出発の作品情報・感想・評価

「出発」に投稿された感想・評価

テンションが不安定な主人公。一度割れた鏡。逆再生。JAZZとともにインサートされる水着の女性。走る車が画面の真ん中に。かつらと三つ編みの使い方。服の交換。疾走するポルシェ。映写機。真っ二つに切断された車。
いち麦

いち麦の感想・評価

3.0
《イエジー・スコリモフスキ特集》軽妙にシーケンス繋がる青春暴走劇。ポルシェに惚れ込みハイテンションではしゃぎまくるジャン=ピエール・レオが眩しい。鏡との戯れ、車の開き等印象的。ジャズの疾走感とシャンソンの余韻に浸かる。
mimicot

mimicotの感想・評価

3.7
ブリュッセルの街なかを走り抜けるポルシェがカッコイイ
モノクロ映像と、ジャズのメランコリックな響きがムードを盛り上げます。

何が何でもポルシェを手に入れたい、レースのことしか頭にないマルク(ジャン=ピエール・レオ)
そこまで夢中になれることがあるって素敵なことだと思うけど、会話の妙とオーバーアクションは未成熟で見ていて疲れる。

場面に見入っていると、次の瞬間パッと別の映像に変わるカット割りの斬新さ。
真っ二つに分かれたオースチンの車体が合体していくスタイリッシュな演出!
そしてマルクとミシェルの間に芽生える小さな蕾。
綿菓子のような甘さに触れたなら...新しい一歩を踏み出せるかな。

イエジー・スコリモフスキ監督によるマルクの青春成長物語。
マグリット・デュラスはカンヌ映画祭上映時に本作を観て熱狂したそうですが、バッファロー66のヴィンセント・ギャロもきっと好きだとわたしは思う。
半兵衛

半兵衛の感想・評価

4.3
ジャン=ピエール・レオ&カトリーヌ・イザベル・デュポールの起用や、奔放なカメラワーク、物語を断ち切るかのように挿入される音楽などヌーヴェルヴァーグの影響が濃い一作。そのため見ていて少し気恥ずかしかったりするが、車への想いから暴走する少年の青春物語とハマっているのも事実。

カーレースに出たいがためにあれこれして車(ポルシェにこだわっている)を確保しようとする少年をレオが見事に好演し、落ち着きのなさや奔放な言動といった無邪気さや女性への対応から醸し出される童貞っぷりなどを過不足なく表現している。

主人公が着るコートやよく食べるソーセージ、熟女から誘惑されるくだりなど同監督の代表作『早春』を思わせる展開がいくつかあるのが興味深い、ただし年上の女性に翻弄された『早春』と違ってこの映画のヒロインは同世代の少女で主人公に対し健気についてくるタイプなので大分印象が違っている。そして主人公と結ばれることを願うヒロインとそれを無視してひたすらカーレースへの夢を追い続ける主人公の初々しいやりとりに観客は自分の青春時代の思い出を重ね、もだえたりイライラしたり胸キュンしたりするはず。キスシーンのなんと切ないこと!

だからこそカーレースをあきらめ、現実を受け入れたかのようなラストシーンがグッと胸に来る。レオがヒロインを見る視線、そしてレオの静かな姿に大人への一歩を踏み出したことの苦みと覚悟が伝わる。そしてラストのフィルム焼却が少年時代を思い出として切り捨てたような切ない余韻を残していく。

ヌーヴェルヴァーグチックの瑞々しいカメラワークが青春ドラマを盛り上げる、特に主人公とヒロインがもち運ぶ大きい鏡や二人が乗る切断された車のシーンの美しさは必見(椎名林檎がMVで車を切断したのはこの映画の影響か?)。

軽快な音楽の数々も最高。
昼寝

昼寝の感想・評価

4.0
盗んだポルシェで走り出せないかわりに違う意味で走り出す。ライトな『早春』にヌーヴェルヴァーグを添えて、って感じだった。『早春』ほど胸につまる切実さはないが、割れる鏡の逆再生とか、ラストの焼けるフィルムとか、演出がおしゃれで良かった。ジャン=ピエール・レオーがかっこいいから、僕はこっちのほうが好きかも。ヌーヴェルヴァーグのパクリだけど。
 本作の面白い点は、スコリモフスキ監督がキャストや撮影クルーと言葉での意思疎通ができないので、身振り手振りで演技や演出を指導しながら撮られた作品であること。(それぞれ国籍が違うので共通の言語で話せない)
 なので、本作の演出や主人公演じるジャン=ピエール・レオの演技などから感覚的に撮られた作品なのが覗える。

