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あの夏のアダム

あの夏のアダムの作品紹介

あの夏のアダムのあらすじ

2006年。全米レベルで同性婚が合法化される10年近く前、黒人大統領の登場がまだ想像し難かった時のアメリカ。ぎこちない思春期を生きる高校生のアダムは親から逃れ、姉のいるニューヨークで夏休みを過ごすことにした。レズビアンの姉ケイシーとともに初心なアダムは都会の刺激的なレズビアンやトランスジェンダーの人々の運動やカルチャーに足を踏み入れる。そして、そこで出会った年上のジリアンに一目惚れ...!しかし、アダムは彼女からトランス男性と勘違いされてしまう。訂正する機会を逃していくうちに関係は深まり、ブルックリンのクィアコミュニティでの経験も増やしていくアダムの状況は、どんどん複雑になっていく。

あの夏のアダムの監督

あの夏のアダムの出演者

原題
Adam
製作年
2019年
製作国
アメリカ
上映時間
95分
ジャンル
ドラマコメディ

『あの夏のアダム』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.1
 2006年、ロサンゼルス。大好きな彼女にフラれて心ここに在らずな鬱状態の高校2年生のアダム(ニコラス・アレクサンダー)は母親に鬱状態を忠告されおかんむり。レズビアンの姉ケイシー(マーガレット・クアリー)に電話すると、夏休みの間だけニューヨークに来ないと誘われる。童貞を卒業するにはこのタイミングしかないと「ここではないどこか」を夢見た彼は、姉と同居人たちとが暮らすシェアハウスの住人となる。2006年においてはLGBTQIA+の発展はLAよりもNYだったのかは知る由もないが、シスヘテロだけが唯一の世界線だと考えていたアダムの前にもはや理解不能の人種が多数出て来て、彼はその全てに戸惑う。ニューヨークの洪水のようなカルチャーではなく、彼自身はセクシュアリティや多様性の在り方にショックを受ける様が妙に素晴らしい。同じアメリカでも性の在り方にこんなに差があることに彼の若い感性でも追いつかない。レズビアンの姉とともに、都会の刺激的なレズビアンやトランスジェンダーたちの運動とカルチャーの世界に足を踏み入れる。そこで出会った年上のジリアンに一目惚れするアダムだったが、彼女の前で本当はシスヘテロなのに、トランス男性だと嘘を付くのだ。

 好きな人に付いた嘘でにっちもさっちもいかなくなるというのは恋愛群像劇の定型だが、一刻も早く童貞を卒業したいアダムは大好きなジリアン(ボビー・サルボア・メネズ)に対して平然と嘘を付いてしまう。悲劇のような喜劇だ。もしも彼にLGBTQIA+への理解があればトランスジェンダーだと嘘を付けるはずなどないとわかったかもしれないが、ヘテロセクシュアルなコミュニティとの明確な住み分けを持ったある種のドレスコードのある集まりに参加したアダムをジリアンが一目で見抜けなかったのも無理はない。ジリアンはこれまでの人生の中でヘテロセクシュアルな人と一度も愛し合ったことのないLGBTQIA+であるということが、アダムの罪悪感に拍車を掛ける。とはいえペニスバンドを付けて彼女の絶頂に達する表情を見るだけの17歳の心情とはいかばかりか。とはいえ相手が自分を好いてくれているか否かでしか悩む必要のなかった20世紀の恋愛映画の世界線はすっかり消え失せ、外見で男性・女性を見分けるには飽き足らず、それぞれの属性まで微妙にリサーチしなければ応答しない21世紀の世界線の恋愛映画と言うのはいやはや大変で、2006年の物語だから17年後のモードも観てみたい。アダムとイーサン(レオ・シェン)の友情も泣ける(海の向こうはそりゃニュージャージーだよ)。ドラマ『Lの世界』の劇場版のような青春群像劇だが、新鮮で新感覚。
今のところイメージフォーラムで1週間限定上映(4月22日〜4月28日)!

限定上映ってのが勿体無いっていうか、全く不釣り合いなほどの良い映画!

