母の葬式が済んだ喪服姿のゆり子は、粉雪の中を去っていく恋人信太郎を見送りながら、永遠に別れる決意を固めるのだった。しかし、ゆり子の心の中には...。純愛コンビ吉永・浜田が誠実な人生、若い世代の愛情を厳しく追求し、愛しながらも別れていくという石坂文学の抒情豊かな哀愁感動篇
朝霞たちこめる山あいの湖水に、一隻のボートが浮かんでいた。中には十七、八才の少年と少女が寄り添って、美しく眠っているかのように横たわっていた。その姿は死という暗い名を与えるには、あまりにも…
>>続きを読む東京の大学に通う岩垣が帰省したのを機に集まった旧友たち。だが岩垣は出資者の女中に手を出し追い出されてきた身で、ある者はそんな彼を責め、またある者はかばおうとする。今や異なる境遇で暮らす彼ら…
>>続きを読む昭和34年、美術教授の安西は、性的告白が綴られた日記を後妻の郁子にそれとなく盗み読みさせるという遊戯を始める。これによって、名器を持ち淫蕩な体質でありながら慎み深い妻の性衝動を解放し、かつ…
>>続きを読む奉公人との仲が父親の知れ、女学校に送られた織元の娘・雪絵。左翼新派の教師と恋仲になるも、父に結婚を反対され駆け落ちしてしまう。だが、2人は警察に捕らえられ離れ離れに。地元に戻った雪絵は、実…
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