ただ、ミキは弘樹と一緒に居たかった。同じ時を過ごしたかった 中小企業で事務をしているミキと、家事好きで清掃のバイトをしている弘樹。二人は高円寺の路上ライブで出会い恋人になる。ミキの強さに惹かれた弘樹は、自立した大人を目指し正社員になる。でも、ミキは弘樹に無理をせず毎日笑顔でいて欲しかった。専業主夫でもいいから家に居て欲しかった。 弘樹は男ばかりの職場で、冗談に傷つき、毎晩溜息をつくように。ミキは社会のせいにしがちな後輩と、悪意なくセクハラ発言をする上司の間で疲弊し、ビールの量が多くなる。 稼ぎのない男との付き合いを反対する友人。「あるがまま」なんて甘やかしだと腐すベンチャー企業社長。非難を称賛と受け止める高円寺の飲み友達。「自由とはルールを知ること」と言うアーティスト。仕事と生活の間で様々な人たちに出会い、酒を飲み、言葉を交わす。 ただ、ミキは弘樹と一緒に居たかった。同じ時を過ごしたかった