途中まで鑑賞

記録

　仙台のJICA主催上映会(9/12)で観てきました。
　私がフィリピンの『スモーキーマウンテン』を知ったのは、15年くらい前のNHK『アジア発見』です。そして『BASURA バスーラ』を知ったのは一年前なのですが、四ノ宮浩監督の前二作『忘れられた子供たち スカベンジャー』と『神の子たち』は知りませんでした。アンテナが低かったな...。
　開発途上国に対する見解は、かなり個人差があり、開発途上国の現状を変える事も、とても難しかったり微妙だったりします。
　フィリピンでも様々な問題が山積みです(敢えて『問題』という言葉を使います)。その反面、客観的に見ると『どっこい生きている』と言うイメージがあります(決して差別の意はありません)。
　時と場合によると思いますが、彼らが明るく生きていると言う事が、決して『問題』と言い切れない部分だと思います。価値観の違いや文化の違いは底知れないです。
　文化を否定するつもりはありませんが、『学ぶこと』は、自分や家族、ひいては社会を守る事に繋がると思います。学んだ上での文化と言うなら、私的にはしっくり来るのですが...。
　これは『学ばない文化』の否定かもしれませんが、学びたくても学べないのが真実であり、もっと(彼らの見解で)良くなれる可能性を秘めていると思いたいです。
　本作品は、ゴミ拾いによる不衛生を皮切りに、貧困問題を表現しています。児童買春や政治汚職など、複雑な事がいっぱいです。漠然としている貧困問題を、だいぶ理解しやすいようにまとめられています。
　ただ時々、とても小奇麗で先進的な街のエリアも映し出されるのですが、この作品は、フィリピンの上流/中流階級の暮らし自体には、殆ど触れてません。これがあると、同時に格差社会も強調できたように思いました。
　それにしても四ノ宮監督のバイタリティと拘りと志を感じる作品でした。