは、使いものにならない粗末な船だった。マルコはアブドルと船の修理を始める。ある日、熱風の嵐が港を襲う。
マルコ・ポーロ一行は、イラン北部のゴルガン平原に入った。市場で見たペルシャじゅうたんの美しさに心を奪われたマルコ。市場からの帰り道、懐かい子守歌が聞こえてきた。歌っていたのは、ミリアムという名前の少女。ベネチアの海を思わせるような青いじゅうたんを織っていた。5歳のときに母を亡くし、じゅうたんは母から引き継いだものだという。市の日が近づき、ミリアムは仲買人からじゅうたんの完成を急かされていた。
旅の途中、馬を傷つけてしまったマテオ。隊商と離れ、マルコと2人でイラン中央部の町ヤズドに立ち寄った。市場でラバと新しい靴を手に入れ、マテオは上機嫌。砂漠に残る隊商の足跡を追って、先を急いだ。しかし突然、砂嵐に襲われ、驚いたラバが逃げ出す。頼りの隊商の足跡はすっかり消されてしまっていた。砂漠に住むという悪霊を恐れ、先に進むことにしたものの、道に迷う二人。砂漠の中に立つ石造りの塔にたどり着く。
アフガニスタンのオアシス都市ヘラートにたどり着いたマルコ・ポーロ一行。反逆者たちの処刑を目撃した。当時、中央アジア一帯はモンゴル軍が支配していたが、根強い反発もあったのだ。一行は、モンゴル軍の指揮官カダックから宴会に招かれる。カダックが信頼を置く町の長老、ラシードも一緒だった。そこに突然、覆面の男が現れ、カダックめがけて矢を射る。再び弓を構える男を必死に止めたラシード。その目には涙が光っていた。
アフガニスタン北東部のヒンズークシ山脈。その山中にある谷バーミヤンは、かつて仏教の都だったが、のちにイスラム教徒に支配された。ここには、イスラム教徒でありながら仏像に魅せられ、谷を追われたハサンと、恋人ライラの伝説が残されていた。マルコは、バーミヤンの近くを歩いているとき、強い風に吹かれて帽子を飛ばされる。追いかけた先で出会った老婆にターバンを巻かれたマルコ。巨大な仏像の前で目を覚ます。
アフガニスタンを旅する途中、ニコロとマテオが熱病にかかる。やむなく野宿をする一行。オオカミに襲われそうになったところを、遊牧民の若者シグナンに助けられる。シグナンは、モンゴル軍に攻め込むときを狙っていた。父サイードが率いる部族に、兵に加わるよう命令したモンゴル軍が、弟アリーを人質に連れて行ったのだった。誰の支配も受けずに生きてきた遊牧民たちにとって、モンゴル軍の命令は受け入れがたいものだった。
アフガニスタンのバダクシャン地方に伝わる騎馬競技、ブズカシ。チャパンドゥーと呼ばれる騎士たちが、人馬一体となって激しい戦いを繰り広げる。マルコ・ポーロ一行は、ブズカシが開かれる町に立ち寄った。そこで“まぼろしのチャパンドゥー”のうわさを耳にする。マルコが乗馬の練習をしていたとき、白馬を巧みに乗りこなす青年が現れる。顔に大きな傷を持つ青年。旅のチャパンドゥーだったという父親を10年前に亡くしていた。
バダクシャン地方で静養したマルコ・ポーロ一行。秋が近づいていたが、先を急ぐため、パミールの山岳地帯に進むことに。真夏でも万年雪に閉ざされたパミール越えは、シルクロード最大の難関といわれていた。ラクダからロバや馬に乗り換え、旅に備える一行。出発の日、荷物の運搬人たちを怒鳴りつける男がいた。責任者のジャファティ。その態度が許せないマルコだったが、ニコロの指示で、ジャファティと旅を共にすることになる。
パミールの山岳地帯をようやく越えたマルコ・ポーロ一行。いよいよフビライ・ハーンの待つ元に入った。突然、一本の矢がマテオの顔をかすめ、シカをしとめた。矢を射ったのはエルデネという名前の少女。おてんばぶりに驚くマルコに、村までの競争を持ち掛ける。翌日、村では見合いの儀式が開かれた。参加はしたものの、途中で抜け出してしまうエルデネ。孤独なうしろ姿が気になったマルコは、エルデネを誘い、一緒に草原を駆ける。
