フランスの女性監督ネリー・カプラン（1931-2020）最後の作品。

かのドン・ファンの末裔という好色男・文学者のビューラドールが、とあるきっかけで南国の孤島で優雅に暮らす三世代の女性一家の13歳の娘フロの家庭教師に雇われることになるお話。

当のフロが外国からなかなか戻って来ない中、3人の妖艶な女性を魅了してるつもりのビューラドール（ピエール・アルディティ）の滑稽&愚かな顛末が見どころのフェミニスト作品です。

植民地/コロニアル風の古びた屋敷。
ドー（フランソワーズ・ファビアン）、その娘クロ（ドミニク・ブラン）、その娘ジョー（セシル・サンス・デ・アルバ）の魅力。
風変わりな召使い、一家の父親代わりの医者、品のない公証人といった男性陣や、ビューラドールの部屋の壁にあるロバの頭部（剥製）などのシュールな要素も面白い。

ひとりの男が三人の女を弄んだのではなく、三人の女が一人の男を共有していたという主体性の絶対的な違い。女たちが暇つぶしのように男を翻弄して遊んでいる話。

女性主体というのはいいんだけど、架空の13歳の少女に夢中になって土地をのっとろうとするドンファンきもすぎて無理になった