これだけの材料を(バカコメディにすることもなく)甘酸っぱいひと夏の青春映画にしてることが奇跡。

*****

面白かったぁ。

田舎の高校生男子アダムが、レズビアンの姉の住むニューヨークでひと夏を過ごす。
のびのびとクィアカルチャーを楽しむ姉にひっぱられて、自身も大人の階段を登るべくビアンやトランスのコミュニティに潜入していく。

すると、アダムはあるレズビアン美女(ジリアン)に一目惚れ。
さらにジリアンはアダムのことをトランス男性だと勘違いし好意を持ち、訂正する機を逸し(ていうか嘘ついたよねついたよね気を引くために)、
ビアンとトランス男性というカップルとして付き合い始めてしまうが。。。

というスタート。

*****

色んな属性を持った人物(主に女性)が出てきて情報量は多いし展開もいっぱいあるんだけど、
難解ではないし、
全体として甘酸っぱい青春映画になっているところが、
何度も言うけどビックリなんです。。

色んな属性出しときゃいいんだろ感がない。
あらゆるところを丁寧且つ端的に拾い上げて、
しかも説教くさくなく教科書的でもなく、
さらにドッキドキするようなオトナな描写もバンバン入れてきて、
結局は青春映画なんですよ。。
こんなことできます????

できたんだよね。

*****


監督は、Amazonプライム製作のドラマ『トランスペアレント』のプロデューサーで自身でも映画制作を続けてきたリース・アーンスト。

リース・アーンスト自身もトランス男性。

原作はドラマ「Lの世界」で脚本を担当したこともあるアリエル・シュラグ。
このふたりが原作をさらにアップデートさせ、「現場のスタッフの50%をトランスの人たちでした」というほど気使いまくって気合い入りまくった作品。

*****

原作読んではいないんですがどうやら〝挑戦的〟なものだったらしいんです。
(映画ではだいぶ調整&アップデートしたとのこと)

原作の表紙のデザイン↓。
https://www.salon.com/2014/07/07/dallas_buyers_club_drives_me_crazy_ariel_schrag_on_chronicling_queer_life_through_a_straight_mans_eyes/

主役の男子の名前がアダムでリンゴ。
ヘテロのシス男性が色々学んでやっと本当にアダムに…みたいな意味かな。

それはいいんですけど、、ま、、このリンゴのデザインね。。
生命誕生の源といいますか、、女性性の強い、なかなか思い切ったビジュアルであることは間違いないかと。。

*****

この映画が教科書的でもないし説教くさくもない、とても複雑であいまいな、
しかも「2006年のニューヨーク」という、今よりももっと当事者自身も混乱していた〝居心地の悪い〟時期を描いている映画。

95分の映画だけど、観た後それ以上に考えさせられる映画だし、それは映画として素晴らしいものだと思います。

が、
それは同時にとても危険なことで映画の中のある部分を切り取って炎上するポイントも多い、ということになってしまう。

まさにアメリカでは「観てもいない人たち」によって大炎上したとのこと。。

それくらいセンシティブなことを扱っているし、
それくらいトランスの人たちが現実世界で苦しんでヒリヒリとした気持ちで暮らしているということでもあると思います。

僕は「この映画はそうではない!!!」と言い切れる立場にないのですが、
この映画が当事者を含めた多くの観客に見られ語られることで
観てもいない人たちからのマイナス評価だけではなく
映画を95分観た正直な感想が増えたり
多く論じられることで「『あの夏のアダム』の価値」を観客たちが見出していけるような状態になったらいいなぁと願います。
sashaice

sashaiceの感想・評価

4.0
イメージフォーラム2週間限定上映✨滑り込みでほぼ満席でした。今では珍しくないけどLGBTQIA+に本気で発信してる珍しい作品。かなり面白かった!トランスジェンダーコミュニティの闘争を描くなかなかの痛快ラブコメディ👩‍❤️‍👨シスの男がレズビアンに恋?!まだLGBTQの認知度が低い2006年が舞台。近いように見えて遠い。社会に媚びない、迎合しない遊び心満載の作風が素敵。普通ってなんなの?主流って偉いの?を微細に感じ取れる巧妙なユーモア。

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