マルコ・ポーロ一行は、中央アジアに広がるタクラマカン砂漠を東へと旅する。この巨大な砂の海は、旅人たちに“死の海”と恐れられていた。オアシスの町、ロプノールに立ち寄ったマルコたち。一人の老婆に、砂漠へ行ったまま帰って来ない息子に渡してほしいと、毛布を託される。再び砂漠を歩き出した一行。空には暗雲が立ち込め、突然の嵐が襲う。逃げ出すラクダを追いかけ、はぐれてしまったマテオ。マルコが探しに行く。
タクラマカン砂漠をようやくの思いで越えたマルコ・ポーロ一行は、トルファンの町に到着した。久しぶりにくつろぐ一行。そこに突然、ラクダの首が投げ込まれる。犯人を追うマルコ。しかし、顔を隠した謎の女性に止められる。ラクダの首には、マルコたちが元の都へ行くことをやめさせようとする脅迫状が付けられていた。単なるいたずらではない。町の総督に、早く犯人を捕まえてほしいと頼むが、マルコはその態度に不信感を抱く。
トルファンを離れたマルコ・ポーロ一行は、護衛のモンゴル軍に出迎えられ、旅を再開させた。モンゴル軍の先頭には、常に“天馬の旗”が掲げられていた。モンゴルの人々は、この旗にチンギス・ハーンの霊が宿ると信じていたのだった。関所を越え、一安心の一行。野営地では、和やかな宴が開かれた。しかしその夜、ニコロが襲われる。何者かが、聖なる油を盗もうとしたのだ。軍の隊長は、聖油のつぼを守るため“天馬の旗”で包む。
ベネチアをたって3年半、マルコ・ポーロ一行は、ついにフビライ・ハーンとの対面のときを迎えた。約束だったローマ法王からの親書と聖油は献上したが、キリスト教の100人の賢者を連れて来ることはできなかった。フビライの評価が気になる。次はインドの使者の番。黄金に塗られた丸太を献上し、削る方向によって不老長寿の薬にも猛毒にもなるという。見分けられる者を募るフビライ。皆が尻込みする中、マルコが名乗りを上げる。
当時、世界最大の国際都市だった大都。さまざまな国の人たちが集まり、宝石や真珠、絹など珍しい品が日々、運び込まれたという。モンゴル軍のコガタイに町を案内されたマルコは、見るものすべてに驚くばかりだった。そのとき、二人は何者かの尾行を受ける。それは、宮廷に仕える妖術使いの一味。マルコがフビライに気に入られることを、良く思わない者たちだった。ある日、マルコはフビライに呼びつけられ、ある命令が下される。
マルコの新たな旅が始まった。ニコロたちと離れ、初めての独り立ち。最初の目的地は、広大な中国の南西の端に位置する雲南地方のカラジャンだった。峠を急ぐマルコと従者。ティムという少年に出会い、関所まで案内してもらう。関所ではティムの父親、ゴディ将軍が待っていた。マルコを怪しむゴディ。しかしティムの計らいで、兵士が都近くの川まで送ってくれることに。案内に従い最後の川を渡り始めたとき、突然、大蛇が現れる。
マルコの次の目的地は、キンサイ。広大な中国の中でフビライ・ハーンがただ1つ征服できずにいた国、南宋の首都だった。城門では厳しい検問が行われていた。旅の記録を事細かに記していたマルコは、密偵と疑われ、ろう屋に入れられてしまう。ろう屋には一人の老人がとらわれていた。老人は、雁の群れを見ながら「あと三月で雁は元の都に渡っていく」と教えてくれる。マルコは彼が、フビライが南宋に遣わしていた郝経だと直感する。
南宋に捕らわれていた使者、郝経からの手紙を受け取ったフビライ。その暗示に従い、攻城戦に最も長けた武将、バヤンを遠征先から呼び戻した。さらに、南宋の堅固な城塞を一挙に粉砕する兵器の開発を密かに進めていた。バヤン凱旋の日、覆面の男たちが兵器工場に忍び込む。工場長カディフを気絶させ図面を奪った男たちは、行列めがけて弾丸を放つ。危うく難を逃れたバヤン。なぜか、カディフの首をはねると言ってきかないのだった。
