えっと…

過去に戻るなんて
ひどい考えだ

逆説を生み出す可能性がある

壊滅的な波及効果を
もたらす可能性も



悪いことが起こると
知ってたら止めようとする？

いや

だけど人としての責任が
あると思わない？

知ってるなら止めるべきよね

それは間違いだ

過去を変えちゃいけない

写真が消えるっていう
映画があっただろ

逆説が生まれる

どこかの誰かが…

写真から消えて
存在しなくなる

A Thousand Miles
https://youtu.be/NpNi7Gsz8_Q

Netflixオリジナル。SF×ホラー×青春ドラマという、欲張りすぎなほど多様なジャンルを見事にミックスした作品だ。

物語は2024年、主人公ルーシーが偶然タイムマシンに触れてしまい、20年以上前の2003年にタイムスリップすることから始まる。過去に飛んだ彼女には、仮面をつけた謎の殺人鬼に襲われる前の姉を助けるという目的が課されるが、そこにはひとつの大きな問題がある──過去を変えてしまうと、自分自身が生まれてこなくなるかもしれないという“出生のパラドクス”だ。

本作のタイムトラベル構造は緻密で、過去を変える行動が引き起こす結果の予測不可能さを描いている。特に「姉の命を救いたい」という人間的感情と、「自分の存在を守りたい」という本能的な葛藤が常に主人公ルーシーを苦しめ、物語に切ない緊張感を与えている。

ホラー映画としての顔もまた強烈で、本格的なスラッシャー要素が随所に散りばめられている。マスクを被った殺人鬼が不気味に若者たちを追い詰めるシーンは80年代〜90年代の名作ホラーを彷彿とさせ、懐かしい空気感すら漂う。一方でルーシーは「未来から持ってきた知識」を使い、この恐怖と闘う。これが単なる逃げ回るホラーではない、知的なサスペンスをもたらしている。

何より本作の核となるのは、主人公の“自己肯定”や“過去との清算”というテーマだ。ルーシーは幼少期から姉と比較され、自分が“姉の代用品”だというコンプレックスを抱えてきた。その彼女が実際に姉と触れ合うことで成長し、自分自身の存在意義を再定義していく姿は感動的で、青春ドラマとしても十分な説得力を持っている。

本作は、SF・ホラーのスリルだけでなく、「過去の自分と向き合い、未来を選択する」という深い人間ドラマを描いている。80年代的なレトロ感を楽しめる一方で、観終えたあとに心地よい感動と、切なさが残る。ジャンル映画好きも、青春映画好きも、きっと満足できるだろう。

姉が殺人鬼に殺される2日前にあたる2003年にタイムスリップしてしまう、ネトフリ産のゆるーいホラーSF映画。

お世辞にもクオリティが高いとは言えない設定とストーリーだったけど、何も考えずに楽める雰囲気があって、これはこれで有り。

色んなシーンで既視感もあるけど、個人的にはいい設定ならパクリにならない程度に擦るべきだと思ってるので、全然許せる範囲でした。

とはいえ、明確なツッコミどころが何箇所かあるから、真面目に見ちゃう人ほど「何だこれは…」とは思っちゃうはず。前提として、娯楽性に振り切ったなんちゃってホラーだと思って、割り切って見るのが大事。

え、タイムパラドックス？

なにそれ美味しいの？

この精神。

サブスク限定だし、そこまでハードルは上げずに、楽しみ方さえ分かっていれば充分楽しめる映画だと思います。