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デコラド
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『デコラド』に投稿された感想・評価

Yuki
5.0
「舞台は常に素晴らしいが、惨めな役は必要だ」

第38回東京国際映画祭にて鑑賞
デコラドは「舞台装置」の意味
ちょい雑レビュー🙏
今回は実存的な不条理劇って感じの作風で、感覚としては安部公房の小説に少し近いかも……🤔

あらゆる産業を支配する大企業"アルマ"によって支配される格差社会
失業して以来就職できずにいる"アルノルド"は「周囲のものは舞台装置のような、偽物ではないか」という不安に取り憑かれる
あるとき親友に誘われて立入禁止区域の森へと入り、そこで親友も同じ不安を抱えていることを知る
そして森の向こうに出る道があると聞き、アルノルドたちは自由を求めて脱出を試みる……という話

資本主義、格差、閉塞的な秩序、夢の挫折、モラルハザード、愛の苦悩、友人の死、憂鬱……いろんな要素が散りばめられている一方で、どれかに焦点が合うこともなく解決もされないままに進行する
その不条理・無解決・混乱がもう、ただひたすらに「現実」でしかなくて……普通に描かれるより一層グロテスクで悲しい

個人的にかなり刺さったのが、アルマ社員や幹部のような支配層ですら幸せじゃないこと
誰もが虚しさや憂鬱を抱えて「ここから逃げ出したい」と願っているが叶わない
なぜなら本当に重要なのは「システム=舞台装置=デコラド」であり、支配層ですらデコラドに支配されて生きているから
でも、そのデコラドによる社会はどうしようもなく病んでいて……選択肢は「足掻くか」「適応するか」の2つしかない
舞台上の人生に適応して、"模範的な社会人"になることができれば幸福を見出せる
でも少なくともアルノルドたちにはできなかった
人生と社会には適応できなかったし、何より社会も何もかもが偽物だと気づいてしまった
そして必死に足掻いて、足掻いた先にあるのは「絶望」だけ
そこにデコラドは2択を提示する
デコラドへ適応するか
死という最後の救いを求めるのか
ここで怖いというか秀逸だと感じたのが、デコラドへの適応が魅力的な提案に映ること
そもそもみんな「生きたい」からデコラドから逃げようと足掻いてたんだよね
でもどんなに頑張っても絶望ばかりで、心が折れそうな時にささやいてくる……「その不幸は病気のせいだ。治療しながら社会復帰しよう。そうすれば、幸せに生きられる」……こんなん、心折れるって
ここネタバレみたいだけど、ここからもさらに展開があるのは意外でうれしかった(面白いし)

あと「病んだ社会から脱出しようとするものは社会から見れば病んでいる」という構造と「誰もがそれぞれの形に病んでいる状況」を両立してるところ、かなり好き
誰もが病んだ社会のせいで病んでるし、そんな舞台から降りたくて仕方がないんだよなって……

そういえば作中で印象に残るセリフが格言的に散りばめられているのも切なさを際立たせて好き
「病んだ社会への適応は健全な人生ではない」
「怪物だけが愛を知っている」
「重要なのはシステムだけ」
この辺が個人的にかなり突き刺さる

短編観た人なら伝わると思うんだけど、デコラド♪の音が頻繁に入る(声なしver)
冒頭で指揮者のミカエラがタクトを振るうことからも、舞台装置=デコラドがこれでもかと強調されるのが好み
ギャグもそうで、意図的に外してるギャグがちらほらあると思うのね
それに対してフルハウスよろしく笑い声が上がるシーンなんか特にそうで、本人たちは必死に生きているのが全て作られた見世物だと伝わってくる
まさしく「惨めな役が必要な、素晴らしい舞台」であり、舞台上の役者はひたすらに惨めなトゥルーマン・ショーを全うするしかない……
正直ユニコーン・ウォーズより暗いし救いがない

ちなみにアルベルト・バスケス監督の原点がネズミのキャラクターでホロコーストを描いた漫画を読んだことらしくて、なんか納得
実際、現実をリアルに構成するよりよっぽどリアルでグロテスクだと思う……

『ユニコーン・ウォーズ』や『バードボーイ』とはまた違った方向性で、ユーモアにも仕掛けがあるのでマジで癖が強い!
でも本当に面白かったし楽しい映画なので、不条理劇が好きな人には強くオススメしたい‼️‼️
TIFF。
ずっと失業中のネズミのアルノルドは、妻のマリアや近所の人々、生活の全てを取り仕切る大企業のALMAを含めて、周りの全てがフェイクではないかという考えに取り憑かれている。
大怪作「ユニコーン・ウォーズ」の、アルベルト・バスケス監督の人生寓話劇。
今回も、キャラクターはキッズアニメみたいで皆可愛いのだが、例によって超鬱展開で毒まみれ。
この世界には擬人化された動物の他に、普通の動物もいるらしくチキンの好物が手羽先ってw
仕事もなく希望も見えない毎日で、愛し合って結婚した妻との仲もギクシャク。
アルノルドは、同じ感覚を持つ友人たちと、禁足地である森に足を踏み入れる。
誰も見たことのない、森の向こうにこそ、本当の世界があるのでは?と信じて。
私たちは人生という劇場で、あらかじめ決められた役を演じているだけなのでは?と言う実存性の疑問を抱いた人は多いだろう。
カリカチュアされたアニメーション表現で、それをまんま作ると本作になる。
街の外にある「森」は、「ユニコーン・ウォーズ」でも現実の外にある精神世界のメタファーだったが、社会不適格者や巨大なフクロウが住む本作の「森」も、不安や恐れが具現化したものだろう。
可愛らしい動物キャラたちに投影されたメタ的な人生劇場で、壮大かつシニカルに悲観的なオチまで、めっちゃクセの強い作家映画だ。
コレもキャラで勘違いして、子供に見せたりしたらトラウマになりそう。
タイトルには「装飾する」「舞台装置」と言ったら意味がある。
はた
3.5
アリアスターぽい映画だった。

中年の危機と管理社会がもたらすストレスが中年ネズミをパラノイアの世界へ押しやっていく。主人公はやたら「これは夢か現実か?」と言うが、本編で起こることは大体現実なので、あからさまな妄想シーンが入ればよかったなと感じた。

話に関しては、あまりにも暗鬱としすぎていて、逆に鬱にならないレベル。登場人物がずっと号泣したり発狂しているのはあんまり言いたくないけどアルモドバルのようなスペインらしい大げささを感じた。そんな感じで登場人物の異様なアドレナリンの高さに体がついて行かず、非常に疲れた。中盤から第四の壁を破るなどトリッキーな描写が混じり、本格的にアリアスターのような不穏をあおるテイストになっていくので、精神的に落ち着いている状況でない場合は、絶対に観るべきではない。



ネタバレ注意


ラストはもう完全に意味が分からなかった。ディストピアものに見せかけた終末ものということなのだろうか?それぞれが役割を演じることで管理社会として成り立っていた「舞台」が、主人公たちの行動によって「エンドロール」を迎えてしまった・・・と言う事だろうか。