“今夜、僕は死ぬかもしれない。”

とんでもない映画に出会ってしまった。今や映画館はSF大作が占め、他はスマホでスキマ時間にちょっとずつ観るという便利なようで虚しい時代になってしまったけど、この映画はそれを許さない。製作者や役者のメッセージやこだわりが全てのシーンから溢れ出して一時も目が離せない。

この映画を観終わった後には青春時代を懐かしむ人もいるだろうし、落ちるほどの恋をした事を思い出す人もいるだろうし、ただその全てを羨む人もいるだろう。自分の場合だと終始胸がドキドキしてそれと同時に痛かった。何か自分の過去と重ねていたのか、それとも過去にやってこなかったことを悔やんだのか。

美しすぎる主演の二人や、70年代のファッション、文化、音楽、そしていつの時代も変わらない恋に落ちた時の感動や嫉妬、青春時代の輝きと痛さ、その全てを真空パックに包んだような作品で50年前の物だと思えない程のセンス。構図や色合いが素晴らしいのは言うまでもなく、まさに一時間半の魔法で、映画とはこれだと思い出させてくれる。

タイトルの“Deep End“はプールの底や一番深い場所という意味。まさにこの映画はハッピーでもバッドでもなく“ディープエンド”に向かって沈んでいき、私たちの心の中に確かにあるものを窒息させる。今までボーイミーツガールの恋愛映画はあまり好みじゃなくて、おススメを聞かれた時には“バッファロー66”くらいしか言えなかったのだけど、次からはこの映画も必ず加えよう。あぁ今夜死んでもいいかもしれない…。

• #発掘良品が優秀

ちょっと想像していた映画と違いましたが、なかなかよかったです。美少年が同僚の美女に恋をしていき過ぎた求愛をする内容です。痛々しい主人公に共感するのか応援したいのかなんなのかわかりませんが、ずっとみてられます。印象的な色が使われていたり、監督のうまさもあるのかもしれません。ラストシーンも良かったです。

スコリモフスキ監督の幻の代表作がついにデジタルリマスター版で甦る！
待ちに待った本作、童貞青春映画の傑作で御座いました！

思春期に突如芽生えた恋心&性の初期衝動が沸き立つ少年の実像よ。

そうだったそうだった、年上の女性に惹かれる子供の気持ちって本当にこんなんだったわ。
痛々しくて、不様で、でもひたすら一所懸命で。
すっかり忘れてたけども中学生の頃、教育実習に来た先生をガチで好きになった時の記憶が沸々と甦ってきましたね。

ロンドンの公衆浴場を舞台に、
15歳のうぶな拗らせチェリーボーイが同僚のお姉さんに恋をした！

婚約中であるスーザンの気まぐれな性事情に苦悶しながらも、一途な思いを体当たりで表現し、振り向かせようと躍起になるお子ちゃまマイケル君。

年上で手の届かない存在だからこそ、
突飛でアホ過ぎる行動に邁進してゆく姿こそが男の原点なんだよ。
そうやって少しずつ大人に、男になってゆくんです。

ジェーン・アッシャーってふっくらした顔のイメージしかなかったけど、この頃(ポールと別れた後)は頬も細くて抜群に美しい！

ホットドッグのやりとりが地味にお気に入り。
あとBuzz off!!やPiss off!!なんて言葉が飛び交うのも、あぁ今イギリスの空気を体感してるなぁという気分にさせてくれます。