今日の試写は『MaXXXine マキシーン』オンラインマスコミ試写。

A-24によるマキシーン三部作のラストは、第１作の『X』以降のお話。

最初聞いた時は「ホラーで三部作？」って、ちょっと懐疑的だったけど、このシリーズのおもしろいところは３作全てのジャンルが違うこと！

1作目の『X』は純然たるホラー、2作目の『パール』は『X』の前日譚で夢見るシリアルキラーの青春をポップに描き、３作目となる本作『マキシーン』ではホラーというよりサスペンスorスリラー？

『X』のあの惨事を生き抜いたマキシーンは、ポルノ女優として活動していたが、とあるオーディションを勝ち抜き、ホラー映画のヒロインの座を得ようとしていた。

まず、このサイコパスのマキシーンがホラー映画のヒロインっていう設定がおもしろいし、ハリウッドの撮影所が舞台というのもおもしろい。

そんな矢先、友だちのポルノ女優らが連続殺人鬼「ナイトストーカー」の手にかかって殺される事件が発生！　マキシーンの身にも危険が迫るが…

この、実際に1985年のアメリカを震撼させた「ナイトストーカー」事件を上手く背景に絡めてストーリーを展開させてるのも上手い。

「ワンダーウーマン」「チャップリン」「キートン」などのコスプレイヤーが出てきたり、

あの「ベイツ・モーテル」(！)が出てきたり、映画ファンをニヤリとさせる小ネタもいっぱい仕込んである。

サスペンス仕立てだから、敵の正体がなかなかわからなかったり、あのマキシーンが狙われてドキドキしたりと、今までの作品とはだいぶ趣きが違う。

それでも、あのマキシーンなんだから、怒らせたら大変なことになるのにねぇ(笑)。

更に、第１作からの伏線をしっかり回収しての三部作完結！　見事です。

『MaXXXine マキシーン』は６月６日より全国公開の予定。マキシーン三部作のラストを見届けよ！

試写

「X」3部作、待望のラスト。ここ最近の洋ホラー、3部作で撮られて最後に物議を醸しがちだけど、本作は最早ホラーというジャンルの枠組みにとらわれないハリウッドや映画・俳優業界の功罪の話になっていて、めちゃくちゃぶっ飛んでる。自由と名声の希求をテーマにしてきたトリロジーの終幕として、全く予期しなかったアプローチ。

80年代ハリウッドを再現したセットは勿論、ハリウッドの今昔を代表する豪華キャスト陣が揃っている辺り、この不思議シナリオに説得力が伴ってくる。まさに人を選ぶA24映画、賛否ありまくりだろうがこの路線の作品もどんどん生み出し続けて欲しい。