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阪神銀行頭取の万俵大介(中井貴一)は、銀行再編成が本格化しつつあるという情報を得る。一方、阪神特殊製鋼・専務であり大介の長男・鉄平(向井理)は原料を他社からの供給に頼る状態から脱却すべく、自社での高炉建設という大事業に乗り出す決意をし、その巨額融資を父・大介に依頼する。だが相談を受けた大介の胸中に浮かび上がるのは、時代の荒波の中、生き残りを懸けた壮大な野望と、息子・鉄平に対するある疑惑であった…。
相子(内田有紀)の働きにより銀平(藤ヶ谷太輔)と関西財閥の重鎮でもある大阪重工・社長の令嬢、万樹子(吉岡里帆)との縁談が進む。大介は大蔵省官僚で娘婿の美馬(要潤)に合併のために必要な機密資料を大蔵省から持ち出してほしいと頼む。一方で鉄平は元通産大臣で義父でもある大川(永島敏行)の援助もあり通産省から高炉建設の許可が下り夢への第一歩を踏み出そうとするのだが、そこに大介が立ちはだかり……。
大介は預金順位をシングルにするべく、全国支店長会議で1兆円預金獲得の大号令を宣言。大介の期待に応えるべく池田支店の角田(相島一之)らは昼夜問わず融資調達に勤しむ。大介は資金内容を良くしておくために阪神特殊製鋼への融資削減を決定、それを知った鉄平は大介に再考を懇願するが聞き入れてもらえず衝突する。一方、次女の二子(松本穂香)はアメリカから帰国した一之瀬四々彦(工藤阿須加)と再会し、心惹かれていく。
阪神銀行から融資削減をされた鉄平はその補填分をサブバンクの大同銀行・頭取の三雲(石黒賢)に依頼。三雲は旧知の仲である鉄平のために増額を承諾。ついに念願の高炉建設の日を迎えるのだが、鍬入れ式に現われた大介は浮かない表情でいた。一方、銀平と万樹子の結婚式が華やかに行なわれ、晴れて万俵家の一員となった万樹子はある日大介と寧子(麻生祐未)の寝室をのぞいてしまい、万俵家の秘密を知ってしまう。
大介は、阪神銀行・常務であり東京事務所所長の芥川(高嶋政伸)から産城銀行の妙な不正融資の噂を耳にするのと同時に、永田大蔵大臣(石坂浩二)との会食で産城銀行と平和銀行に合併の動きがあることを察知。両行の合併をつぶすべく東京事務所の行員・通称忍者部隊に工作活動を指示する。そんな中、阪神特殊製鋼の鉄平のもとに大口取引先アメリカンベアリング社から取引を一時停止したいという連絡が来て……。
大みそか。万俵家は例年通り志摩観光ホテルで年越しを過ごす。翌日、キジ狩りに行く大介たち。いまだアメリカンベアリング社への輸出再開のめどが立たず思い悩んでいる鉄平。そんな鉄平の眼前に1羽のキジが飛び立ち鉄平は反射的に引き金を引く。銃口のその先には大介の姿が……。一方、寧子は37年前の、鉄平の祖父・敬介との過去を思い出し沈鬱な表情を浮かべていた。
五行連合の初会合に出席した芥川はたたき上げの大同銀行の専務・綿貫(六角精児)が日銀出身の三雲頭取を快く思っていないことを知る。大介は合併候補を探るために綿貫のことを気にかけておくように芥川に指示。そんな折、阪神銀行に大蔵省の銀行監査が入る。大介の前にベテラン検査官・法華(マギー)が現われる。一方、万樹子の妊娠が発覚。うれしい気持ちで銀平に打ち明ける万樹子だが銀平から返ってきた言葉に絶望する。
大介は資金繰りに困る鉄平とつる乃家で会う。鉄平から大同銀行の三雲頭取が高炉建設に懸ける強い想いを聞いた大介に電撃が走る。その瞬間、大介の中の大いなる計画が動きだす。大介はすぐに芥川に大同銀行専務の綿貫と会う段取りを組むよう指示。一方、阪神特殊製鋼では高炉完成を急ごうと突貫工事に踏み切る。が、高炉建設現場で爆発事故が発生し……。
阪神特殊製鋼の高炉爆発事故は死傷者多数の大惨事となった。マスコミや犠牲者遺族から責任を追及される鉄平。一方、大同銀行では今後の阪神特殊製鋼への融資について緊急会議が行なわれ、継続するのはリスクが高く様子を見るべきだという綿貫ら生え抜き派と方針を変えず阪神特殊製鋼へのバックアップを続けるべきだという三雲ら日銀派の対立が深刻化していた。それを聞きつけた大介は綿貫を京都に呼び出す。
阪神特殊製鋼の財務調査の結果が大介と三雲に伝えられる。経営の立て直しは限りなく困難であることと同時に、融資比率がメインの阪神銀行よりも大同銀行の方が多くなっていることが明らかになる。これは、大介の計略の一手であったが、実行した経理担当銭高(甲本雅裕)は自らの判断だったと大介の関与を認めない。一方の大介は“小が大を食う合併”の最終段階として、佐橋総理大臣(伊武雅刀)に会いに行く。
ついに阪神特殊製鋼が会社更生を申請。鉄平は大介が阪神特殊製鋼を意図的に経営不振に陥れ、それには鉄平自身の出生が関わっているのではないかと詰め寄るが大介はそれに対し激高する。鉄平は大介が自社への不利益行為を行なった背任を告訴すると宣言。大介はそれに対しすぐさま策を打つ。しかし、それはあまりにも非情なものだった。一方、鉄平は大介から与えられた家を出ることを決意。鉄平は寧子に会いに行き自らの出生を問う。
大蔵省に呼び出された三雲は永田大臣(石坂浩二)から阪神銀行との合併を勧告される。すでに綿貫を通して大同役員の半数以上を掌握していた大介。役員会では三雲に合併に賛同する連判状がたたき付けられる。すべては、大介の計画の通りになった。ここに“小が大を食う合併”が成し遂げられる。その知らせは鉄平にも入り……。すべてを手に入れた男、万俵大介。彼が失ったものは一体何か。欲望の果てに訪れる、慟哭の最終話。
中井貴一と向井理、内田有紀、前作の北大路欣也とキムタク、鈴木京香にはるかに及ばす。山本耕史と目黒蓮もそう。演技というより監督と脚本なのかな。連続して見てるせいもあるのかもしれないが、全くドキドキせず…
このレビューはネタバレを含みます
当時は木村拓哉の鉄平がすごく良かったと思ってたけど、向井理の鉄平の方が断然いい!北大路欣也の迫力には負けるがさすが中井貴一。豪華キャスティング。ただあのお金のかけ方とドッシリ感じる重厚感は全く敵…