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カフネ
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目次

カフネの作品紹介

カフネのあらすじ

高校三年生の瀬川澪は、彼氏である遠山渚との間に子を妊娠する。澪は妊娠したことを渚や家族に打ち明けられずにいたが、たった一人、親友である峯田夏海には話すことができた。澪は、様々な困難に直面しながらも、今まで言葉にしてこなかった気持ちを伝えるために、渚の元へ向かう。この街に生きる彼らの、これまでと、これからを繊細に描く。

カフネの監督

杵村春希

原題
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
66分
ジャンル
ドラマ恋愛青春

『カフネ』に投稿された感想・評価

4.2
淡い映像と重いストーリーがマッチしていて、最初から最後まで飽きずにじっくり見れる作品。個人的にはかなり好き。
こういう邦画がもっと量産されていけば、少しは日本映画産業も豊かになっていくと思う。

ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか?
KUBO
4.0
11月12日[日] ベルブホール
【D-3】TAMA NEW WAVE ある視点―Vol.3―

「私を幸せにする」なんて、誰かが決めるもんじゃない! いい台詞だ。

冒頭、海沿いの道を走る自転車に乗った澪を、港を出ていく漁船越しに追う。アングルが凝ってるなぁ。

引きの絵が美しい。最近、テレビドラマのような寄りの絵が多い中で、映画館のスクリーンで見ることを意識した引き絵の構図がうれしい。

この監督は表情で語らせるのが上手い。私の好きな入江崇史さんの出番で、いつまでも喋らないから「台詞ないんかい!」とか思ったが、これは入江さんと監督との無言の表情の方が雄弁であるという演出なのだ。

私が一番好きなシーンは、後ろ姿の彼氏を挟んで、澪と親友の夏海がこちらを向いて話すシーン。澪と彼氏の会話に反応する夏海の目が印象的だ。

高校生の妊娠というテーマは、古くは『金八先生』の時代からあるが、実際に教師である私は、教師の立場から、あるいは親の立場から、さまざまに共感しながら見た。

教科書のようなきれいな終わり方でないのが良い。もう男はいらないのかもしれない。女性は強くなった。

だが、待ち受けるさまざまな試練は明らかで、澪の明日を見守ってあげたくなる。

山本翠佳、松本いさなの好演が光る。

心温まる良作。

#杵村春希(監督)
#山﨑翠佳
#松本いさな
#木下隼輔
#澤真希
#渡辺綾子
#入江崇史
1234
5.0
監督と縁あって、
初日にポレポレ東中野で観て参りました。

杵村監督と脚本の千葉美雨さん、
これが当時二十歳前後の初作品だというのだから、驚きです。

短い映画なのですが、
観た後はとても素直に作られた印象を受けますし、
重くなりがちなテーマなのに
枯葉一葉の気負いも感じさせない。

ドラマチックな段差は無くて、
平坦でまっすぐな道のりなのに、
ほんのひとことが命取りになるような、
命懸けな展開がある。

ほんとうに、ともだちの家族に起きている出来事を、覗き見ているような感覚になり、終始、真摯に観ることができました。

必要最小限の予算で
最大限が引き出されている映画として、
上澄みから余計なものが沈澱した、
ほんとうに質の高い作品だと思います。

またアングルが素晴らしい。

熊野の閑散とした漁港が舞台なのですが、
通常の監督ならば、主人公の女の子たちの心情に寄り添うように、寄って撮るところですが、
ラストシーンに至るまで、山や海を前に人がマッチ棒のように見えるよう遠くから撮っている。
堤防のシーンなどは観た後、ずっと残ります。

もしかしたら意図はしていない構図なのかもしれませんが、広大な「なにものか」のなかのほんの一部なんだ、と気づく構図に見えます。

観客が、登場する「人」に固着しないよう、細やかな工夫が随所に見受けられました。


お話のテーマとしては
「大人になる」という
シンプルなテーマだと思います。

しかし、多くの人がこのシンプルなテーマに挫折を味わい、生涯苦しむのではないでしょうか。

「大人になる」には、
二つの道が用意されているように思います。

ひとつは、文字通り「大人になる」道。

「責任を持てるようになる」、とか
「養えるようになる」、とか
大人になる“資格“を、
外部から得ようとして、
「早く大人になりたい!早く大人にならねば!」と自分や他人をせき立てる道です。
「大人になる」ときくと、
まずこの道筋が思いつくでしょう。

