「朝が来る」の蒔田彩珠が雨音役で主演を務め、雨音の夫・朔役で栁俊太郎、雨音の親友・樹里役で恒松祐里、雨音の高校の同級生・水内役で結木滉星、樹里の夫・水人役で富田健太郎、雨音の元夫・正信役で清水尚弥が共演。国内外のさまざまなアーティストのMVやライブ映像、CM、ショートフィルムなどを手がけてきた気鋭の映像ディレクター・川村誠が長編映画初監督を務め、繊細かつ耽美な世界観で描き出す。

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映像化しないかなって思ってたので期待してます！

近い未来に現実になってもおかしくない物語。「推し」という身近なモチーフがありながら、今とはまったく常識の異なる世界観が描かれている。
最初はその世界に違和感を覚えるのに、気づけば主人公に感情移入していた。
自分の常識が確固たるものではなく簡単に揺らいでしまうような感覚に陥る。めまいがしそうなのに、目が離せない。
試写会で監督が「原作の文章の美しさを映像で表現したい」と語っていた通り、映像はどの瞬間も美しく印象的。
一見バラバラに見えるシーンが、自分の中で行間を埋めるようにつながっていき、物語がひとつに集約されていく感覚が良かった。
そして一番強く心に残ったのは最後のシーン。蒔田彩珠という俳優の存在感が凄かった。
原作同様、明快な答えが提示されるわけではなく、観る者に多くの問いを残す。
性描写が想像を喚起するような表現に置き換えられていたのも好みだった。
サスペンスでもありホラーでもあるような、ひとことで括れない作品。
観終えたあと友達と感想を交わしたくなるような映画だった。また観に行きます！