果たして前後の繋ぎ目が通じたか否かはここでは議論されず、強引にスクリーンに照射されたマリの足取りに気を向けた人々による静かなアンサンブルが始まる。中島歩さんも成田結美とフミコ(松田弘子)を追った縁側のバック・ショットは素晴らしかったと絶賛されたが、あの場面の猫的な身振りには不意に驚く。人間であることを忘れたような猫的な振る舞いは極めて異色で、今後の可能性を観た。この日のトークショーで中島歩さんはもはや物語映画の物語に興味はないと言い、高野徹監督の実験的な映画作りを言葉を選びながら肯定する。ホン・サンスの影響で撮られた1話の話を聞いて、僕はミュージシャンではないがと言ったものの、YO LA TENGOの音楽に創作意欲を掻き立てられるというクリエイターズ・モチベーションの話、そして物語から作るタイプの映画ではなく、意図されぬ偶発性から着想される物語もまた映画であるという非常に熱を帯びたトークショーだった。