最期の祈りの作品情報・感想・評価

「最期の祈り」に投稿された感想・評価

taiki

taikiの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これはオークランドにあるハイランド病院集中治療室で終末期医療に関わる医師・患者・家族のドキュメンタリーです。

オープニング、アラーム音の鳴る部屋でジター医師は様態の急変した患者の手を握り、意思疎通を図ります。一刻の猶予もありません。しかし、切迫する状況の中、うまく事が進まず、ついジターは語気が強くなってしまいます。そして、すぐにわれに返り、(Sorry…Sorry…)と呟き、会話・筆談・コミュニケーションボードとあらゆる方法を矢継ぎ早にためしていきます。このシーンでは、タイトル通りの(原題:Extremis)ギリギリの状況を的確に描写していきます。タイトルとシーンが合致するところを見るとなぜかうれしくなりますね。

さて、この作品で中心となる人物は、患者のドナとセレーナの家族たちです。ドナとセレーナはどちらも延命するには人工呼吸器を付けなければなりません。けれども、措置を講じても回復の見込みは立たず、いたずらに苦痛を伸ばしてしまうかもしれません。家族たちは延命するかしないかの二択の中で葛藤します。ちなみに、このようなシチュエーションはあらゆるところで散見されます。たとえば、主治医と専門医の意見の対立、信仰と科学技術などがあります。これらの終末期医療に関わる複数のエピソードが、物語に深みを与えていきます。また、人物をロングレンズを用いてクローズアップで画面の端に据えることで、視線の移り変わりや表情の変化をはっきりと捉え、見る人に何か迫るものを感じさせます。とりわけ、「ドナの夫がジターの話を聞き終え、ドナに目線をやる」カットは、私にはすごく印象に残るものでした。なぜなら、ドナの夫がジターに注ぐ視線は真剣さの中に恐怖心が同居するものだったけれど、ドナに対する目線は人を安心させようとする温かいもので、その変化に感動させられてしまったからです。

どんな映画にも終わりがあるように、どんな人生にも終わりがあるのです。悲しいものですね……。エンディングでは、最期の選択を迎える患者・医師・家族の時間をそれぞれ描写していきます。この一連のシーンは、クローズアップの多い序・中盤と打って変わって、ジターのフルショットや家族たちの背後からのショットなど全体を捉えようとするものが多いです。これはそれぞれの選択をフラットに見ようとする意図があるような気がします。そして、このときに流れるピアノの音色は安らかさや穏やかさを醸し出し、彼らの選択を優しく包み込んでいくように感じます。また、エンドロールで変わる曲調は残された家族や医師の喪失感を表現しているように思えます。

このドキュメンタリーは、人々の葛藤を描写し、そこから導き出された選択を作り手が評価せず、私たちに多くのことを想起させる作品です。このように優れた短編ドキュメンタリーに会う機会はあまりないような気がします(もしかして、私だけ?)。ぜひ、この機会に視聴してみてください。
Netflixオリジナル。
第89回アカデミー賞 短編ドキュメンタリーノミネート作品。

終末期治療の選択。
患者と親類、医者や看護師はその時。

辛い映像だったな。
疑似体験的に観れてよかった。
django

djangoの感想・評価

3.9
『キル・チーム』の監督が撮った、終末医療をテーマにしたドキュメンタリー。
20数分しかないですが、かなりキツイ内容でした。
『キル・チーム』は、いい、悪いがはっきりしていた。
この映画は、答えが出ない。
ただ、家族の決断を見守るだけ。
信仰、経済問題、医者同士でも喧嘩ごしに議論。
触れる程度に問題を見た感じ。
深くはないんだけど、入門編としていいと思う。
nono

nonoの感想・評価

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終末期医療の意思決定の授業を思い出した
医療技術が進歩したが故の問題。ほんとに難しい
第89回アカデミー賞 短編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。
まつこ

まつこの感想・評価

2.8
集中治療室での延命に関する倫理的問題を抱えた医師・家族に密着した短編ドキュメンタリー。

1回のYESが永遠になるとは限らない。今日死にたいって思っても、明日は生きたいって願うように人は揺れるイキモノ。

定義をいくら重ねても、どんなに死に近くても、呼吸をしていたら、あたたかさを感じられたら…簡単に別れは選べない。

「生きている」にはいくつもの答えがある。

どれも間違いじゃない。ただ、「死」は一度きりなんだ。

制度や民族の違いから全てが日本の医療に当てはまるとは言えないけれど、普段遠くに感じている人たちが「もしも」を考えるいいきっかけにはなると思う。

2017年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート、トライベッカ映画祭短編ドキュメンタリー部門最優秀作品賞を獲得している本作。

人一人いなくなるんだから容易い選択なんてこの世には存在しないのだ。
kokoro13

kokoro13の感想・評価

3.2
自分の家族が選択を迫られたとき、どうするか。深く考えさせられるものだった。
まぁ

まぁの感想・評価

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「生きる」とはどういう事か。
「死ぬ」とはどういう事か。
とても考えさせられた20分強でした…*

人によって考え方は違い、それが当たり前だと思うけれど…。

…自分の「死に方」…考えないといけないな…と思う事が増えてきたこの頃。
自分の意思や希望だけは、書き留めておかないと…と思っています。
わずか20分強の短さながら、生きることについて深く考えさせられる内容でした。

Netflixのオリジナルドキュメンタリー。アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされています。

私自身、呼吸器に繋がれてまで生きたいかと聞かれると、そうではありません。ただ、家族がそうなった時に、「外してください」なんて簡単に言えません。

昨年、祖母が大病を患ったとき、もしもの時に延命措置をどうするのかと話題になりました。90歳近いのもありますが、延命措置はしないという結論に。でも、私たちからしたら、まだ居てもらわないと困るというのも本音でした。祖母は完治して以前の生活に戻りつつあるので、この作品を観ると、本当に私は幸せだと思います。

医師たちもあらゆる可能性を考えて、葛藤してる場面もあります。映画やドラマでは見れない生々しさがありました。
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