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記憶の居所
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目次

記憶の居所の作品紹介

記憶の居所のあらすじ

看護師として他者の死に慣れてしまった唄(山下リオ)は、疎遠になっていた母の死の報せを聞き故郷へ。いっぽう、美術館で出会った男(サトウヒロキ)と女(橘舞衣)は月夜の中をプロヴァンスへと向かって車を走らせる。そして、一人の少女がまだ名も無き音楽を奏でるとき、また一人の少女はその姿を夢中になって見つめている......。

記憶の居所の監督

常間地裕

原題
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
54分
ジャンル
オムニバス
配給会社
Filmssimo

『記憶の居所』に投稿された感想・評価

tetsu
4.0
監督の初期作を学生映画祭で上映したこともあり、興味が湧いたので鑑賞。

継母の訃報を聞いて帰郷した女性が、兄のある嘘と思い出の味についての秘密を知る「味の話」。美術館で出会った男女が夜の逃避行へと繰り出す「香の話」。ピアノを弾く先輩に"ある思い"を抱える女子高生の「音の話」。無関係なようでいて不思議な縁で結ばれた3篇からなるオムニバス映画。

作品タイトルや、味覚・嗅覚・聴覚などのエピソードタイトルからも分かる通り、作品の主題となるのは「記憶」。

各エピソードが「美術館を巡る男性」のシーンでシームレスに接続されており、観客自身がその姿に投影することで「断片的な記憶」を辿るような、不思議な感覚へと誘われる作品だった。

第3篇の映像が挿入される冒頭に始まり、次第に明らかになる人物の背景、後半にいくにつれて錯綜していく物語など、ある程度の整理能力は必要になるのかもしれない。

しかし、それがかなり独創的な体験となり、観賞後には、まるで夢から醒めた直後のような浮遊感が残った。

例えるのであれば、近代美術館の若手作家展で、様々な作品を浴びた後の「咀嚼しきれないが満足感のある余韻」に近いものと言えるのかもしれない。

総じて、明確なドラマ性を持った第1篇が白眉だったが、文学的なモノローグが印象的な第2篇、受け手の想像が広がる第3篇と、それぞれが魅力的。

異なる色彩・アスペクト比と三者三様の表現を用いつつも、1つの作品として完成されているのが素晴らしかった。
新鋭・常間地裕監督が「記憶」をモチーフにオムニバス形式で撮りあげた中編映画では、母娘の交流を描いた「味の話」、男女の逃避行を描く「香の話」、2人の少女の関係を瑞々しく綴る「音の話」の3編で構成されていて、観る者の感性を刺激する映像詩が繰り広げられる。
他者の死に慣れてしまった看護師の唄は、疎遠になっていた母が亡くなったとの報せを受けて故郷へ向かう。
一方、美術館で出会った男と女は、ゴッホの「夜のプロヴァンスの田舎道」で描かれた風景を見に行こうと、フランスへ旅立つため月夜の中を空港へ向かって車を走らせる。
そして或る少女が名もない音楽を奏でる時、もう1人の少女がその姿を夢中になって見つめていた。
母娘交流を描いた「味の話」には山下リオさん、小久保寿人さん、磯西真喜さん、山本奈衣瑠さんらが出演し、男女の夜の逃避行を描いた「香の話」にはサトウヒロキさん、橘舞衣さん、2人の女学生の関係を瑞々しく描き出した「音の話」には成瀬凜さん、富山雅さんらが出演し、この3編がときに交差し合っては離れ、観客夫々の感性に訴えていく。
【味の話】看護師として人の死に慣れてしまったことに危機感を覚える唄。彼女は折り合いの悪かった義理の母の訃報を受け故郷へ帰る…というお話。【香の話】美術館で偶然出会った男と女。「私をプロヴァンスへ連れてって」その一言で男はオープンカーを走らせる…というお話。【音の話】少女が名もなき曲を演奏し、もうひとりの少女がそれを聞く。手には1冊の小説を持ち…というお話。


記憶 をテーマにした3編からなるオムニバス作品。
幻想譚的雰囲気が非常に好きな作品でした。

【味の話】
ベタに泣かされたなあ。『普通』の卵焼き。私事としては僕が高2〜3の時は母は男3人分のお弁当を作らなければいけなかった。当時は僕からの注文も多分多かったと思う。けど毎日作ってくれていた。持って行くのを忘れた日の後悔とか伝えるべきだった感謝とかそういったものがあの卵焼きをきっかけによみがえってきたんだろうなと。あの頃のお弁当なんか再現されたら泣くに決まってる。

【香の話】
個人的にいちばん好きでした。全てが非現実的というかフィクション色が強くて、それゆえにロマンチックな雰囲気があるから。あのプロヴァンスへの逃避行のシーンも窃盗とか飲酒運転とかそんなことがめちゃくちゃ野暮に思えるほどの美しさ。へレーネとは一体。

【音の話】
いちばん抽象的な作品。パンフとか読んでるとまさかの1番目の話とのかすかな繋がりを示唆されていたが、これは唄の過去?とも無理矢理とらえることもできそうだが、、、


【味の話】はあまり余白の無いストレートに泣いちゃうストーリーで、【香の話】は何か大人な空気を感じる幻想譚、【音の話】は映像アートのような美しさを持った作品。
全てにおいて画作りや脚本が素晴らしくグラデーション的オムニバスとしてストーリーテリングから映像から楽しめるお得さもあります。

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