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血とバラ
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『血とバラ』に投稿された感想・評価

4.0
「あるがまま」の難しさ

レファニュ『カーミラ』を題材とした、巨匠ヴァディムによるレズビアン吸血鬼もの。200年前の吸血鬼ミラルカが現代の女カルミラに取り憑いて、結婚間近のカップルを寝取ろうとするエロティックホラー。本当に吸血鬼なの?カルミラの精神異常では?って感じの余韻を残す『マーティン』の先駆け!

でも残念ながらアメリカ版(日本のテレビ放映版も)は、ミラルカのモノローグを追加することで解釈の余地を完全に奪い、作品の魅力を8割ぐらい(私の主観😂)減退させるクソ改変が施されているのが残念…。「私は吸血鬼♫現代のカルミラに取り憑いて悪さするよ😉」とかマジで要らないんだけど…。しかも15分くらいカットされてるらしいし。

同じくハマー影響下におけるフレンチホラーの傑作『顔のない眼』と同年代でありながら全く異なるアプローチで製作された本作は、プレイボーイとして知られるヴァディムのパーソナルな一面を投影させた私的な反抗…だと思う。ありのままの姿を出せば世間からスキャンダルと言われてしまう牢獄の中で、主人公カルミラに自身を投影させるにあたり、敢えて「精神錯乱者」とまで設定した上で、自身の中の等身大なありのままの欲望に正直にかつ能動的に突き進む姿を描く。

そしてそれは「吸血鬼」であるが故に、アウトローとして、そして「終わり」を約束された存在としての退廃的な感覚が付き纏い、自身を取り巻く出口のない牢獄性・存在としての不可能性を強調する。これは完全に世間に喧嘩売ってると思うわ🤣

「あるがままの内面」を、200年前の吸血鬼ミラルカの墓(200年間誰にも発見されなかったもの)から主人公は連れ帰る。今まで墓が発見されなかったのは、世間から「あるがまま」でいることを否定された故に絶対に見つからない場所に隠されたからであって、同様に「あるがまま」で居られなかったのであろう主人公が自身の深層領域とリンクさせた「隠された墓」という内面空間から「あるがまま」を救い出すというのが象徴的。

その発見のきっかけが、ナチスドイツの残骸である地雷の爆発というのが面白い。本作は監督が15歳の時に味わったナチス占領下で見た夢が着想となっているらしいのだけど、監督自身のパーソナルな過去の記憶をこじ開けるような意図を感じさせるし、あの顛末含め、「あるがまま」でいる自由が許されない抑圧を戦時中と重ねているような気もする…。

そんでやっぱり有名な「夢」のシーンがほんとサイコーだった!パートカラーの血はウィリアムキャッスルも『ティングラー』でやっていたけれど、やっぱり破壊力が凄い!そして死と再生を同時に水に託し、その「再生」に「あるがまま」をもたらせた上での転生とするあたりが素晴らしい!!ほんとラストのモノローグが全部台無しにしてるのが悲しい…😭完全版が見たいのだけど、有名な巨匠の作品なのに視聴難易度が高すぎるのが意味不明!しかも肝心のルノワールによる映像美も思いっきりトリミングされて台無しだし…😰見たのが不完全版だから、とりあえずスコアは無難な4.0で!
【澁澤龍彦先生のお気に入りと聞いて♡】
大林宣彦監督のお気に入りでもあるのですね。
(Wikiで読んだ)
アイルランドの作家シェリダン・レ・ファニュの小説「カーミラ(1872)」が原作の作品。
評価の高い作品なのに日本版が未ディスク化といういつもの展開につきドイツ版DVDで鑑賞いたしました。

原題はフランス語で"Et mourir de plaisir(そして喜びで死ぬ)"。
まず映画タイトルが美しい。邦題(英語圏版の直訳)も好み。
わたくしの中二心がくすぐられます。

美女、百合、ゴシック、お耽美、ヴァンパイア…
た、たまらん!こんなの無敵のコンボじゃん!!
文字だけ見てもテンション神上げでございます。
ずっと観たかったので鑑賞できて心の底から嬉しかったです。

この時代の女性の髪型やメイクは本当に素晴らしい。
爆イケのビジュで目が幸せ。
上記の要素があるだけで無条件に高評価です。
あと劇伴が良すぎました。
中盤ハープの音色に鳥のさえずりを重ねる演出が美し過ぎて耳まで幸せ。最高です。

時おり現実と虚構(夢なのかな?)を曖昧にした白昼夢の様なカットがあり幻想小説を読んでいる気持ちになりました。
特に後半の白黒に赤色を映えさせるシーンは映画史に残る神演出だと思います。
終始良い夢感。

そしてヴァンパイアものと言えば美しさと哀愁。
ちゃんと作品に活かされておりました。
そのままの彼女では叶わなかった恋。人間とは違う定めで生きてゆく哀しき女吸血鬼。
その存在自体が唯美そのもの。
本当に本当に素晴らしい…

他の方のレビューにもあります通りヴァンパイア映画にしては血糊が少なくその点だけ残念に思いますが、ヴァディム監督の女好きを芸術に昇華できる素晴らしい才能に改めてリスペクトでございます。
benno
4.0
冒頭から全編を通して流れるハープの旋律がどこか哀愁を帯びて切なく響きます

今作は1872年にアイルランド人作家シェリダン・レ・ファニュによって書かれた《吸血鬼カーミラ》という怪奇小説を基にした作品

バンパイアと言えばブラム・ストーカーの《吸血鬼ドラキュラ》(1897年)が有名ですが…今作の原作はそれよりも20年以上も前に書かれた作品です

決定的な違いはドラキュラは男性ですが…今作のカミーユは女性だということ…



舞台はイタリア…結婚を控えた貴族のレオポルドとフィアンセのジョージア

レオポルド家には吸血鬼を先祖に持つという伝説があり、200年前に実在したという女吸血鬼ミラーカの肖像画が飾られていました

そしてそのミラーカと瓜二つの美貌を持つのがレオポルドの従妹カルミーラ…彼女は密かにレオポルドを慕っていました

ある日、お屋敷で仮装パーティが行われ、メインイベントの花火が夜空を彩ります

しかし花火による爆発事故が発生…ミラーカの墓の封印が解き放たれ彼女の魂がカルミーラへ…

    全ては失われた愛を取り戻す為…



      •┈┈┈••✦☪︎✦••┈┈┈•



幻想的な風景にふたりの対照的な美女カルミーラとジョージア…とても甘美で官能的です

白眉なのはカルミーラがジョージアの唇に一滴ついた血を吸おうとするシーン…レズビアンの仄めかしが耽美の極地

「 でも、一滴では足りないわ…」


そして計算されたかのような赤と白のコントラスト…時にカラーからモノクロへ…真っ白なドレスに滲む鮮血…モノクロの中で赤だけはカラーで強調した映像は悍ましさよりも美麗

撮影監督はクロード・ルノワール…ジャン・ルノワール監督の甥です

また近未来的な手術室…窓を開けるとそこは水の中…死んだはずの召使が泳いでくるシーンはとてもアーティスティック…演出も冴え渡ります

カルミーラを演じるのはアネット・ヴァディム…名前からもわかるようにロジェ・ヴァディム監督の奥様です…美しい女性が大好きな監督さん…女性を美しく魅せるのもとてもお上手…ෆ*

今作はドラキュラ映画らしい残酷なシーンはほとんど無く、悲しい三角関係を描いたŁØνЁストーリー

しかしラストは…( ゚o゚!)えぇっ!!


✎︎ カーミラにミラーカにカルミーラ…もう少しわかりやすい名前にして欲しいですს

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