
砂漠のただ中にあるアディヴァラットゥル村。牛車で3人の男がやってくる。諸国放浪の武芸者マライコッタイ・ヴァーリバンとその師匠のアイヤナール、アイヤナールの息子のチンナッパイヤンだ。チンナッパイヤンは時に牛車の前を歩き、ヴァーリバンの武勇を大声で喧伝する露払いの役を務めることもある。村の広場に着いて気だるそうに降り立ったヴァーリバンは、椰子酒をあおりながら「見えるものは真実、見えぬものはまやかし」といつもの口癖をうそぶく。村で権勢を誇る巨漢の武芸者ケル・マランは彼を捻りつぶそうと襲いかかるが、素手のヴァーリバンにあっけなく倒され、村の守護者の地位を明け渡す羽目になる。 このように無敵のヴァーリバンの道場破りの旅は終わることがない。マーンコンボディニュールでは身分の高い女性マタンギと短い逢瀬の時を持つ。ヌーラーナタラコールでは踊り子ランガラニが嫌がらせを受けているところを助け、彼女から好意を寄せられる。しかし嫌がらせを邪魔されたチャマタカンという男は以降ヴァーリバンを執拗に狙い続ける。そのチャマタカンから挑まれた決闘の場マンゴドゥに赴く途中、牛車に乗せてやった娘ジャマンティは、やがてチンナッパイヤンと恋仲になる。 放浪を続ける中で、ヴァーリバンはアンバットゥール・マライコッタイにやってくる。 彼は過去にこの地でママランという男と対戦して打ち破り、そこから武芸者としての遍歴をスタートさせたのだった。しかしその後、アンバットゥールは西欧人の王に占領され、王は奴隷制と麻薬と重火器により人々を支配し、悪逆の限りを尽くしていた。王妃の誕生祝いの日に、ヴァーリバンは御前試合での賞金を目当てに参上したと言うが、すぐにそれを翻し、王の暴虐を終わらせるために戦うと宣言する。
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