南宋を滅ぼしたモンゴル帝国。ついに全中国をその手中に収めた。当時、宮廷には100人を超える僧が仕え、フビライからの厚い信任を受けていた。あるとき、帝国の行く末を占った僧バニエンスが、永遠の安泰のためには、南宋の王の墓を暴かなければならない、と進言する。しぶしぶ受け入れたフビライ。事の重大さから、密かにマルコを監視役として派遣することにした。命を受け、馬を走らせるマルコ。不思議な女性が道を遮る。
フビライの命を受け、揚子江のほとりに一人の老人を訪ねることになったマルコ。釣り人に道を聞いてみたが、はぐらかされる。その釣り人こそが、リュウショウだった。フビライは、かつて南宋の水軍参謀だったリュウショウから知恵を授かりたいと、都に呼び寄せるつもりだった。しかし、申し出は断られる。これまで99回、揚子江の氾濫を経験したというリュウショウ。やがて次の洪水が来て、自分は死ぬ。そうマルコに語るのだった。
東の海に勢力を広げようとしていたモンゴル軍。その拠点、ニンポーに立ち寄ったマルコは、コガタイと再会する。二人で海辺を歩いていると、人が打ち上げられる。定次郎というジパングの若者だった。黄金の国・ジパング。商人マルコの胸が高鳴る。コガタイが屋敷に連れていき介抱するが、一向に気を許さない定次郎。聞けば、マルコと同じ商人だという。船で取り引きにやってきたが、海賊に襲われ、荷と仲間を奪われていたのだった。
ジパングへの使節が処刑されたとの知らせを受け、フビライ・ハーンは2回目のジパング遠征を決意。コガタイも招集された。遠征当日、マルコとオルジェの見送りを受けていると、ワンチュウという男が言いがかりをつけてくる。彼は、モンゴルに征服された南宋の千人隊長だった。一路ジパングを目指す元軍。コガタイとワンチュウは船上で相撲を取り、互いの力を認め合った。ワンチュウは、戦うことへの戸惑いを打ち明けるのだった。
フビライは、モンゴル人の習慣に従って、季節ごとに住まいを変えていた。フビライが大都を離れていたとき、突然、宮廷にワンチュウが現れる。フビライの側近アクマッドに切りかかろうとするワンチュウ。コガタイに制止され、逃亡する。アクマッドは、権力を振りかざして数々の悪事を重ね、人々の怒りを買っていた。ワンチュウは妻と娘を奪われ、アクマッド暗殺を企てていたのだった。ある日、コガタイの妹、オルジェが姿を消す。
マルコ・ポーロ一行が元に来て17年。マルコはフビライの寵愛を受け、商売も大成功を収めていた。ある日、昔なじみの商人が、ベネチアの地図を見せにやってきた。故郷を懐かしむニコロとマテオ。マルコは年老いた父親たちをベネチアに帰らせてあげようと決意する。昔とは情勢が変わり、陸路は危険を伴う。早速、船を発注し、フビライに旅の許可を願い出るが、マルコにだけ許可が下りなかった。そんな時、運命的な出来事が起こる。
ザイトンの港を出発したマルコ・ポーロ一行。イル・ハーン国に嫁ぐコカチン姫を、王のもとに送り届けるという重要な使命を担っていた。ある日、乗組員たちが航海の無事を占うと、悪い結果が出てしまう。「女という魔物が乗っているからだ」と騒ぐ乗組員たち。コカチンは、制止も聞かずに自ら船底へ移って行く。さらに密航者が見つかり、懲らしめようとする乗組員たちをいさめるマルコ。先が思いやられる中、一行を激しい嵐が襲う。
インドシナ半島で栄えた王国、チャンバに立ち寄ったマルコ・ポーロ一行。宮殿では象の行進で迎えられる。象の前に飛び出す少海。踏みつけられるのではと一行は息を飲むが、あわやのところで象が足を止め、無事だった。王は「象が人を殺すのは、象使いが信頼を裏切った時だけだ」と意味ありげに言う。宴席で、王はカイという娘を紹介。1週間後、王の妻になる予定とのこと。しかし、カイには密かに心を通わせる人がいたのだった。
