茜

月に囚われた男の茜のネタバレレビュー・内容・結末

月に囚われた男(2009年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

あのデヴィッド・ボウイの息子さんの長編映画初監督作品だそうで、もはやそれだけで興味津々。
制作費も少なく、製作期間も僅か33日との事ですが、そのような雰囲気を全く感じさせない映画だったと思う。
宇宙空間やステーション内のセットも、そんなに安っぽく感じられなかった。

お話としては、辛く切ない気持ちになる、自分にとっては苦手なパターンだった。
クローンや機械が心を持つタイプの物語って、大概悲しい雰囲気になってしまう気がする…。
サムとサムというクローン同士の交流や、そこから生まれた友情は勿論だけど、
私は見た目は完璧な機械であるガーティにも心があるという事に一番感動してジーンときた。
彼が居なかったらサムは月から脱出することは到底不可能だっただろうし、
最後の彼の言葉を振り返ってみても、実は物語の鍵はガーティのような気さえもする。

しかし3年間で使い捨てにされるクローンにわざわざ人間の心を持たせるとは鬼の仕業。
このままだとサムは永遠に終わることのない3年間の任期を繰り返していく事になるはずだったと考えると余りにも恐ろしすぎる。
やっぱりこういう系のお話は切なくなるから苦手だ~…。
茜