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男ありて
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『男ありて』に投稿された感想・評価

昔、母親と黒澤明監督の『生きる』の志村喬について話したことがあった。その際、母親が「小さい頃に映画館で観たけど、志村喬が火葬場の煙突を見ているシーンが一番印象に残ったわ」と言った。
 
「はてな、『生きる』にそんなシーンはなかったけどな」と思いつつ、それからしばらく後に本作を観た時に「なるほど!おふくろが観た映画はこれか!」と膝を叩いた。

これをうちの母親は『生きる』と混同していたのである。
 
澤地久枝著の志村喬伝記本のタイトルにもなった志村喬の主演映画。これも未だDVD化されていないのが大変勿体ない。
 
志村喬作品としては、『生きる』他一連の黒澤作品、『ゴジラ』と共に絶対に外すことのできない作品だと思う。
 
中日ドラゴンズ黎明期を支えた名将・天知俊一(あの天知茂の芸名の由来になった人ですね)をモデルに、野球一徹で家族のことなんか省みなかった老監督の野球人生最後のシーズンを描いた佳品。
 
妻役の夏川静江が良かった。娘役の岡田茉莉子も良かった。チームリーダー役の三船敏郎も良かった。でもやっぱり泣かされたのは志村喬の名演である。
 
前述の火葬場の煙突を静かに見つめる志村喬、墓前に語り掛ける志村喬、妻と楽しそうにお好み焼きをつつく志村喬、一世一代の試合でグラウンドに立つ志村喬、いずれも素晴らしい演技である。
 
いや、ここまでくると演技とかではなく、もうあたかもそこにベテラン二十年の老野球監督が実在し、彼の生きてきた人生がこちらにも透けて見えるかのようだった。
 
ちょっと現代からすればこんな家庭を省みないお父さんは顰蹙を買いそうだけど、でもそういうような生き方しかできなかった男がかつていたことは事実。そして仕事をしていたときが一番輝いていた男がいたのもまた事実。
 
昔、キャサリン・ヘップバーンが亡きスペンサー・トレイシーを偲んで、「夏の風のような人、古い樫の木のような人、そして男が男だった時代の人でした」というコメントを残しているが、まさにこの映画もそんな時代の名画だった。

■映画 DATA==========================
監督:丸山誠二
脚本:菊島隆三
製作:渾大防五郎
音楽:斎藤一郎
撮影:玉井正夫
公開:1955年5月10日(日)
3.0
いちおう取材はしたらしく、50年代のプロ野球選手のそこそこリアルな生活風景がうかがえるのは興味深い。ホームドラマの主役に野球の監督をすえたことで、監督と若手選手の軋轢が、舅と婿的な対立へと近似していくのも新鮮。ただ、家庭をかえりみない昭和親父の反省を見せることが、むしろ家父長の業深さの容赦へとかたむいているのはあきらか。であるなら、中途半端に家庭のお涙ちょうだいへと落着するよりも、男の突き抜けたエゴイズムを皮肉る悲喜劇へと発展したほうが潔い。そういう意味では、まさかの「キャッチャー・俺!」が大活躍するクライマックスは常軌を逸しておりよかった。玉井正夫が撮る、窓を開放した日本家屋の二階があいかわらず絶品。屋根上にある井戸タンクとか最高。岡田茉莉子のエプロンで手をぬぐう志村喬の地味にムカつく所作など、こまやかな演出が光る。
【詳述は、『男ありて』欄で】40数年ぶりかに観て、やはり志村最良渾身の演技と、端正精励なタッチには、心打たれるが、やはり、脚本家はプロ野球界とルールというものをどの程度ご存じなのか気にはなる。勝手に映画の為に曲げちゃったのか。

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