桃子

四枚の羽根の桃子のレビュー・感想・評価

四枚の羽根(1939年製作の映画)
4.1
「汚名を晴らす!!」

原作は、アルフレッド・エドワード・ウッドリー・メイソンが1902年に書いた小説。サイレント時代から6回も映画化されているそうである。イギリス人って、こういう物語が大好きなんだなあ。
一番ポピュラーなのは、やはりシェカール・カプール監督の「サハラに舞う羽根」だろう。未見だったが、主人公を演じているのが大好きなヒース・レジャーなので是非見てみたい。
先日、ステイホームの期間中に映画のVHSやDVDを整理していて発見した。例によって(笑)購入した記憶が全くない。いつどこで何故買ったんだろう?理由があったはずなんだけど…
試しにPCのトレイに入れてみたら、認識してくれて見られるではないか!私のPCはめっちゃ古くて、たいていのDVDは撥ねられるのである。
監督はゾルタン・コルダ。主演はジョン・クレメンツ。相手役の女優さんはジューン・デュプレ。全員知らない人たちだ。1939年のヴェネチア国際映画祭でビエンナーレ賞を受賞しているということで、それなりに評価されたのだろう。
テクニカラーが美しい。軍服の赤い色など、とても惹きつけられる。SFXもCGもない時代だから、砂漠の戦闘シーンはアナログである。「砂漠を生める大群衆を動員した戦闘場面は映画史上の語り草になった」とDVDのパッケージには書かれてあった。こういうシーンは「アラビアのロレンス」に繋がっているのだろう。
ストーリーはとてもシンプルである。臆病者とさげすまれ、3人の親友と婚約者から絶交の印である白い羽根を渡された主人公ハリーが、戦場に出向いて汚名を晴らす。ただそれだけの物語なのだが、戦争という極限状況で展開されているせいか、非常にエモーショナルで、ひしひしじわじわと胸に迫ってくる。
「戦争には行きたくないから軍隊をやめる」と言う彼氏に対して、はいそうしましょうと付いていくのではなく、あなたとはお別れよ、と振ってしまう彼女、残酷だなあ(笑) まあ当時はそういう風潮だったから仕方ないけど…
なかなか見るチャンスのない古い映画を見られて良かった!家の片付けをしていると、思わぬ好機が巡ってくる。家にはまだまだ未見のDVDやVHSがあるので、少しずつでも見ていこうと思っている。
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