⚪概要とあらすじ
事故によって家族と痛みを感じる感覚を失った男が、愛の痛みに苦しむようになるプロセスを描く韓国の感動ドラマ。

交通事故で家族を失い、後遺症で痛みを感じなくなったナムスン（クォン・サンウ）。自らの体を痛めつけて、相手を脅して借金を取り立てる日々を送っていた。そんなある日、ナムスンは父の借金を抱えたドンヒョン（チョン・リョウォン）と出会う。家のないドンヒョンと暮らすことにしたナムスンは、血友病を患いながらも明るく生きるドンヒョンに惹かれ始めるが…。

⚪キャッチコピーとセリフ
“どんなに殴られても痛みを感じないのに、お前が泣くと胸が張り裂けそうだ－”

｢胸に湿布を貼ったような感じ｣

⚪感想
正反対の2人のラブストーリー作品。

切ない辛い泣く。

韓国映画の主人公借金取りが多い気がするし、奥手の主人公と割と強く出るヒロインのラブストーリーも多い。

あらすじをサラッと読んだから痛みを感じない男性と少しの怪我で死んでしまう女性の特殊な設定のラブストーリーかと思ったら、無痛症の男性と血友病の女性の物語で実際にある病気を設定にしている映画だった。

韓国映画は血と愛に飢えている。
それぞれの孤独感や苦しみ、もがきがシンプルに伝わってきて苦しい。

アクションはどちらかと言うと痛めつけられる方が多かった。

無痛症はテレビで取り上げられていた事があったり、二次創作で使われがちな病気でもあるから分かりやすかった。
｢痛みを感じない｣=｢無敵で生きられる｣と思いがちだけど自分の知らない間に大きな怪我をしていて死ぬ可能性もあれば、温度も感じないから火傷や凍傷を避けにくくなる。
仰天ニュースで先天的な無痛症の人が｢柵を登って遊んでいたらお腹に飛び出ていた釘が刺さったけど気づかなかった｣みたいな話を放送していた気がする。しかもその家族はみんなある程度の無痛症で遺伝していてみたいな。

血友病は血が止まりにくくなる病気。この病気も映画かテレビで聞いたことがあるような。今作でもあったけど女性の場合だと生理があるからより大変な病気だと思った。

クォン・サンウ演じるナムスンの不器用な人柄と表情が良かった。
チョン・リョウォン演じるドンヒョンは角度によって全然違う人に見えた。
マ・ドンソク演じるボムはあんまりいい人じゃなかった。
キム・ヒウォンの警察は馴染んでる。

ところどころツッコミどころとラストの残念さがあったけど個人的に設定と演じていたクォン・サンウの表情が良くって好きだった。



⚪以下ネタバレ



自らの体を痛めつけて借金を取り立てるってと思ったらそういう事か。自分の身が相棒から痛めつけられたり、自分で痛め付けることによって同情を誘うのか。

交通事故の後遺症で無痛症を患い痛みを感じない。
たまに不老不死になったらとか痛みを感じなくなったらって思うんだけどそうした中でいちばん辛いのは周りが心配してくれないことだと思う。自己犠牲で救ったところでお前はその体だから大丈夫だろってなるのが苦しいよなって。
だから今作の上司のボムの扱いとそこで苦しむナムスンはそこに繋がると思う。

個人的に普段の生活の中で生きている実感て凄く難しいと思って、一つの確かめる方法として痛みが存在しているように思える。だからナムスンは自分が生きている実感を得ず生きていて、やっとドンヒョンという存在を通して生きていることを実感できたのかなと。
リストカットも批判されがちだけどこの一種だと思う。痛みや赤い血を見ることで生きているんだなと精神を安定させるような。

ナムスンとドンヒョンのドタバタ恋愛が可愛い。
ドンヒョンがナムスンの家を可愛くアレンジしちゃうのが素敵だし、接着剤で2人の手がくっ付いちゃうの可愛いし、しかも自力で外せなくて病院なの面白いし、朝勃ちにぎゃあぎゃあしているのはびっくりするし、言葉多めの喧嘩が面白い。
辛いもので治療とドンヒョンがアーンするのがキュン。そのあと病院でのシーンでイチゴをナムスンが確かめるように食べるのが切ない。

ナムスンもドンヒョンも互いを思いやるばかりに健康な人と幸せになって欲しいっていうのが切なかった。

ラストはナムスンが飛び降り、ボムは騙されナムスンが飛び降りる場所にトラックを用意出来ず、ドンヒョンは駆けつけたけれど間に合わず。結果ナムスンは死んでしまう。
ドンヒョンがなぜナムスンがここにいるのか分かったのかがちょっと。アクセサリーを売っている時に同僚がそのニュースを見ていたけどそこでわかったとして...みたいな。
それならドンヒョンが知らないところナムスンは死んでいてラストの頼みの回想でも良かったのでは。
わざわざドンヒョンの足に飛び出た釘が刺さる必要性も感じないし。

同じ韓国映画の『ただ君だけ』はラブストーリーで主人公の男性が前に借金取りでヒロインは目が不自由という病を抱えていたり、『傷だらけのふたり』では主人公が借金取りでヒロインが借金取り先で出会うと今作と結構似ていると思う。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。

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痛み感じないボーイと怪我したらすぐ死ぬガールの恋。キラキラ系青春邦画っぽい設定だけど中身はゴリゴリの韓国映画。

ＴＨＥ韓流映画って感じの設定でした。

とは言ってもポップな感じから急にお涙頂戴に切り替わるアレではなく、終始静かなパターンの方なので見やすかったです。

主人公のクォン・サンウって人、妙に地味な感じがしたんですが人気者なんでしょうか？？演技派って事は分かりましたよ。。

• #片腕２０１２年公開映画