しかし、もう一つ、
「子どもではなくなる」
という大人のなり方があるのではないでしょうか。

「もう、わたしは子どもではない」
これは外部ではなくて、
自分の内部から汲み上がってくる、
ある種の気づきのような大人です。

男の子は「大人になって迎えに行くから、
待ってて欲しい。」
と女の子に告げます。

(まったく説明はないのですが、
立派な一軒家で学校行かずに受験勉強(のフリ?)する男の子と、
不登校の息子に対して口数少ないがどこか高圧的な母親で、
きっと離婚したけど裕福な家で、何か継ぐ稼業があるのかも、とわかります。
この辺もまったく説明ないところが、とても心地よいです。)

それに対して女の子は
「わたし、先行っちゃうね」
と返します。

あの画面いっぱいの端から端の、
両端に立った二人は
まさに、
「大人になろうとする」男の子と、
「子どもでなくなった(ことに気づいた)」女の子が対峙しているシーン🎬なのだと、わたしは感じました。


もう少しだけ踏み込むと、
これは映画作りにも当てはまる話ではないかと思うのです。

「これさえあれば立派な映画(大人)になるのに!」とか、
「これがまだ足りないから、映画(大人)になれていない!」とか

「大人になるためには、
こうしないといけない」

と、映画を作る側も、
観てレビューする側も考えがちです。

まだ見ぬ「大人」を追い求めた挙句に、
目の前に広がる亡骸の群れにすら気がつかない。
そんな自称「映画人」が、
映画や己が人生を、
単なる消費物に堕していないでしょうか。

しかし「子どもではなくなる」という
映画の作り方がある。

この『カフネ』という作品は、
学校の教室での台本の無い会話が、
そのまま延長して出来ているような作品です。

観ていると「映画を撮っている」
というよりも自分はどこか未熟なままに、
「映画に撮らされている」ような印象を受けるのです。

「大人になる」のではなく
「子どもではなくなる」撮り方。おっかなびっくりと、だけど代わりに無駄なものがない。


なかなか映画が出来ないな、と思うとき
「映画が作れないんです!」とふつうは考えます。

しかしそこで、
「果たして自分は、映画がやってきてくれるほどの人であろうと、してきただろうか?」と考えてみたとしたら。

自分はいままで何もせずに、
ただ願ってきただけではないか、と考えてみたなら。

映画を作る、とはじつは、
「あの人になら、映画になってあげてもいい」と、
“映画のほうが作り手を思いつく“ということではないでしょうか。

「この作品は、まるで何かに撮らされたようだ」と、
観客として感じる理由はここだと思います。

作家の平野啓一郎さんが、ご自身の作品の中でこう述べています。

“「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか。」“
(「マチネの終わりに」より)


こうなろう、こうしよう、
という作為はもちろん大切だと思います。
しかしそこでいじっているのは、未来ではなくて、過去かもしれない。

いかにして過去を毀損せずに、
そっと映画に写しとるか。

他人が作った自主映画をなぜ観る必要があるのか。
感じやすく消えてしまいがちな、
その人が大切にしている過去が、
どのように写し取られているかを観るためだとわたしは思います。

映画とは、観る人たちが持っている、まだいちども現実になったことのない過去を、
優しく呼び覚ます手段なのではないでしょうか。

すべての人は、いまのその人の過去で出来ているからです。

この所作を監督は、
『カフネ』と名づけたのではないかと思います。

この短くも真摯な『カフネ』という映画をご覧になれば、誰もが「映画作り」の新しい原点を感じることができると思います。

現時点では、東中野ポレポレと
関西ではシアター7でのみの上映ですが、
わたしは自信をもっておすすめします。

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