 ヒロインのトレンチコート、ソーセージの屋台、主人公を誘惑する熟女など、同じスコリモフスキ監督の傑作『早春』に繋がっていくモチーフがこの作品の時点で見受けられる。
 (冒頭でスクーターのエンジンがかからないから自らの足で走っていく場面や、ヒロインと出会って車内で話してるところをガソリンスタンドのメーター越しにとらえたショットは『卒業』を想起させる)

 そして、『早春』と同じくリビドーで無軌道に突き進んでいく主人公を追ってく話だが、本作はすんでのところで破滅への道を回避する。
 それは、『早春』が滴る血のクローズアップで始まったように、主人公が路面電車の前に横たわるがその手前で横に逸れて行く場面で結末を暗示してるかのよう。

 展示車の運転席でオッサンが失神してる(もしくは死んでる?)描写も、主人公がレースに出ればその先に破滅が待ってることを予言する場面なのだろうか。

 もう一つ『早春』と違うのは、ヒロインもかつて主人公と同じような経験をしたという点。
 宿に泊まり、それぞれベッドと地べたで寝ようとするが、お互いに相手の寝顔を見ようとそ~っと覗き込んだら目があってテンパる場面が可愛らしい。

 全編クシシュトフ・コメダ氏のジャズで彩られ、台詞だけでなくSEまでもほとんど廃されているが、主人公がレースに出るのを諦めた時に初めて車のエンジン音が大きく鳴り響くラストも秀逸。
LEONkei

LEONkeiの感想・評価

3.7
出来ると思った事しかやらないのか、或いは出来ないかもしれないがやってみるか。

例え叶わなくても本当にやってみたいと思うなら、やってみる事が尊いと言うことなんだと。

『出発』を〈しゅっぱつ〉と読むのではなく〈たびだち〉と読ませ、孤高の青年は社会の厳しさに戯れ葛藤し一直線に疾走する。

ヌーヴェルヴァーグの香りを感じさせる映像とシンメトリーな構図は美しく、時折りハッと息を呑むシーンで現実に引き戻される。

主人公の刺々しい不安定な感情は自己中心的で困惑するが、重なる会話や奇天烈な行動に惑わされながらも強い意思を感じる。

思い通りにならない人生も生き続けていれば、様々な経験を積み重ね人間は必ず成長する…、ある時、ふっと気づく。

尊さを知れば、優しさが生まれる..★,
R

Rの感想・評価

2.0
イエジー・スコリモフスキ監督の青春映画。

ポルシェを拝借して乗り回して、レースに出場したくて(車種変更できず)ポルシェを手に入れようとするのだが…、という感じの話。

ジャン=ピエール・レオらが出演している。
Sari

Sariの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

2021/04/17 DVD

主演ジャン=ピエール・レオー&カトリーヌ=イザベル・デュポール、撮影ウィリー・クラントともにゴダール監督『男性・女性』(1966)のメンバーで撮ったヌーヴェルヴァーグのような作品。
ポルシェでカーレースに出場する事を夢見る美容師見習いのマルク(レオー)の衝動的行動を詩的に綴った青春映画。
冒頭の車の疾走シーン、展示会場の車に試乗するレオーとデュポール、その後真っ二つに切断される車を回転で移したカメラワーク、
レオーが腕の筋肉に安全ピンを刺し抜く場面、口の中から火のついた煙草を出して吸う…などハッとするような映像が所々挿入されていて魅入ってしまった。
レオーの突飛な行動がクシシュトフ・コメダのジャズに乗ってスピィーディに描かれるのとは対照的に、バイクにふたり乗りをして見つめ合う場面などではクリスチアーヌ・ルグラン(ミシェル・ルグランの姉)の歌う物憂げなシャンソンが用いられており
後先を考えず生き急ぐ現実から、夢の中へ逃避行するような感覚的で美しい映像だった。
スコリモフスキ作品の中ではそこまでハマらなかったけど真っ二つに割れた車で男女が見つめ合う所はショット、演出、照明、視線の動き、全てが神懸かってたわ 最高です
>|

あなたにおすすめの記事