Ｎ.Ｙ.はブルックリン。Crooklyn Dodgers '95のポッセ・カット『Return of the Crooklyn Dodgers』に乗せ、所在無さげに公園のベンチに座った若者たちがHIP HOPについて議論している。ここでは『ドゥ・ザ・ライト・シング』を彩ったPUBLIC ENEMYの『Fight The Power』は時代遅れだと断罪され、今は2PACやWU-TANGの時代だと若者たちはのたまう。麻薬ディーラーのストライク（メキー・ファイファー）は、この議論をベンチの端で見守るだけだった。だが主人公は、組織のボスのロドニー（デルロイ・リンド）から、売り上げを横領しているレストランの支配人ダリルを殺すよう依頼される。彼は躊躇するが、組織の掟には逆らえない。ある夜事件は起き、ダリルは射殺された。ストライクと同じ共同住宅に住む少年タイロン（ピー・ウィー・ラヴ）は、ストライクを兄のように慕っていた。だが、少年の母親は事あるごとに彼に文句を言い、タイロンを幼い頃から見守ってきた警官アンドレ（キース・デイヴィッド）も、タイロンにだけは近づくなと忠告する。

　黒人版『KIDS/キッズ』とも呼べる物語は、薬物中毒が広がるジェネレーションX世代をセンセーショナルに伝える。当初、マーティン・スコセッシが監督する予定だった作品で、スパイク・リーは刑事ドラマというジャンルでも非凡な手腕を発揮する。殺人課のベテラン刑事、ロッコ（ハーヴェイ・カイテル）と相棒のラリー（ジョン・タトゥーロ）は、ストライクの兄ヴィクター（イサイア・ワシントン）を任意同行する。ヴィクターは、ダリルが突然飛びだして来たので銃で撃ったと自白した。その供述に疑問を抱くロッコは、ヴィクターが真犯人の弟ストライクをかばっていると主張する。稀に見る人格者である第一容疑者を捨て、執拗にストライクを疑う刑事たちの疑義の目。組織と捜査との板挟みの中で、自らの身の危険を感じた主人公はブルックリンからの逃走を試みる。だがその身の危険の中、あっと驚く人物が主人公のエンジェルとなる。黒人の死体を見飽きた刑事たちの日常、銃社会と貧困、薬物と死体と隣り合わせのストリートの現実。ここでもスパイク・リーの黒人キャストへの冷淡かつ熱心な眼差しが秀逸だが、ハーヴェイ・カイテルやジョン・タトゥーロなど白人キャストとの重厚なアンサンブル、そして何よりも大写しになる鉄道模型のダイナミズムが素晴らしい。

監督:スパイク・リー × 製作:マーティン・スコセッシという最強タッグ。ブルックリンの麻薬社会に生きる黒人たちの日常を描いた作品。

どれだけ善良な人間でも、こんなに薄汚れた街で暮らせば必ず悪に手を染めてしまう…という救いようのない物語。スタイリッシュでかっこいいけど、苦しい展開が多くてあんまり乗れなかった。

正直、黒人の死体が次々と映し出されていくオープニングが1番印象的だった。

天罰

とある飲食店で男が射殺されるという事件が起こった
やがて妻子持ちで働き者のビクターという男が自首するが、殺人課の刑事クラインは不審なものを感じ、捜査を続行する
まもなくビクターの弟で、ロドニーという元締めの配下でドラッグを売りさばいていた青年ストライクの存在が浮かび上がり、クラインはストライクを追うことに……

ドラッグ、そして銃による犯罪の影響とその背景をえぐり出すサスペンスドラマ

黒人の社会

たまり場、家族
いろんな要素があった

濃い重厚なテーマ

どちらかと言うとドラマですかね
メッセージ性もあり

殺害現場がリアル
音楽も印象的でした