マラッカ海峡にさしかかったマルコ・ポーロ一行。座礁の危険がある岩礁地帯で立往生していた。地元の漁師に教えてもらったダボイという水先案内人に会うため、上陸したマルコと少海。市場で、トラブルに巻き込まれていた少女、チェンヨを助ける。少海は、泣いているチェンヨを心配して家まで送ることに。一人、先を急ぐマルコ。しかし、ダボイは前日に亡くなっていたことを知り、呆然とする。そこに、少海とチェンヨが現れる。
マルコ・ポーロ一行は、インドネシアのスマトラ島にたどり着いた。夜、停泊中の船に何者かが忍び込む。コカチンの母の形見、ランプが盗まれていた。開いていたのは小さな天窓だけ。人が通れる大きさではなかった。しかし侍女は、小さな人影を確かに見たというのだった。ある日、盗んだランプを骨董屋に売ろうとしていた青年が捕まる。騒動の謎を解く鍵は、密林の奥地にあるという。好奇心をふくらませたマルコ。自ら確かめに行く。
しばらくスマトラに停泊していたマルコたち。海に飛び込んで遊んでいた少海が、海底で宝石を見つける。宝石は川から流れ込んでいるようだった。島に渡り上流を目指したマルコたち。バタック族が暮らす村にたどり着いた。村長のラージャは、少海を見て驚くのだった。そこに村人たちがやって来る。気前よく宝石をまき散らすラージャ。マルコたちには理解できない行動だった。ある日、ラージャが、少海を養子にしたいと申し出る。
スマトラ島を出発したマルコ・ポーロ一行は、数か月に及ぶ苦しい航海の末、現在のスリランカにたどり着いた。ある日、船上からコカチンの姿が消えた。少海を連れて船を抜け出し、久しぶりの陸地を楽しんでいたのだった。二人は占いの老婆に会い、魔よけのルビーを渡される。この国では、宝石を外に持ち出すことは禁じられていた。しかしコカチンは、少海が止めるのも聞かず船に持ち帰ってしまう。そこに、兵士たちが捜索にくる。
スリランカを出航したマルコ・ポーロ一行。季節風にあおられ、南インドのコモリン岬に停泊することに。マルコは、ある寺院で奇蹟が起こるといううわさを耳にする。老僧ムハラハが、祈りによって寺を動かすというものだった。早速、行ってみることにしたマルコ。僧たちに招き入れられ、寺院を見学していると、突然、一人の少女がムハラハを襲う。シータという名の少女は、父をムハラハに殺されたと思い込み、恨んでいたのだった。
南インドのコモリン岬を出帆したマルコ・ポーロ一行。マラバール海岸の沖合で座礁し、食料と資材の調達のため、陸路カリカットの港を目指すことに。旅の途中、マルコたちは、巨大な石像を目にする。一人の男が13年前から掘り続けているものだった。男は、マルコたちがカリカットを目指していると知り、一軒の旅館を紹介してくれた。古びた旅館だったが、女主人は快く迎え入れてくれた。しかし息子のダナは、心を閉ざすのだった。
ザイトン港を出航して26か月、マルコ・ポーロ一行は、ようやくイル・ハーン国の港、ホルムズに到着。マルコの使命が果たされると思われたそのとき、意外な事実が知らされる。コカチンが嫁ぐはずだった国王アルグーンが、亡くなっていたのだ。アルグーンは「コカチンには息子のガザンと結婚してほしい」と言い残していた。コカチンの複雑な気持ちを察したマルコ。ガザンのもとへと急ぐことに。道中、謎の一団が一行に迫って来る。
フビライの死によって、元帝国の正式使節という使命を失ったマルコ。ニコロとマテオをベネチアへ送り届けたあと、再びフビライのもとへ戻る決心をしていただけに、大きなショックに打ちひしがれた。1295年、マルコたちは25年ぶりにベネチアの土を踏む。町は昔のままだった。我が家を前に心を高鳴らせるマルコたち。しかし、扉を開けたのは見知らぬ人だった。厳しい現実に直面し、マルコは東方への郷愁を募らせるのだった。
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