この男は、バカだ。
てもずっと好きな私は、
もっとバカだ。

柚木麻子が上梓した『早稲女、女、男』を、矢崎仁司監督、橋本愛主演により映像化したドラマ。
大学進学と同時に友人と暮らし始めた早乙女カナコの10年にわたる恋愛模様を描く。
原作は未読。
主人公となるカナコを橋本、演劇サークルの先輩で脚本家を目指す長津田啓士を中川大志、サークルの後輩となる本田麻衣子を山田杏奈が演じているほか、臼田あさ美、中村蒼等が登場。
物語は、冒頭カナコが2014年の日記を開くシーンでスタートするため、年代設定が台詞で語られることなく示されたのは導入としては文句なし。
その後、カナコが長津田と出会うシーンが描かれ、途中からはその三年後である大学四年生となったカナコの姿が中心となり、この一年間が本作品の大半の時間に費やされることに。
何より、イメージビジュアルにもあるように、カナコと長津田の二人の恋愛模様が中心となるのかと思いきや、カナコは基本的に出ずっぱりとなっていたのに対し、前述の山田演じる麻衣子、大学の先輩でカナコが内定をもらっている出版社の社員である中村演じる吉沢洋一、そして研修中のカナコの上司となる臼田演じる慶野亜依子が、それぞれ準主役とも言える立ち位置で、入れ替わり立ち替わり群像劇のようにして物語が綴られていたのは面白かったところ。
また、特徴的なのは、原作者が同じである堤幸彦監督『私にふさわしいホテル』においては、有森樹李なるペンネームの作家をのんが、書店の店員を橋本が演じていたところ、本作品でものんがベストセラー作家の有森樹李として、橋本が編集者の卵と、同じ世界観で描かれていたことであり、パラレルワールド的な雰囲気も楽しめた次第。
加えて、ここ最近、登場時間は多くはないものの、エキセントリックな役で数多くの作品に出演し、抜群の存在感を放っている吉岡睦雄が本作品でも登場していたのは見逃せないポイント。
カナコの10年を描くというものの、前述のように、その大半は大学四年生時代であったのは少々拍子抜けであったり、そもそも長津田に惹かれる女性陣の心境が理解できなかったりはしたものの、決して古くはない時代設定ながら、SNSやオンラインに頼らない地に足がついた、どこか昭和な雰囲気を感じさせる恋愛模様は、よくあるキラキラものとは一線を画す内容で、恋愛の楽しさと面倒臭さを現代の若者にも感じて欲しいと思うとともに、有森の新作で青春ミステリの文字が躍る『カポネが呼んでる』が読みたくなったのに加え、「ジャスティス」なんて名のサークルに子どもが入ろうとしたら真っ先に止めようと思う一作。

私はスピードが違うし、あなたはベクトルが違う。

【少し前の日本の話】

山田杏奈ちゃんの顔面偏差値は低くないよなあ。

まあ、こんな大学はもうないと思うけど、ひどい時代は確かにあった。

僕は、恋愛では男性の方が引き摺りがちで、女性の方が実はドライだと思っている。

むかしを振り返って
「あの時は貴方の為を思って…」
とか、
「おいおい」
と思ったこともある。

一度別れた相手とよりを戻すのはかなり困難だ。

なんか甘酸っぱい青春を思い出した。

最近の若者の中には付き合うのが面倒くさいとか、興味がないなんてのが増えていると聞くけれども、絶対恋愛はした方が良い。
面白いし。
前の彼女の写真をこっそり持ち出してシュレッダーにかけた女性もいたけれども、基本的には良い思い出だ。

甘酸っぱくもあり、苦（にが）くもあり、切なくもあり、苦しくもあり、でも、楽しい…、僕の場合は😜

年末に公開された「私にふさわしいホテル」のパラレルワールドとして描かれる今作。
あちらは、昭和文壇のドタバタコメディだったが、今作は平成・令和を駆け抜ける10年にわたる腐れ縁、恋物語。

2014年春、早乙女カナコは大学の入学式の人混みの中、苦しそうに倒れる男を見つけ、介抱するため手を取って助ける。
だが、それは演劇サークル「チャリングクロス」の新歓の出し物。
そして、「君に会えて良かった、、」とカナコの手を握る、長津田先輩との出会いだった。。


人間関係が入り乱れてるのに、ドロドロになりそうでならない、その感じは今風なのかな？
ふわふわモラトリアムを眺めるのは嫌いでは無いけど、もっとドロドロしてもいいのよ、、ホラ、、情念を見せて、、？
と、黒い心を試されるようψ(｀∇´)ψ
(多分ロングレッグスと同時に観たせい)


橋本愛のサバサバで純粋な早乙女カナコは、何処までも汚れることなく真っ直ぐ。
中川大志の長津田先輩も、留年ダメ先輩なのに綺麗すぎるなぁと思うのは、私が怨念こもってそうな映画見過ぎなのかもしれないꉂ(ˊᗜˋ*)

現代の話で、スマホもLINEも使うのに、全体的に昭和、平成前半の大学生の空気が漂う。
とはいえ、昭和の大学生は、私の薄いイメージに過ぎないけど、
「俺は卒業出来ないんじゃない、しないんだ！」
とか言う、大学8年生まっしぐらなサークルの煮こごりのような先輩がいたり、
彼氏のバイク2人乗り用ヘルメットを買うとか、
大学生の喫煙率が異常に高かったり、、、
なんだか、少し時代を感じるのねぇ。
スマホに頼らない生活をする大学生とか、大学生らしからぬ感じꉂ(ˊᗜˋ*)


作中の演劇サークル「チャリング・クロス」。
このCharing Crossはイギリス、ロンドンの中心の交差点からかなと思う。
測量の基点として有名。
自分の人生の基準点に、大学時代のサークル活動があるかのよう。
確かに人生を振り返っても、あの時期が今でも自分の基準点になっているようにも思う。
三つ子の魂百までね。


大学に入学すると、先輩がかっこよく見えるのあるある。
そして、格好よく見えた先輩が、ただのダメ男だった事に後から気がつくまでがセットꉂ🤭

懐かしさや眩しさ、ほろ苦さは感じるのだけど、上手くまとまり過ぎてる映画で少し勿体ない気はした。



速度とベクトルの話。
たぶんベクトル＝方向って言いたいのだと思うし、だから名言っぽくなってるけど、
ベクトルは大きさと向きだから、そのまま捉えると
「貴方は速さも向きも違う、私は速さだけだけどね！」
みたいな嫌味になるなぁ、、、と思ったのは野暮ですか( ˊᵕˋ ;)