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すべて真夜中の恋人たちの作品紹介

すべて真夜中の恋人たちのあらすじ

フリーの校閲者である入江冬子は、 同業者たちが集まる飲み会に参加していた。 普段から酒を飲まず、人と関わることを避けている冬子は、 周りの会話のペースに乗ることができない。 数少ない友人で仕事相手でもある石川聖に「冬子っていつも何してるの?」と聞かれるが、 親しい人や趣味のない日常を語るだけ。 そして、誕生日である12月24日ですら何をするでもなく、 ただ真夜中に散歩をするのが毎年の過ごし方だと話す。 一方、聖は自分も似たようなものだとしながらも、 食事やセックスをともにするだけの相手は複数人いると打ち明ける。 何もない日々をひとりで過ごす冬子と、自身の欲望に忠実な聖。 ある日、冬子はふとしたきっかけで 三束みつつかという年上の物理教師と知り合う。 そこから、冬子の日常が少しずつ変化していく……。

すべて真夜中の恋人たちの監督

岨手由貴子

原題
公式サイト
https://www.bitters.co.jp/subemayo/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
139分
ジャンル
恋愛
配給会社
ビターズ・エンド

『すべて真夜中の恋人たち』に投稿された感想・評価

4.2
東京国際映画祭、舞台挨拶回鑑賞
岸井ゆきの、浅野忠信、森田望智、川上未映子、岨手由喜子監督登壇

川上未映子さん原作を、岨手由喜子監督が映画化した作品

人との関わりを避けて生きてきた校閲者の女性が、年上の物理教師と交流を深めるなかで、自らの孤独や感情と向き合っていく姿を描く

岸井ゆきのさん、素晴らしい!
毎作品で魅せる熱演、本当に凄い女優さんです
負けず森田望智さんも、浅野忠信さんもとても良かったです

自分らしさを出せないでいる方には、とても響く作品と思われます
本当に良い作品でした


https://youtu.be/86Q-ylKvJMc?si=vNs34-Qkm5N_rkC8
KUBO
3.5
東京国際映画祭7日目。2本目はガラセレクションより『すべて真夜中の恋人たち』ジャパンプレミア。

川上未映子のベストセラー小説の映画化。監督は『あのこは貴族』の岨手由貴子。

校閲を仕事にしている冬子(岸井ゆきの)は、思ったことがはっきり言えない性格で、恋愛にも疎い。

親友の聖(森田望智)は真逆の性格で、本気の恋愛はしないけど、セフレや都合のいいボーイフレンドは何人かいる。

正反対の2人だが、友だちはそれぞれお互いだけ。浮いた話のない冬子は、聖にいじられてばかりだったのだが、

ある日、そんな冬子に偶然の出会いが。酔った冬子を介抱してくれたジェントルマンな高校教師「三束」(浅野忠信)に、冬子は心惹かれだす。

なんともぎこちない恋愛。よそよそしく、まるで授業のような会話の中にも、冬子は幸せを感じるようになるのだったが…

ともかく俳優陣の演技に注目。『ケイコ』とは全く違う岸井ゆきの。『ナイトフラワー』とは全く違う森田望智。そして、こんな浅野忠信も見たことない。

またナレーションを松坂桃李が担当。本来なら主人公「冬子」のモノローグなのだが、それをあえて男性の松坂桃李をキャスティングしたのは監督の岨手由貴子。ここにも注目。

舞台挨拶で岨手監督ご本人が、本作は「特に共感できるという訳ではないが」とおっしゃっていたが、恋愛に消極的だったり、逆にセフレだけでいいと嘘ぶいたり、本作の中には幸せな恋愛をしているキャラは出てこない。

それでも「真夜中」にひとり想いにふけるような人に送る映画であり、小説なのかな?

カンヌ映画祭「ある視点」部門にも出品された話題作。『すべて真夜中の恋人たち』は11月13日公開です。
DIZ
-
とても好きな映画だった。

私は小さい頃から、真夜中が好きだった。
その理由をちゃんと考えたことはなかったけれど、この映画を観て、なんとなくわかった気がする。

真夜中は、誰にも急かされず、誰にも決めつけられず、自分だけの時間が流れているように感じられるからなのかもしれない。

何も言わないことは、何も考えていないことではない。
答えを出さないことも、何も選んでいないこととは違う。

けれど世の中には、沈黙に耐えられない人が多い。
「どう思ってるの?」「好きなの?」「どんな関係なの?」
すぐに答えを求め、名前をつけ、誰かの心の中にずけずけと入ってこようとする。

主人公の冬子は、自分の気持ちにゆっくり、自分の時間軸で向き合っていく人だ。

悪く言えば、失敗することや傷つくことを恐れて、何も選ばずに生きてきた人なのかもしれない。
それでも、傷ついたら傷ついたままでいること。
答えが見つからなくても、そのまま抱えて生きていくこと。
それは実は、とても勇気のいることなのだと思った。

そんな冬子の時間を急かすことなく、ただそばにいてくれる三束さんが、とてもよかった。

ただ会話をする。
ただ一緒に歩く。
何かを求めるわけでも、確信めいた言葉を投げかけるわけでもない。
彼女が自分で考え、自分で答えに辿り着くまで、その時間を奪わない。

考える余韻をくれる人。
自分の時間軸や常識を押しつけてこない人。

そんな人は、思っているよりずっと貴重なのだと思う。

だからこそ、彼の優しさの奥にある人生が少しずつ見えてきたとき、胸が苦しくなる。
どうしてこの人は、こんなにも優しくなれたのだろう。
その優しさが、生まれつきのものではなく、彼自身が歩いてきた時間の上にあるものだと思うと切ない。

三束さんと出会ったことで、冬子は「自分のペースで生きてもいい」と初めて思えたのではないだろうか。

誰かの常識や速度に合わせて生きることへの息苦しさは、きっと以前から感じていた。
でも、自分を急かさない人と出会ったことで、その苦しさがより鮮明になったのだと思う。

人はすぐに関係に名前をつけたがる。
好きなのか、恋人なのか、体の関係があるのか。
そんなことばかりを気にしているうちに、いちばん大切な自分の心を置いてけぼりにしてしまう。

この映画が美しいのは、恋の答えを教えてくれるからではなく、答えが出ないまま誰かを想う時間にも意味があると教えてくれるところだと思う。

たくさん他人の光を受け取ってきた冬子が、ラストでは自分自身の光を反射しているように見えた。

自分にしかない光を見つけ、反射してくれる人に出会えたとき、人生は永遠に変わる。
たとえ、その輝きがほんの一瞬だったとしても。

私が真夜中を好きなのはきっと、その時間だけは、自分の速度で生きられる気がするからだ。

誰にも縛られず、誰にも答えを急かされず、自分の心の声だけを聞ける時間。

人生の中にそんな「真夜中」のような余白をくれる人に出会えたら、それだけで世界の見え方は変わるのかもしれない。

静かで、切なくて、長い余韻を残す、とても美しい映画だった。

最近は、こういうゆっくりと時間が流れる作品がとても好きです。

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