昨年のTAMA NEW WAVE ある視点部門で上映された『めためた』が一般公開されたので行ってきました。

なんだか不思議なパワーに溢れた映画。

夫に捨てられ長い間シングルマザーだった母親の突然の若い男との結婚宣言。

夫が無精子症かもしれないカップルの不妊治療。

そして元カノと今カノの間に挟まれて、逃げまくる作家。

みんなどうしたらいいのかわからない、追い詰められた奴らばかり。

煮詰まった作家の追い詰められた日常が炸裂する「新井パート」に大笑い。

シナリオを固めずに、俳優の個性とその場のテンションで生まれた芝居を収めたナマモノ感がある演出がおもしろい。

主演で脚本の鈴木宏侑さん。次回作は自分で監督して「もっとぶっ壊す」と言ってるけど、どうなることやら。おもしろそうだ。

やり取りの中で明らかになる齟齬とそこから生まれる気まずさ・修羅場芸。

上映前に予告が流れたホン・サンス作品との親和性の高さが強く感じられて、個人的には良い導線として機能しちゃってた。

strangerは商売上手である。

せっかくクリスマスやからば早く帰れたら「ホームアローン2」でも観るかぁ！思っていたのに……なんやかんや忙しくて帰ったら飯食って寝るだけ、みたいな感じやったからば、苦虫を噛み潰したような顔で「宇宙にたった2人」と同時上映やった本作のレビューを書いているよ！スンスン

作家がスランプなったよ！って話

ある程度の流れだけ決めてあとはアドリブっつ〜エチュード映画、意外とエチュード映画って撮られてるん多いし、マシンボーイも好きな作品結構あるけど……本作はエチュード以外にも面白いことに挑戦してはいると思うが、決してクオリティ高いとは思えなかったなぁ、自分の役と妹の役の名前間違えてそのまま続行とか……ナメてるだろ？

マシンボーイの好きなエチュード映画と言えば……「96分間 怒りの暴走親父」や「アナあき姫殺人事件」といった越坂監督作品はくだらないに全振りで低スコアつけながらも嫌いになれないし、「無限ファンデーション」は実力派若手女優達の素晴らしさにアタフタできる良作、昨年の「ハッピーエンディングス」を観に行けてないのはマシンボーイの不徳の致すところ……
んじゃ本作は？と言えば、ドラマを描きたいんやけどエチュードやから多少の粗は勘弁してくれよね！っつ〜「96分間 怒りの暴走親父」にも「無限ファンデーション」にもなれない中途半端さで、アドリブならではの無茶なドラマ展開されても、ポカンとするしか出来なかったよなぁ、これが小劇団の練習風景ならあの無茶苦茶な三角関係にもなんも言わんけども……

1番良かったとこは……舞台挨拶でのとても仲の悪そうな監督と役者たちの様子ですかね？撮影風景撮ったドキュメンタリーの方がよっぽど痺れる展開ありそうやぜぇ！