ドラマチックな出来事は訪れず、淡々と別れがありそれでも元気に仕事を探さねばならない、と結構厳しいラスト。爽やかに青空で締めたりはしてみるけれど。
千葉早智子と赤木蘭子の矢継ぎ早にカットが変わる切り返…
総じて千葉早智子を歩かせ続ける脚本と見受けるけど、その歩く様が例えばバーで先に待っていた客人を遮るまで、あるいはモブが画面奥から手前まで直進する様子を遮るように挟まれたり、単線的ながら舞台上の何かを…
>>続きを読む『朝の並木路』(1936)成瀬巳喜男 監督、脚本。「あしたのなみきみち」と読む。前作『君と行く路』にかけたタイトルで、PCLの看板俳優で手短に作った感じだが、当時の東京やカフェ文化が見られて、そこは…
>>続きを読む上京物語の始まりは上野駅の京成聚楽から。ひとり上野公園で決意を固めた早智子のいる画面に侵入してくる柳谷寛。最初から不穏。白金にある女給文化を鮮明に映し出す。今のコンカフェと地続き。秋子と富士子の百合…
>>続きを読む小津調の完成品「一人息子」と同年、成瀬巳喜男監督は本作によって成瀬調と呼ぶべき完成品に仕上げた女の劇場の傑作。女学校出の22歳田舎娘千葉早智子が上京し、同郷のカフェ女給赤木蘭子の部屋に同居、懸命に職…
>>続きを読む千葉早智子(千代)
御橋公(父)
山口ミサヲ(母)
清川玉枝(カフェのマダム)
三島雅夫(その旦那)
赤木蘭子(村井久子/女給[茂代])
伊達里子(光子/女給)
清川虹子(房子/女給)…
上京し腰掛けで女給をやる主人公とサラリーマンの、プラトニックな短い交流。
男がもしも犯罪者で心中を持ちかけられたらどうしよう!という主人公の妄想に力が入っていておりおもしろい。
女給なんて、という…