チェコのミステリー作品。
「悲劇」の言葉に反応して早速鑑賞。

誰が犯人かめちゃミスリード誘うんですけど〜そっちか…
ぜんぜん思いつかなかった結末。

昨今の不倫は犯罪的な日本では理解されない気もします。。
私はそれぞれにそれぞれの愛があったと思いました。決して保険金目当てじゃないやつ。

悲劇じゃなかったけど見応えはありました。

もう少し評価高くて良い気がしますが、内容が引っ掛かるのかな？
事故で言葉を失ってしまった男性の妻や母、事故の原因となった馬の持ち主のドラマかと思ったら、なんとミステリー仕立て。ストーリー展開が面白く、ラストも私は好きでした。

獣医師のマーティンは、悲劇的な事故の後、言語失調症になり、妻、母、事故の原因となった馬の所有者である女性に介護されるも不可解な死を遂げた。地元警察は懸念を抱き、捜査を開始し、彼女達の証言を元に事件の真相に迫るのですが…。



ネタバレ　↓



マーティンは、馬に蹴られ命は助かったが、失語症になり身体も麻痺が残る状態で、妻が自宅介護を選択します。
義母と妻·エリカは不仲ですが、エリカは陸上の選手で練習等がある為、義母は息子の為、介護を手伝います。馬の飼い主のヤナも責任を感じ手伝います。
ある日、マーティンは不自由な身体を駆使して窓から飛び降り様とします。
ヤナはマーティンに馬の画像を見せたり、息子ホンザを連れて来たりします。
エリカは夫のスマホを見てヤナと不倫していた事を知ります。ホンザもマーティンの息子でした。
マーティンは自殺未遂し入院。
常に死ぬ事を考えているマーティン。
未来が見えず彼の気持ちを受け止めたエリカは、医師に鎮痛剤の投与を中止させます。義母がヤナからエリカが子供を欲しくて一生懸命だった事等を聞き、エリカに酷い事ばかり言って来たと謝りに来ました。
エリカはヤナを訪ね、義母に自分の事を話してくれた礼を言い、2人は彼の将来を考え、彼の望み通りにしてあげようと決めます。更に義母に話して3人で計画し、点滴に何かを混入させる事に。
3人はマーティンに仲の良い姿を見せて、各々が彼に別れを告げ、義母が注射器で異物を混入しようとするとマーティンは自分の動く方の手でそれを混入した。3人は病室から出て扉がアップになります。

3人がマーティンの希望を理解し、安楽死と言う選択をしたのは、賛否あると思うけど、側で見ていた彼女達が彼の心を知っての行動だし、母の手を汚さない様に本人が自分で注射器を握ったのが良かったです。勿論、自殺幇助になるけど、愛ゆえだし良いと思えました。現実なら罪に問われると思うけど。この作品は、途中までエリカがイヤな女に見えたり、義母が意地悪に見えたり、ヤナは不倫女なので、共感出来ない人達なんですが、進むにつれて、皆がマーティンを思い、彼の幸せを望む姿勢に何だか胸をうたれ始めます。重い内容なので決断は、考えさせられますが、ヤナが不倫相手で息子がマーティンの子だったり、更にヤナとエリカが解り合えたり、予想外の展開が面白かったです。

＊qqfowlさん、ありがとう♪︎

• #C@チェコ

とんでもなく完成度の高いミステリー映画だった。

冒頭の語り口からとにかく上手い。
現在の状況と何が起こったかが一切明かされないまま、関係者の証言と過去回想が続いていくのだ。
それらによって、徐々に起こったことが見えてくる。
が、現在についてだけは、最後の最後まで明かされない。
この謎の引っ張り方は、ミステリー好きにはたまらないだろう。

脳に傷を負い、失語症になったマーティンは会話どころか日常生活すら送れない。
トイレの面倒まで、妻にみてもらわなければならない状況だ。
一見、献身的に見える妻は、彼のためにすべてを捧げているように見える。
が、関係者の証言は「彼女は夫を愛していない」というものなのだ。

この夫婦の間にいったい何があったのか。
夫は何を思い、妻は何を考えているのか。
そして、何が起こったのか。

証言が進むにつれ、彼らのさまざまな秘密がわかってくる。
それと同時に、彼らの関係性も次々に変化していく。
見えてくる新たな事実と、それぞれの抱える悩みや想い。
それはもう次々とどんでん返しをくらっているかのようで、観ていてとても気持ちがよかった。

そして、訪れる、これ以上はないだろうと思えるほどの完璧なラスト。
美しいと評したくなるほどの完成度に、思わず唸らされた。
素晴らしい。

チェコの映画らしく、日本での上映もたぶんほぼなかったんだと思う。
でも、もったいないと思うくらい、いい出来のミステリーだった。