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悲しみはいつも母に
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『悲しみはいつも母に』に投稿された感想・評価

アノ
1.1
ちょっと凝った画があろうがこんな醜悪な話で進められたら、たまったもんじゃない。
望月優子・山田幸男主演。貧しい境遇の中で不良になってしまった息子。息子は、母から金を搾り取り、とことんいじめ抜く。大島渚の『青春残酷物語』と木下惠介の『日本の悲劇』『太陽とバラ』が合体したようなやりきれない世界だ。息子が不良仲間と遊んだりカツアゲしたりする様子と貧しい母親が真面目に働く様子をスプリットスクリーンで描くあたりは、痛ましすぎて本当にこの世の地獄よう。母子を取り巻く社会も丁寧に描いてある。
「粘土のお面より かあちゃん」のスタッフが集結。原作は西村滋に代わったため、子供の視線ではなく、長男役の山田幸男がほとんど出ずっぱりで毒をまき散らす。家族を食い物にするバカ息子だが、実際にこういう奴がいるから、過剰なキャラクター設定ではない。母親と息子の間にワンクッション欲しいところだ。「粘土のお面より かあちゃん」では伊藤雄之助の存在があったが、本作では父親がおらず、妹の大空が間に立つが、これが兄にひどい目に遭わされても、よくわからない立場にいて、居心地の悪い、不思議な存在。
黒澤治安の美術が本作でも活かされている。ガラス窓の家の外壁をなめるように横移動するカメラ。「赤い波止場」(58)(撮影姫田真佐久)に、同じようなシーンがあるが、優劣に関係なく、どちらも印象に残るシーンだったので思い出したのだ。
国立映画アーカイブにて

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