映画大好きそーやさん

8 1/2の映画大好きそーやさんのネタバレレビュー・内容・結末

8 1/2(1963年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画に出逢うために、映画を観続けてきたのかもしれません。
そう思えるほどに、全編に渡る美しい混沌に打ちのめされてしまいました。
初のフェデリコ・フェリーニ監督作でしたが、見事に心を撃ち抜かれました。
これを大傑作と言わずして、何を大傑作と言うのでしょう。
空想と現実が入り乱れるカオスは、まさにクリエイターの苦悩と葛藤を薄めることなく吐き出しているようで、そんな異次元のストレス世界を疑似体験することになる本作は、正直狂っていると言っても過言ではありません。でも、それでいいんです。
狂気の果てに続くは大団円。映画史に残る名台詞とともに、解体前の大規模セットの上で、人生におけるキャラクターたちが円形に回り出します。
楽しげに踊る様は人生賛歌のようにも思え、マルチェロ・マストロヤンニ演じるグイドの選択を踏まえてみても、素晴らしいラストとなっていました。
もうこんな体験は2度と味わえないかもしれませんが、本作に出逢えたというだけで、これからも映画を観続けていくことができそうです。
これからもよろしくお願いします。