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掟
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『掟』に投稿された感想・評価

たけ
2.8
石丸伸二さんをモチーフにしたノンフィクション映画。
都知事選の後に出したのは、選挙に影響するからだろうな。
市長も市議もどっちもどっちだと思うけど、一市民としてはやっぱり投票に行くのが最低限の義務だと思う。
市民も自分の欲求だけではなくて責任や負債も均等に背負う事が必要だと感じた。
どうしても目先が気になるのはしょうがないけど。
◎RealTimeで政治を扱う映画製作者の倫理違反

常づね、ハリウッドや韓国のように、実際に起きた政治的な問題や社会的な論点について、日本でも迅速に映画化されるようになれば良いのに、とズッと思って来た。

本作は「時の人」である石丸伸二氏の安芸高田市長時代の議会との対立を、ほぼ現実に起きた経緯に沿って劇化した劇映画である。

繰り返すと日本映画は、もっと政治的な題材を扱うべきだというのが持論だが、本作は根本的な誤りを犯し映画製作の倫理を踏み外したと考える。
採点不能ないし不要として、グレースターのまま投稿しようとも思ったが、それでは採点したことにはならないので最低点1.0とした。

【以下ネタバレ注意⚠️】








本作は、2020.8.9から安芸高田市長をつとめたものの任期満了に伴う市長選には立候補せず、2024.6.9に市長を退任し、2024.6.20告示で7.7に投票が行われた東京都知事選に立候補した石丸伸二氏を主人公とした劇映画だ。

都知事選の結果、石丸氏は有力視されていた蓮舫候補の128万3,262人の得票を上回る165万8,363人の票を得て、当選した現職知事小池百合子候補(得票291万8,015人)の次点に輝き、政界に大きな驚きを与えた。
その一方で、安芸高田市での市政の問題点や「石丸論法」と呼ばれる相手の言うことを封じるパワハラ的な言動に批判的な声も高まった。

まさに、一地方都市の首長から一躍、日本で最も注目される政治家の一人に躍り出た訳で、まさにその激動の2024年の春から夏にかけて奥山和由プロデューサーの企画として緊急に製作されたということらしい。

石丸人気はYouTubeなどのSNSで火が付いた形だが、あえてネット動画を観る気にはならなかった。
しかし、関心がなかった訳ではないので、ドキュメンタリー映画『#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】』(2024.7.6レビュー)を観ることにした。
詳しい感想は、当該レビューをご覧いただきたいが、予想に反して、地方政治批判として市長か議会かのどちらかをターゲットとして鋭く斬り込んで行くのではなく、正論を主張しながら議会との対立を解消しようとしない石丸市長に対する疑問を、モヤモヤっとしたまま両義的な問題感情として投げ出した感じの作品であった。

議会が悪いとも、市長が悪いとも、いずれか一方的には決めつけていない、というか決めかねているのが面白い。
案外、誠実なのかも知れないと思った。

そのドキュメンタリーを観た者からすると、本作は、「北東雲市」の「高村市長」と仮名にはなっているものの、明らかに石丸伸二氏と安芸高田市の役所と議会がモデルになっていて、その再現度は極めて高い。

だが、反市長派の議員たちが極めて戯画化された分かりやすい「悪人」として描かれるのに対して、市長の主張は常に「正論」であり、財政や人口減といった市政の危機を最も深く理解しているのだと描写されている。

確かに市長が従来慣習とされて来た議会との事前調整を拒んだり、議会側の非をSNSや議会答弁の場であげつらうことを繰り返すなどして反目を深めていることについても描写されてはいる。

しかし、問題は、実際には誰も知り得ない市長室内での高村市長一人の、市の危機をなぜ議会は理解しようとしないのかと嘆いたり、「自分にも足りないところがある」とか「自分が市長にならなければ良かったと考えることもある」ともらすエモーショナルな場面が足されていることだ。

これは、どう観ても、モデルとなった石丸伸二氏も同様に、実際には自分に対する反省の想いも秘めながら、正論を押し通そうとする正義一徹の人だと描いているとしか思えない。

確かに、安芸高田市の事例は、今後予想される地方自治の危機のあり方を掘り下げる分かりやすいテストケースなのかも知れない。

しかし、そうした「危機」の解決方法が全て石丸流の手法で解消できるのか、その是非については全く判断材料が提供されていない。

石丸市長を正義の人として持ち上げる一方で、いたずらに地方都市の市議会の田舎芝居ぶりを面白がって嗤おうとするのは、政治問題を扱う手口としては相当に悪質だと言わざるを得ない。

本作に興味を持って臨んだ鑑賞者は、せっかく、この事例によって、地域社会が直面している問題の本質に近づける機会を与えられながら、かえって低次元の三文芝居によって事の深刻さから遠ざけられることになりかねない。

実は、もとは舞台作品だとのことで、演劇作品として観るならば、その演技の質はかなり高いと評価しなければならない。
政治ネタの喜劇、ある種の笑い話として観れば確かに面白くもある。
また、映画製作者が不偏不党でなければならないという法も存在しない。

しかし、モデルを作中で明らかにして実際の安芸高田市での出来事に寄せて実話であることをほのめかしながら、一方の主張のみを正しいとリードする作劇は詐術以外の何ものでもない。

作品自体の、映画製作者としての倫理違反は明々白々だと感じた。
その意味で犯罪的で「掟」やぶりな興行作品である。

《参考》
*1 石丸伸二礼賛映画?批判?【掟】を三幕構成で読み解く
まいるず 2024年9月26日 22:00
note.com/james_miles_jp/n/nf34552f5e177

*2 日刊スポーツ [2024年7月12日19時6分]
石丸伸二氏映画「掟」奥山和由プロデューサーが制作経緯説明「いずれ潰されるのではないかと」
www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202407120001035_m.html?mode=all#google_vignette

*3 together 2024年7月9日
「どういう視点に立った映画なんだろう」石丸伸二氏をモデルにした映画『掟』が都知事選の翌月に公開へ→元の舞台はかなり好評だった模様
togetter.com/li/2398425
元ネタの切り抜きYouTube観ていたので、それなりに楽しかった。敵キャラはなかなかだった。

日本はあまり実際の政治を題材にした映画はヒットしないような気がしてる。偏見だったらごめんなさい。ソウルの春とか夜の外側とか、フィクションとノンフィクションのギリギリのところ、エンターテインと社会的課題指摘の混ざったような、そんな映画ないなぁ。

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