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とおぼえ
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とおぼえの作品紹介

とおぼえのあらすじ

弟の死に顔に⾃⾝の死を⾒た主⼈公は、⾃⼰の存在の不確かさへと思いを深めていく。

とおぼえの監督

川添彩

原題
製作年
2022年
製作国・地域
日本
上映時間
23分
ジャンル
ショートフィルム・短編

『とおぼえ』に投稿された感想・評価

1回目 イメフォ映画祭2023
2回目 東京藝術大学20周年記念上映

色々文句はあれど、過去に藝大で作られた修了制作では瀬田なつきの『彼方からの手紙』と並んでベストかな。

美点はとにかく小器用にまとめるのを拒みつつ気合いで押し通すパッションを感じさせてくれる点で、不満があるのは結局のところ人物の意志が見出せないまま内面の世界でとどまるところと冒頭を象徴的なイメージで逃げてしまって、本筋の語りから入らないで迷路のように仕向けてるところ。
単純なものを複雑に見せすぎるものより、単純さを突き詰めたときに、有無を言わさぬ真理に辿り着けるはずで、それは自分にとっても大きな課題なのだが、『とおぼえ』は本来もっと単純でいいはず。もっとストレートに本題を語るべきところを持ち前の画面の審美性によって本質を見えづらくさせて、観客を悪い意味で翻弄させてやしないか。
単純さの中に個人の関心を詰め込めきれるかどうか。それはまた困難だが、きっと両立できるはず。
『CINEMA BAND WAGON Vol.1』にて鑑賞。
多少(個人的な意見として)藝大の撮影の技術力に川添の力量が抑えられた感触があり、黒沢清からの影響も時代が逆戻りしたかのような物足りなさがあるも、オフィスの窓ガラスを使ったカットの次、手前に主人公奥に高橋洋を置いた移動撮影は近年の黒沢の密度の高さと並んで魅力的だ。川添自身は絵コンテを丁寧にデッサンしてスタッフに触れ回ったらしいが、蜂を追いかけた弟が亡くなり霊安室で自分の面影を認めオフィスで自我を意識しフィルムで自分を見つめ歩道橋に向かい電車に飲み込まれ野木(?)の家へそこから森へとワープしラストの素晴らしいカットへと向かう流れにのっぴきならない。然しワクワクをも感じさせる。キャスティングや森林の中の寺門やラストカットのカメラ位置といった藝大の制作部の底力に感謝しつつ、川添さん自らもバジェットと所帯に映画を突き合わせて驚きを探究しているように思えた。