路上生活者の病気の診療にあたっている医療スタッフたちをインタビューしたドキュメント映画。　
Reed Martinが監督と脚本を務めるショートムービー。　　

ロサンゼルスの路上生活者数は6万9000人。
南カリフォルニア大では医療チームを週五日路上に派遣しており、15チームが活動している。
医療スタッフや路上生活者の生々しい声が綴られており、医療スタッフたちがやりがいを感じているのが心強く感じられた。
貧富格差が激しく、公的国民皆保険制度がなく自由診療のアメリカならではの作品です。
アメリカではお金が無ければ最低限の医療も受けることができない。
あらためて日本のセイフティーガードの充実を実感させられらた。
「愛とは与えるほどに返ってくるものだから」　

2025.3　BS12で鑑賞（深夜しょ～と劇場・字幕）

• #南カリフォルニア大

【その手、その足】

TVerにて。

昔、飲み友達だった「とあるおじさん」とこんな話をした事がある。

「人間には口や脳のように一つしかないものと、手や足、目、耳のように2つあるものがある。どうしてだか考えたことある？」

（…う〜ん、ナゾナゾだろうか🤔）

「若いうちはね、まだ自分自身の事で精一杯だから左右両方のものをフル活用して自分のために生きるんだよね。でも、やがて彼女や奥さん、子供のように『自分にとって守らなければならないもの』が生まれた瞬間からは、片方は自分が生きるため、そしてもう片方は大切なものを守るために使うためなんだよ」って言われた。

手は「大切な人の手を引く為」
足は「大切な人の元に駆けつける為」
目は「大切な人が危険な目に遭わないように見守る為」
耳は「大切な人の言葉をちゃんと聞くため」

一つしかないものは「自分自身を失わない為に」

…じゃあ、口も2つあったほうが便利なんじゃないっすかね😅って言ってみた。

「口が2つあったら、片方でホントのことを言って、もう片方は必ずウソをつくようになる。だから一つのほうが良いんだよ😊」って。

確かに若い頃は「大切な人を守る」って言っても、ぶっちゃけそこまで責任重大な事なんて感じたことがなくて、何だかんだ言いながらも結局自分のことを優先して生きていた気がする。

でも、自分にも妻ができ、子供が生まれた。
命懸けで守らなければならない「大切な人」が出来た。

そして、改めてあの時のおじさんの言葉を思う。

大切な人、大切なものを守りたいって思ったら、そこには利益も世間体もなにも関係なく、きっと体が自然に動く。
それは「一つしかない心」がそう言っているから。

でもね…
見ず知らずの路上生活者の方に対して「助けたい」の一心だけで動けるって、ホントに凄い事なんですよね。

LAだけでも7万人もいるとされる路上生活者に対して、最低でも200の医療チームが必要とされる中で、現在活動しているのはわすが15のみ。

物資も資金も、そして人員も圧倒的に不足しているのに、彼らは「負け戦」だとは微塵も思っていない。

『彼らを助けるために僕らがいる。友達は大切だからね』

「やらぬ善よりやる偽善」とはよく聞く言葉だけど、たとえ偽善であっても、ここまでの事が出来る人は本当に少ないと思う。
無論、彼らの行為に対して偽善なんて言葉は使えないし使う気もない。

困っている人を「大切な友達」と呼んで、その手を差し伸べることが出来る人たち。
彼らの行為が報われる事があるのかは正直わからない。
何処がゴールなのかもわからない。
でも彼らに「一つしかないブレない心」がある限り、明日も明後日も、また路上生活者に手を差し伸べるのだろう。

僕のもう片方の手、ちゃんと使えてるかな…

• #札幌映画部2025
• #stopwar

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