とにかく包丁が好き

昨年に比べると楽しめる作品が多かった。女性監督の方が少ないのは残念だが、個人的には『明るいニュース』『恋は真っ赤に燃えて』『光はどこにある』『勝手口の少女』の順かな。これから作品を追い続けたくなるほど夢中にはなれなかったけど、城真也監督と西口洸監督の次回作は観てみたい。

全体に、社会問題を作品に取り入れているのが印象的で、『恋は〜』と『勝手口の〜』は監督自身より下の世代の子たちを起用しているのも良かったと思う。無理に背伸びしてないのが好感を持てた分、作家性を強く感じたのは西口監督（ちょっと長久允監督ぽい）くらい。良くも悪くも「発見」は無かった。

この作品に限らずだが、上映されたどの作品を見ても助成金を得て撮るものがルック的な見栄えにしか還元されておらず、他人の金をもとに映画を撮ることの意味を何も考えられてると思えない。カット割だとか、カメラの構図だとか、俳優の動きをどれほど自然に引き寄せたとて、根本的な映画を撮る必然性が抜け落ちてるので議論のしようがない。