DVDのパッケージにもあるようにマット画で戦艦大和やってるとしてバカにしてたら結構本気の特撮と大規模なセットだった。「連合艦隊」のカラーと本作の白黒や俯瞰ショットのオモチャ感は否めないが、そんなに大きな差を感じない。戦後8年で本作作るなんて驚きだ。若き高島忠夫が出演。本作見る前に最後の生き残り八杉康夫の証言ドキュメンタリーを見ていたのでリアリティーある映画に見える。ただただ、悲惨だ。撮影にハリー三村。音楽は、芥川也寸志。応援監督に松林宗恵。この監督どんだけ前から大和映画関わっているのやら。

• #戦艦大和
• #八杉康夫
• #松林宗恵
• #ハリー三村
• #芥川也寸志

モノクロ。
戦争は空の時代へ変わろうとしていた。そんな中作られたとてつもない規模の戦艦、大和。
厳しい戦況の中で大和は…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
戦争を知る人達が作っている分重みがある。60年以上前の作品なのに素晴らしい特撮、戦闘機のエンジン音が恐怖に感じるほど
人間ドラマも丁寧
散るしかないという悲し過ぎる選択‥

2019 8 日本映画専門チャンネル

◎大和サバイバー監修 多彩な乗組員 特攻の無謀

1953年 新東宝 モノクロ 104分 スタンダード
＊僅かにホワイトノイズあれど画像鮮明

1955年の大蔵貢社長就任以前の、まだ文芸路線を堅実に守っていた新東宝作品なので、文学座所属の中村伸郎や宮口精二らも招いたオールスターキャストによる史上初の戦艦大和を撮った映画。

監督は青年期にハリウッドの無声映画に俳優としてデビューし早川雪洲（1886-1973）の知遇も得て内弟子となって活躍したのち帰国して映画監督になったジャッキー阿部豊（1895-1977）。
今回のシネ・ヌーヴォの新東宝特集で俄かに個人的注目監督となった小森白（1920-2003）の師匠でもあり、本作でも助監督をつとめている。

文字通り大家であるジャッキー阿部の作品だけあって、本格派としての風格があり、ミリオタ方面からも名作として高く評価されているようだ。

特に、撃沈した大和で実際に副長だった能村次郎（本作では藤田進が演じている）がアドバイザーをつとめ、船内での乗組員のルーティン等についての考証はしっかりと行われ忠実に再現されているようだ。

逆に、淡々とし過ぎてドラマに欠けていることも確かで、序盤過ぎたあたりで少しウツラウツラしてしまった。

本作は実録風を旨とし、声高に反戦を唱えるような作りにはなっていないが、高田少尉（高島忠夫）大阪弁で平然と、大和はピラミッド、万里の長城と並んで世界三大無用の長物じゃと言い放ったりする。

アメリカの日系二世で慶應に留学中に徴兵された中谷少尉（和田孝＝和田桂之助）は、その出自自体をとやかく言う者もいたが、高田が庇ってやるシーンがあった。

何より心が痛んだのは、米軍機からの雨霰のように襲い来る爆撃に恐れて伝令の役が果たせずに戻ってきたシーン。
それでも、本作の原作者である大和サバイバー吉田満がモデルと思われる吉村少尉（舟橋元）に励まされて再度伝令に向かわなければならなかった。

そうした個性的な乗組員のほとんど（史実では3332人のうち276人のみが生還）が無惨に落命する様を描き、乗員たちが誇りを持っていることを良いことに命ぜられた「水上特攻」の無謀さを見せつける。

ただ惜しむらくは、物語のほとんど９割以上が大和船上、内部で展開し、敵方アメリカサイドの描写が全くないので、彼らの実際の立ち位置がさほど具体的な像を結んで来ない恨みは残る。

《参考》
＊1 新東宝データベース1947-1962 戦艦大和
nipponeiga.com/shintoho/film/1953/19530615.php

＊2 「戦艦大和　映画」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

＊3 戦艦大和
1953年6月15日公開、104分、戦争
moviewalker.jp/mv23574/

＊4 幻想館　戦艦大和
www.ne.jp/asahi/gensou/kan/eigahyou31/senkanyamato.html

＊5 映画音楽書物遊戯等断罪所
戦艦大和　（モノクロ）　2006/01/2500:22
danzai449.blog19.fc2.com/blog-entry-2701.html?sp

＊6 うろぱす副船長のＹＡＨＯＯ映画レビューの加筆･修正
新東宝映画「戦艦大和」の感想
2014/11/12 23:10
uropasu88.blog.fc2.com/blog-entry-85.html?

＊7 Ｂ級おもしろ映画館
「戦艦大和」昔の新東宝映画が面白い！
2021-07-20 21:03:23
ameblo.jp/jwtaka/entry-12687580182.html

＊8 I LOVE CINEMA
映画【戦艦大和】感想(ネタバレ)
2021.12.30 2022.03.15
umemomoliwu.com/senkanyamato

＊9 映画のとびら ＃018
アルキメデスの大戦　2019年7月26日公開
www.odakyu-card.jp/news/information/feature/2019/07/19/33158/

《上映館公式ページ》
シネヌーヴォ日本映画大回顧展
新東宝 映画まつり
　Preseted by 新東宝キネマノスタルジア
2024.7.6〜9.6 シネ・ヌーヴォ
www.cinenouveau.com/sakuhin/shintoho2024/shintoho2024sakuhin3.html