新聞の連載漫画「マーヴィーラン」の作者である気弱な青年サティヤ。ある事故がきっかけで“天からの声”が聞こえるようになり、その声に導かれ苦しむ人々を助ける勇者となり、“死神”悪徳政治家と対峙していく。
タイトルやあらすじからは想像できないほど、住宅問題や選挙をテーマとした“社会派”な作品。と言っても、シリアス一辺倒でなく適度なユーモアでコチラをクスッと笑わせてくれる、とても上手い脚本。監督のマドーン・アシュヴィンは、あのヨギバブちゃん主演で今作と同じく選挙やカーストをテーマとした社会派作品「マンデラ」を撮った人なので、シリアスとコメディの絶妙な塩梅のバランス感覚はさすが👍って感じ。
主人公サティヤの、“牛歩”並の遅さだけど徐々に“勇者”へと覚醒していく姿にグッとくる。その間、挫折するところもあったりしてそれが余計に引き立っていたし、ミドルクレジットシーンも含めたラストの展開はホント泣けてきた😭。それと、最近のタミル・テルグ映画には欠かせない名脇役スニールの、あのキャラクターも魅力的。
「実在の政党や人物に似ている人がいても、それは単なる偶然の一致です」という冒頭のテロップに爆笑🤣。
そして、今日もヨギバブちゃんのコメディリリーフっぷりにしっかりと癒された☺️

• #2025劇場とらキチ
• #インド魂

【漫画の神が降りて来る、まー知らんけど】

原題「MAAVEERAN」はタミル語で”偉大な勇者”っちゅー意味。
これは新聞の連載漫画のタイトルで、主人公はそのゴーストライター。
主人公本人はアカンたれの事なかれ主義なヤツなんですわ。
ひょんなことから、こいつに天の声が聞こえるようになりまんねん。
それが、まるで漫画のト書きみたいな説明調の声で、すべてを見切って主人公を導くんですわ。
臆病もんの本人の意思と違ごうて、漫画の主人公マーヴィ－ランと同じようになってまう。
そのギャップがメッチャおもろい。
悪徳政治家とその取り巻きたちをやっつけるヒーローに泣く泣くなってまうんです。

乗っ取られヒーローゆーたら、それこそ「ヴェノム」でんがな。
あちゃらは悪役ヴィランやし、お互いさんのコミュニケーションが成り立ってはる。
でもな、マーヴィーランの上からの声は一方的やし、ヒーローとして動くんはおのれ次第。
あれは、やっぱり漫画の神さんなんやろか。
よー考えられたお話でんな、まー知らんけど。

気弱な漫画家であるサティアは気の強い母が起こす騒動を収める毎日に必死な生活を送っている。そんなある日、彼らの住む地域が開発対象となり、一家は立ち退きを余儀なくされる。新たな住居として提供された高層マンションに喜んでいたのも束の間、そこは悪徳政治家ジェヤコディ一派が仕切る手抜き工事で建てられた欠陥住宅だった。

気弱な主人公が自分の書いている漫画の主人公が憑依し巨悪に立ち向かっていく痛快リベンジアクション！！

久しぶりにインド映画を観たけどこれはアタリでした！！冒頭から大人数で迫力のあるダンスシーンが観れて既に満足度は高かった！！やっぱインド映画はダンスしてなんぼ！！物語のボルテージも良い具合に上がって最高だった！

ただ主人公が覚醒するまでが少し長く感じました。それでもインド映画特有の長尺を活かした展開が功を奏していました。序盤から中盤にかけてしっかりサティアが伝説のヒーローになるまでの下地を作り上げてくれたからこそ終盤のアクションシーンの追い上げはめちゃくちゃ刺激的でかっこよかった！！

サティアが自分にしか聞こえない声というのが結構特殊で、ほぼ未来予知的な能力で敵の攻撃を予測して主人公に語りかけるという物。この設定がこれまた面白くて、サティアの身に危険が迫った時に瞬時に語りかけてくるからサティアが声のお陰で無敵&無双状態になるから、相手がどんな人数でどんな立場の奴だろうと安心感が半端なかったです！！

サティアのお母さん、めちゃくちゃ気が強くてもし自分の母親だったらと思うと最悪でしたww。でもあれ程愛のある鞭がある人はそうそう居ないと思いました。でもその鞭が故に息子を想う気持ちなどが垣間見えてくるから終盤ら辺は一気に母親の強い愛情という素晴らしい物を観れた気がしました！！

スーパーマンと同日に公開された今作は既に最寄りの劇場ではもうそろ上映が終わってしまうとの事で、滑り込みで映画館で観れて良かったと思ってる。この作品もスーパーマンとはまた違うけど、1人の人間としてはたまたヒーローとしての存在意義などを問いかけてくるから何だかんだいってれっきとしたヒーロー映画だと思いました！！

アマゾンプライムが制作側に付いている作品なので恐らく配信されるのもそんなに遠くはないと思いますので気になった方は是非！！✨