上映後の監督2人へのQ&Aの記録。
2人体制で監督したとのことだが、撮影現場ではどのようにして協力しあったのか？という質問があって、それに対して監督「現場では監督同士で喧嘩ばかりしていた。作中ではルイス夫婦の喧嘩が絶えないが、映画を作るにあたり、実際現場でも2人の監督のうち片方がルイス役を、もう片方が奥さん役になって口論をしてみるということがあった」という話が面白かった。
キャスティングについての質問に対し「あの格好良いルイス・クーを、元々本作のために作り上げていたルーザーな中年男という人物像に近づけるためにどうすればいいか模索していたところ、ルイス自身からパーマをあててみてはどうか、眼鏡をかけてはどうかという提案があった。その役作りは大成功だった。彼は実際にマレーシアで雑踏の中を歩いたが、誰もそれがあのルイス・クーだとは気づかなかったからね」という話も面白かった。

ルイス・クー自身で面白かったのはダサい男の演出をとことん極めていたところ。大声で怒鳴るし喚くしめそめそする。やさぐれて飲んだくれる。ルイス・クーてなんでもござれでパブリックイメージが損なわれるかもとか躊躇うことなく全部やってくれる俳優さんなんだな…と思った。トワイライト・ウォリアーズでの龍捲風からの振り幅が大きすぎた！

作品で面白いな〜〜と思ったことの1つは画作り。水中の撮影を利用して、それまでの地を這うような画作りとは対照的に、非現実的な、幻想的なシーンを作り上げていたところ。そして探偵ものらしく、依頼された人を追うために遠くから監視している探偵の視点から、徐々にズームインしてその人物を画面の中央に据えていたところ。

刃物でグサグサやり合うシーンは度が過ぎて一周回って笑ってしまった。

お話については監督が上映前に明言していたように愛情について描いた作品だった。夫婦間でのコミュニケーション不足やすれ違いで気まずくなってしまうことは多くある。人を愛することって、実際は全然ロマンチックじゃなくて、格好悪くてダサいもの。そのダサさを丸ごと受け入れてくれる人に出会えたらそれがあなたの愛するべき人だよ、というメッセージを感じた。

第21回大阪アジアン映画祭にて。プロデューサーに鄭保瑞（ソイ・チェン）、主演は古天樂（ルイス・クー）という「トワウォ」座組。予想はしてたけどチケットは即完。取れてラッキー。上映前の挨拶で監督が「犯罪映画だけど愛の物語だ」と言っていたのがその通りで、愛とユーモアに満ちた素敵なエンターテイメント映画だった。パーマでメガネでくたびれたポロシャツを着た、キメすぎてない古天樂（ルイス・クー）もまた良き。眼福！

しかし、奥さんはもっと古天樂（ルイス・クー）をこてんぱんにやっつけて良い。なんだかんだで夫の言いなりじゃん。ダメ男断罪描写が弱いのは単純に力量不足だと思う。

てかあいつ体力ありすぎだろ……ほぼゾンビ映画じゃん……

コメディとしても優秀。ちゃんと笑わせてくる。劇場公開してほしい（さすがにされると思うけど）。

当日券取れたので観てきた！
情けなくてダメ男（夫）をルイス・クーが演じる。
じらした後の肉弾戦がいい感じだったね。（ここではさすがに「かっこいい男」がちょっと出ちゃうルイス・クー）
驚きの展開。荒唐無稽だけど映画ならこれくらいやってくれた方が面白いかな。（そもそもインファナルアフェアとかあるからそこまで驚きでもない？笑）
台湾俳優の怪演、よかったなあ。リウ・グァンティン、『一秒先の彼女』ですごいキモい役だったけど（個人的にストーリー的にそう感じた）、『オールドフォックス』では全然違ういい父親役、で、今作。どれも違う感じでいいじゃないか。表情がいいよねー。
推理小説というかたちをとりながらメインテーマは愛情、というありそうでなかったスタイルもよかったかも。

監督ふたりのトークちょう面白かった。クリエーターなら（意思決定するリーダーが複数いたら）そりゃあ喧嘩するだろな。これがもし日本人なら正直にこんなことは言わずに私たちはお互いの得意分野でうまいことやってましたとか言いそうだけど。笑
、、脚本を読んだ某有名日本人俳優（役所広司とからへん？勝手な推測）が（こんな悪い警官は日本にはいないと）アドバイスしたから制作可能性がなくなった幻の日本版も観てみたかったけど、（やはり）日本がおかしく描かれてないかどうかとか余計なことが気になりそうだから、舞台はマレーシアでいい気がしました！！笑（資金援助があったそう）
プログラム終了後にサイン会してくれて気前よかったです。監督たちも男前だわ。